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この世界の通貨の単位はゴールド。
1ゴールドは日本円にするといくらなのかは分からないが、米が5キロで大体二千円としたとして、王都の市場では米が5キロ200ゴールド前後だから、えっと……1ゴールド大体10円か。
そうすると、昨日の依頼報酬の10ゴールドは円に直すと100円……なんだろう、円に換算しただけで一気にしょぼく思えてきた。
家のお手伝いをした子供へのお駄賃程度とは。
なら食堂で定食を注文した場合、金額は80ゴールドとかその辺りだろうか?
いやいや、ここは貴族の坊ちゃん譲ちゃんが通う王都にある魔法学校、そんな一般庶民が行く定食屋と値段設定が同じな訳がない。
そうなると、ちょっと小洒落たレストラン的なランチ位の値段か、一見さんお断り的な高級料亭的な値段か。
どっちにしろ行った事ないから分からないんだけどさ。
寧ろファストフード店のセットメニュー位の値段だったら親近感沸いてテイクアウトで夜食に買うわ。
「ドラード、食堂にはどんなメニューがあって、どれ程の金額でした?」
さぁ、そろそろ本題だ。
「え……お前食堂で食べるのか?俺のおにぎり不味いのか?」
本題前にもう少し回り道が必要らしい。
「いいえ。セミオン殿下の塩加減は毎度毎度完璧ですわ。おにぎりの神と呼んでも過言ではなくてよ?けれど食堂に行った事がありませんので、単なる好奇心ですわ」
パァと表情を明るくするセミオンと、笑いを堪えるドラード。
実に平和だ。
なんだかんだ言っても、オレはこの2人と過ごしている時間が楽しい。ナナのスパイかも知れないと分かっていても、どうしても警戒が薄れてしまう。
ドラードは命の恩人なのだからスパイ扱いする事は失礼になるのだろうし、セミオンは結構な時間同じポーズで絵のモデルになってくれた。絵のモデルって物凄く疲れるんだよ。それを文句も言わずに長時間。
仲間ではないのかも知れないけど、敵ではないのかな?なんて、また希望を抱いてみたりして。
裏切られたって多分オレは大丈夫なんだし、一緒にいる間は何も考えずに“友達”で良いのかも知れないな。
「全てのメニューは流石に分からないが、カレーとかハンバーグとか、うどんとか……オムライスもあったな。値段は35~50ゴールドだったと思う」
へぇ!?
魔法学校の食堂、まさかの学食レベル!




