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悪役令嬢でござりまするってよっ!  作者: SIN
第7章ですますわっ

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 ドラードが素振りを開始させて丁度50回目で小休憩とした。

 この中で体力が1番低い者のペースに合わせるのは当然の事なので、休憩はドラードの呼吸が落ち着くまで……と言いたい所だが、そう言ってしまうとドラードが気を使ってしまうので10分という事にしている。

 休憩が終われば次は魔術の訓練だ。

 「では無属性の玉を出来るだけ大きく出してください。ドラードは濃縮してくださいね」

 無属性の玉を出すのは魔力強化にかなり良い。

 例えば、火の属性しか扱えないのなら火の魔法だけを練習すれば良いが、火と水の属性を持っていると、火の魔法ばかり練習していても水の魔法は一切強くならない。水の魔法も強くするなら、火と水の2種類の練習が必要になる。その点、無属性なら魔力そのものの訓練になるので、結果的に火も水も鍛えられるという訳だ。

 しかしドラードの魔力は元々が凄いので単なる無属性の玉だと巨大になり過ぎてしまう。そこで勝手に編み出したのが濃縮無属性の玉。

 無属性の玉を出した後圧縮し、その上からまた無属性の玉を重ねて圧縮。それを繰り返す。

 「……聞きたい事がある……」

 立ち竦んだまま動かなかったノータスがオレに、絞り出すような声で質問をしてきた。

 なんだろう?

 普段何をしているのか本当の事を教えろ。とか?

 「なんですの?」

 こんな訓練をしてナナに危害を加えるつもりか?とか?

 「……無属性の玉とは、なんだ?」

 えっ?

 そこから!?

 1組では長々と無属性の玉を出す練習を授業いっぱいに行われている中、2組は一体何をしてるんだ?

 習う事がクラス毎に違えば2年になる時のクラス分けテストはどうするんだ?

 「答える前に質問させてください。2組では魔術の授業にどのような事をしているのですか?」

 持っている属性の玉か?

 1組にいる生徒に比べれば1つしか属性を持っていない生徒が多いのだろうし、わざわざ無属性にする必要もないのだろうか?

 あ、そうだ。2種類以上の属性を持っている事自体が結構珍しいんだっけ。

 「魔術書の教科書通りだが?」

 魔術書の教科書……1組では教科書を使った授業を数回行った後から無属性授業が始まった。って事は、2組では魔力の訓練的なものはまだ始まっていないのか。

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