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addicted to you

作者: 太美

いつの頃からだろう?


彼女が気になり、ついつい見つめてしまう・・・・・・


彼女は太陽のように笑い、そこにいると暖かく包み込む。


夏の日差しのように、主張する光ではなく、春や秋の日差しのように穏やかな光。


穏やかな光にボクも包まれたいと思う。思うけど、そうそう近づけないのが現状。


彼女の周りには、いつも暖かい空気の流れがあった。


そろそろ、自分の進路について考えて行動を起こさないといけないのに、ボクの頭は彼女が占拠していく。


どちらかと言うと、自分で言うのはおかしいがシャイな方で、17にもなって自分から話しかける勇気が無い。


ボクのそんな気持ちに、親友の啓太けいたが気付いた。


「最近、どうしたんだよ?付き合い悪いし・・・・・・」


「うん、なんかダルいんだよね・・・・・・」


「なになに?珍しいじゃん!ダルいって!何か隠してるだろっ!」


そう言って、啓太は愛あるヘッドロックをしてきた。


啓太のヘッドロックは、愛があっても痛い。


結局、帰りにネットカフェで打ち明けることになった。気は進まないが・・・・・・・


「っていうか、どうせ奥手のはじめちゃんの恋愛系じゃないの?」


ブースに入るなり啓太に詰め寄られた。


「えっ!っていうか、気付いてたのかよ???」


「当たり前じゃん!最近このみとも話してたんだよ。絶対誰か好きな奴できたって!」


このみは啓太の彼女。しかも・・・・・彼女とも仲良し。


「で、誰なんだよ!奥手の元ちゃん!!」


「いや、っていうか、まだ好きとかのレベルでもないし・・・・・」


「今時にしちゃ珍しいな。告白して、確認すればいいじゃん。

 

 相手にされなかったら、バイバイ。脈ありなら続けて育めばいいじゃん?


 で、相手は誰よ?」


何だか、やばい展開になってきた。このまま、言わずに済む方法はないものか?


啓太の事だから、このみを使って絶対行動を起こされる。


「言いたくないっ!」


言い終わるが早いか、啓太の愛あるヘッドロック。今回は手加減が無い。


「痛いよ!放せって!啓太!!!」


「口割る気になったか???」


「ごめんって!」


啓太の腕の力が緩んだ。でも、いつでも再開できるように、手はロックした状態だった。


「誰だよ?奥手の元ちゃんのお手伝いしてあげるからさ・・・・・・」


きっと、啓太の顔はにたにたしてるに違いない!


「ゆっこだよ。このみと仲いいから、言いたくなかったんだよ・・・・」


言い終わるが早いか、啓太はヘッドロックを外し、携帯でメールを打ち始めた。


暫くすると、メールが返信されてきた。


「元ちゃん、今からこのみとゆっこ、ここ来るって。ちょうど2人でお茶してたらしいぞ。」


「えっ!啓太!お前、何をメールした???」


「元ちゃんといてるから、来ないかって。」


「本当にそれだけ?」


「そうだよ。何、もっと色々送ってほしかったの?」


そういう訳じゃないけど、心の準備というか、奥手のボクには心臓が止まりそうだった。


彼女達が到着すると、ネットカフェから場所を移動する事になった。


啓太とこのみはさっさと手を繋ぎ、前を歩く。彼女とあっけにとられた。


「びっくりしたよ。このみにメールが来て、いきなり店出るって言うし・・・・」


「ごめんね。時間、大丈夫なの?」


「実は、そろそろ帰らないとヤバイの。いったい何の用だったのかな??」


「あっ、そうだ。よかったら、アドレス教えてもらえる?」


ボクの精一杯。


何とかアドレスの交換。結局彼女は帰っていった。


啓太とこのみには悪いけど、ボクも帰ることにする。メール送っとけばいいし・・・・・・


家に帰ると早速彼女からメールが来た。


"今日はびっくり。このみに来て!って言われて到着したら啓太くんに元ちゃんがいてて・・・・


 アドレス交換したから、早速嬉しくって送っちゃった♪"


"嬉しくって送っちゃった♪"って、どういうことだ????


これは、素直に喜んでいいのか?メル友増えて喜んでるのか??


でも、チャンスに代わりはないから、ボクも即効返信をする。


"ボクも驚いた。実はさ、話があったんだけど、話せなかった。今、時間大丈夫?"


顔が見えないから、何だか簡単に告白できそうな気がしてきた。


指は震えてるけど・・・・・・


"大丈夫だよ♪話ってなぁ〜に???"


これは、奥手のボクにもチャンス到来!このタイミングで言わないと!決心して返信。


"突然だけど、伝えたいことがあるんだ。迷惑かも知れないけど、僕の気持ち


 addicted to you"


送信ボタンを押す手が震えてる。少し迷ったけど、送信を押す。


携帯を閉じて、眼を閉じる。


このまま返信がなかったらどうしよう?


不安に思ってると、彼女からの返信。不安と緊張で携帯を開く。


"今、出れる?出れるなら、三蔵公園に来て欲しいんだけど?"


"大丈夫。今から家を出るよ。"


そう返信して、ちょうどボクの家と彼女の家の中間にある公園に向かう。


向かう道々、いろんな事が頭をよぎる。


なんで、呼び出されたんだ?


急に変な事言ったから怒られるのか?


それとも、彼氏がいて、彼の逆鱗に触れたか?


何なんだよ!いつもなら数分の距離なのに、果てしなく続くかのように思った。


公園に着くと、彼女はブランコに乗って待ってた。


「ごめんね。急に呼び出して・・・・・・・・」


「こっちこそ・・・どしたの?急に?」


「うん、やっぱり、直接言葉を聞きたくって・・・・・・」


「えっ?」


「元ちゃんの声で、さっきのメールと同じ事、言って欲しいの・・・・・・・・・・」


メールだから、言えた事なのに・・・・・・・


本人前にして、奥手のボクが言えるかな?????


でも、きっと、彼女も勇気を出してここまで来たんだし・・・・・・・・勇気出したのかな?


そんな事はいいや。とにかく、気持ちを伝えよう!


「実は、最近、ずっと気になってた。」


「うん・・・・・・・・・」


「突然で、びっくりするかもしれないけど・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・うん。」


本人が前にいてると、やっぱり言いづらい・・・・・・


せっかくのチャンスだし・・・・・・


啓太の言った通り、だめもとで言ってみるか・・・・・・


そんないい加減な気持ちなのかな?


自問自答してる時間はない。奥手の元は卒業しないと・・・・・


一歩を踏み出さないと・・・・・・・・・



「ゆっこのこと・・・・・・・・ボク、好きかも知れない・・・・・・・・・


 突然でごめん。うん。・・・・・・・・・・・・やっぱり、好きだ・・・・・・・・」


言ってしまった。緊張と後悔と、開放感と・・・・・・・何だか不思議。


「ありがとう・・・・・・・・」


そう言うと、彼女はゆっくりブランコから立ちあがった。


太陽のような笑顔を浮かべながら、ボクの方に近づく・・・・・・・・


この笑顔がボクのaddicted・・・・・・・・


ボクの耳元で、背伸びをしながら、ゆっこは囁いた。


「ありがと。私も、同じ・・・・・・・・」


気がつけば、抱きしめていた。



これからも、ボクは addicted to you・・・・・・・・・・・・・
















読んでいただき、ありがとうございます。

今後の参考にしたいので、どんなことでも感想をいただければ、うれしいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 全体的に話は良かったのです。 短い話ながらも展開が自然な感じでした。 ただ、個人的に『ゆっこ』に口で告白するときも「addicted to you」のフレーズを使ってほしかったですね。 それ…
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