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無属性の玉を完璧な、ツルッツルの、真ん丸い形で出せるようになれ。と指示を出してから数日後、セミオンは誇らしげにピッカピカの真ん丸な無属性の玉を見せに来た。
微妙に火の属性が乗っかっている気もしなくはないが、まぁテストでもなんでもないんだからよしとしよう。それに、他にも沢山命令を考えているから、ドンドンいってみよう!
とは言え、1つこなす度に報告に来られるのも面倒なので、指示を箇条書きにしたメモを手渡す事にした。
出来たものにチェックを入れるように。と、1日1枚のメモを渡す事だけを伝え、その後は質問を受けても無視した。
本日の指示は2つ。
1つ目は昼休みにナナと接触する事。
2つ目はオレの事には触れずにナナと2人きりで、ベンチに座って話す事。
オレはもちろんセミオンにも内緒で盗み聞きするつもりだ。
話している時の雰囲気やその内容から親密度を測ろうと、そういう意図であって、覗き見が趣味という訳ではない。
接触する時間と話す場所を指定したのだから警戒はされているかも知れないが、全く問題ない。
魔法を使えば、ある程度の距離が離れていようとも声が拾える。
原理は良く分からないし、何属性なのかも曖昧なのだが、耳に魔力を流せば地獄耳になれるのだ。それに加え風魔法で声の振動を運んでくれば、すぐそばで話をしているかのようにハッキリと聞こえる。
そして身を隠す場所は屋上。
弁当を食べていれば不自然でもなんでもない上に、ベンチからも離れているのでセミオンとナナに目撃される事もない。
と、そんな訳でオレは昼休み開始のチャイムと共に屋上へ来て、おにぎり片手に噴水の周囲をボンヤリと監視している。
んだけど、明らかに指示を無視した光景がそこにはあって……ナナと愉快な仲間達が揃い踏みというね。
まぁ、愉快な仲間達からしてみればセミオンは恋敵になるんだし、中々2人きりってのは難易度が高かったのかも知れない。
けど、待てよ?
2人きりになるのが困難なのなら、恋愛イベントってどういう感じで起きるんだ?
ライバルが1人や2人ならまだ目を盗んでーとか有り得るのかも知れないが、アフィオ、ドラード、ノータス、スティアの4人に加えてナナの隣にピッタリと付いている専属侍女フィンの目がある中では何をどうやっても誰かしらの目はある……よな?
あ、そうだったそうだった。
ナナの周囲にいる攻略対象者ってのは揃いも揃って単なるキャラクターだったわ。




