美女軍団だったモノ
「ふぅっ……」
事後、草薙は呟いた。
恐ろしい攻撃ラッシュだった。
ヘルヘブン女戦闘員はヘブン・ボムをデフォルトで使ってくるが今回は組織的に徹底して自爆攻撃を行ってきた。
これほど徹底して自爆攻撃にこだわった美女部隊を草薙は知っている。
(グラマラスボムズ……さすがだな)
ヘルヘブン女戦闘員、自爆攻撃をヘブン・ボムを得手とする女戦闘員が多数所属する部隊だ。
グラマラスボムズの自爆攻撃。
「これは……ひどい」
戦いが終わった後の場を見て、草薙はつぶやいた。
部屋は死屍累々というべき惨状だった。
この部屋にきた時のムンムンとしたフェロモンはもはや感じない。
美女軍団だったものが部屋に転がっている。
プスプスと煙をあげるナニか。
焦げたローストビーフのようなものがそこかしらに転がっている。
焼け焦げた血、焼け焦げた肉の匂いが部屋に充満している。
男を魅了した美女軍団は今や、大量の焦げた肉塊と化していた。
第一波、第二波、第三波と分かれて草薙に迫ってきた美女達の姿を思い出す。
魅惑的な肉体の美女達はもはや面影がない。
非道なやり方。
だがこういった事を平気で実行するのがヘルヘブンであり、魔大国ガルディゲンなど日本を攻めようとしてる存在なのだ。
(…………)
色々思う所はある。
慣れたつもりだがやはり慣れない。だが
――それもまた良し。
ずっとヘルヘブンとガルディゲンと戦ってきた草薙だが今はそれもいい。
(まぁ――)
最後に草薙はプスプスと焼け焦げた美女軍団だった肉塊を見た。
キスや魅了してきた美女達の姿を思い出すと
(もったいない)
そう思う。
草薙はダンジョンの先へ進むのだった。