5
セミオンの属性は爆。水と火の魔力を持っている。
ドラードの属性は月。水と火と地の魔力を持ち、何故だか回復魔法まで使って見せる大魔法使いの卵。
オレの属性は恐らくは闇。水と火、地と風全ての魔力を扱える。
セミオンとドラードになくオレにあるもの、それは風の魔力。
風の魔力では空高くまで飛び上がっての移動が可能なので、夜の真っ暗な中を女子寮の窓から高く高く飛び上がれば誰にも目撃されずに市場まで行く事が出来る。
現に昨日まではそうやってギルドまで行っていたんだ。ドーラに変装したドラードをお姫様抱っこしてな。
だが、今日からは1人だ。
「よぉ兄ぃちゃん。いつもの可愛い子ちゃんはどーした?」
「ハハハッ。毎日毎日クエストばっかりで愛想尽かされちまったんだろ」
「女ってのは何日かに1度はロマンチックな夜を求めてんのさ」
ギルドの中にいた常連冒険者達は言いたい放題だ。
ドラードがロマンチックな夜を?全くありえない話に想像も付かないが、良く思い返してみれば女はオレであってドラードではない。まぁ、可愛いのは確実にドーラに扮したドラードだけどな!
「オレは今日も換気の仕事だ」
換気の仕事ってのは闇属性のモヤを吹き飛ばすだけの簡単なお仕事。ではあるが、今の俺のレベルでは唯一受けられる討伐依頼でもある。
依頼内容が記されたメモが張り出されている掲示板を確認すると、2箇所でモヤが発生しているから2件まとめて討伐して欲しい。との依頼が出ていた。
報酬は換気依頼にしては10ゴールドと中々美味しい。
簡単な仕事なので報酬もかなり少なく、下手をすれば傷薬1個って時もある位なので、難易度の高い美味しい依頼が受注出来る冒険者は余程の事がない限り換気依頼には手を出さない。そのお陰でオレにとっては美味しい依頼がこうして残っている訳だ。
とは言ってもこれまでの報酬と比べて美味しいと思うだけで、10ゴールドっていうのが妥当なのかどうなのかは良く分かっていない。
それでも傷薬とかパンとかじゃなくてちゃんとしたお金が貰えるのだから、嬉しいじゃないか。
お金が溜まれば魔法学校を抜け出す事だって夢ではないし、用心棒とか雇えれば守り神退治だって意外と簡単に出来るかも知れない。
よぉし、そうと決まればレベル上げと貯金に精を出そうじゃないか!




