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爆発が収まったセミオンは急に黙り込んで俯き、ナナの反応を待っていた。
中庭イベントの時ナナは確か“セミオン殿下には、セミオン殿下の良い所がありますわ”と模範的な回答をし、その結果セミオンの好感度を下げた……ように見えたが、今度はどうだ?
けど、不自然なんだよ。
2度目の克服イベントの内容が、そのまま1回目と同じだなんてバグだとしか考えられないんだけど?
「ふふっ。セミオン殿下はお優しいですよ」
あ、全く同じではないのか。
「え……?」
驚いたように顔を上げたセミオンは、うっとりとした瞳でナナを見つめている。
なにあの乙女。いつものオカン的な雰囲気を何処へやったんだ?
「それに、内緒ですよ?私、セミオン殿下の瞳の色が綺麗だなーって……ずっと見ていたいな、って。そう思うんです」
頬を赤くするナナは、それでもセミオンの瞳から視線を外さず、2人は見つめ合っている。そんなセミオンの頬もほんのり赤い。
乙女ゲームだな……今見ている光景こそがこの世界での正解だ。
キラキラと眩しい攻略対象者は、同じくキラキラと眩しいヒロインの傍にいるのが正しい。こんな……悪役と一緒にいるべきではない。
平民扱いされているオレがこんなにも煌びやかなドレスを着ている理由は、セミオンが強引に誘ってきたから。
この世界において強引に事が進むのはイベントがある事を表している……要するにオレはこの場で悪役令嬢としての何かイベントを用意されているのだろう。
ならさっさと帰ってしまうのが得策か、あえてこの世界の罠にかかるのが良いか。
待てよ?イベントならオレの描いた絵が使われる可能性は高い。
この会場を描いた覚えは?バルコニーか?それとも見つめ合う2人の絵……イベント、パーティー……!?
思い当たる絵が頭に浮かんだ瞬間、オレは会場内に戻って天井を見上げ、そこに想像していたよりも遥かに大きなシャンデリアを見つけた。
描いた覚えがある……あのシャンデリアが落ちる場面を。
ストーリー通りに進むのなら、あのシャンデリアはナナを目指して落下する事になる。だから恐らくはシャンデリアを落とした犯人として祭り上げられる為にオレはこの場に存在しているのだろう。
ん?
犯人がオレではないのなら、真犯人って誰なんだ?




