001ラムダ、12歳になり色々思い出す。
初投稿です。
ゆるーくやっていきたいです。
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読みづらくて修正していたら文字数がどんどん増えていきました…
2話以降も修正のために一度やり直します。
この世界では、12歳になると女神の祝福を受け、「スキル」を授かることができる。
そしてスキルの確認、及び管理を女神信仰の教会が取り仕切っているので、大体の者は12歳の誕生日を迎えると教会へ行くことになる。
別に行かなくてもスキルは授かれるが、自然経過はランダム要素が強く、いつ授かれるか分からない。
その点教会で専門の儀式を受ければ即座に授かれるので便利なのだ。
スキルは1人に付き最低1つ、最高で7つ授かることができ、その後スキルの数が増減することはない。
なので7つスキルを授かった者は、女神に愛されし者として人々から尊敬される。
スキルの内容もさまざまで、有用なものもあれば、所謂「ハズレ」と呼ばれる使えないものもある。
授かったスキルの数が少なくても、良いスキルであったり、組み合わせの相性が良ければ、それもまた人々に尊敬される要因となる。
魔物という驚異が存在するこの世界では、武器防具系・魔術系スキルは最もポピュラーかつ重要なスキルとされている。
スキルが無くたって、剣を握ることはできるし鎧を着こむことはできる。
魔法だって、練習すれば火・水・風・土の四属性の初級程度であれば行使できる。
しかしスキルがあると無いのとでは天と地の差があるのだ。
【ロングソード】のスキルを持っていれば、ロングソードの形状をした剣なら即座に手足のように振るえるし、『スラッシュ』等のアーツと呼ばれる技を放つことができる。
【重鎧】のスキルを鍛えれば、フルプレートメイルを装備していても普段と遜色ない動きが可能だし、一定時間に一度だけ物理攻撃を激減させる『パワーガード』というアーツを覚えたりもする。
魔術スキルだって熟練度を上げるほど強力な魔法を行使できるようになるし、四属性以外の、スキル固有の魔術等も存在する。
スキルの存在一つで、その価値は無限に広がるのだ。
ちなみに熟練度は「Lv」で表記され、最高が10とされるため、「○○Lv4」は中堅どころと認識されている。
Lv4から次に行くまでが中々に難しいのだが。
また、アーツや魔法は 初級・中級・上級・王級・龍級・神級といった感じで、威力がランク別けされており
アーツや魔法を覚える早さは個人差があるものの、神級と呼ばれるものは必ずLv10に熟練度が達さないと覚えることができない。
昨今では熟練度を10まで上げれる者が極端に減っているため、神級のアーツや魔法はここ100年ほどお目見えしていないらしい。
さてこのスキル、数は基本的にランダムとされているが、内容は親から引き継ぐことが多い。
なので、有用なスキルを持つ者同士の子供は、かなりの確率で有用なスキルを引くことができるのだ。
そんな事情もあり、貴族と呼ばれる者たちは有用なスキルを持つ者と婚姻する傾向にあり、必然的に貴族=有用スキル持ちの図式が成り立つ。
私もサンメル家という僻地に領土を持つ男爵家で三男という立場に生まれ、良いスキルを授かるようにと祈られながら大事に育てられてきた。
しかしいざ12歳になり教会で祝福を受けると、私が授かったのは【モノマネ】というレアスキル1つだけ。
レアスキルとは、滅多に授からない珍しいスキルのことだが、だからといってそれが有用とは限らない。
特に【モノマネ】は、動物の鳴き真似ができるとか、他人の歩き方を完コピするとか、しょうもないスキルなのだ。
熟練度が最高に達すれば、剣豪と呼ばれる強者の剣筋を真似ることもできるらしいが、本人にそれをコントロールするだけの腕力がなければ、威力は半減以下であるし、下手をすれば自身が怪我をする。
魔法だって、魔力がなければ強力な魔法を真似ても失敗で終わるのだ。
長男は【ロングソードLv1】【小盾Lv1】【チャージLv1】【大声Lv1】と、戦闘に強いスキルが3つもあり、また大声は集団戦で指揮を執るのに有効だ。
次男は【風魔術Lv1】【火魔術Lv4】と、スキルは2つと少な目なものの、魔術スキルを2つ持ち、さらに火魔術は初期から熟練度が4もある。所謂即戦力というやつだ。
そして三男である私が【モノマネ】。
これには家族が大いに荒れた。
「一体どこの馬の骨からこんなスキルを!!」
「身に覚えがございません、私は潔白です!信じてください!」
モノマネなんてスキルを持っている者は血縁におらず、すわ不倫かと母が父に詰め寄られたが、レアスキルということで、最終的にたまたま授かってしまったスキルだろうということで落ち着いた。
不倫騒動が収まると、今度は私の立場が危うくなる。貴族というのは体裁を気にする。
サンメル家は特にその辺が顕著であった。
「今まで育ててやったのに、まさかこんな親不孝者だとはな」
「貴方のせいで私は肩身が狭くなってしまったわ。貴方なんて産まなければよかった」
「おいおい、ゴミが俺の目の前を歩くんじゃねーよ。不愉快でたまらねぇぜ」
「話しかけないでくれるか?お前が弟だなんて、僕の人生最大の汚点なんだ。声も聞きたくない」
上から順に、父・母・長兄・次兄の言葉である。
モノマネなんてゴミのようなスキルたった一つしか授からなかった私は、サンメル家にとって厄介者の何物でもない存在となってしまった。
家族だった人たちから、突然粗大ごみのような扱いを受け、流石に泣きそうになる。
ちくしょう、別に好きでこんなスキルをもらったわけじゃないのに。
特に長兄なんて、私が廊下を歩いていると背後から蹴りを入れてきたりした。
スキルこそ使ってないものの、近接戦闘特化のスキル構成に沿って戦闘訓練を行っている長兄の蹴りは、
普通に痛いので止めて欲しい。
一度歯向かおうとして、ボコボコにされてしまった。
何故か顔だけは無事だったけど、体中痣だらけで痛々しい。
動けないほどじゃないけど常にじんわり体が痛いのがキツかった。
思ったより打たれ強い私に長兄は舌打ちしていたけど、その場はそれで気が晴れたらしい。
いつか絶対倍にして返してやると心の中で誓った。
そんな私の処遇を、地下に監禁して存在を隠すか、縁を切り放流するか、いっそ今のうちに処分してしまうかと、私抜きの家族会議で話し合った結果、縁切りからの放流ということで決着がついたようだ。
スキルを授かってから5日目のことだった。
着の身着のまま、突然ポイっと玄関から放り捨てられたのだ。これには私も唖然である。
「これより、貴方はサンメルの家名を名乗ることは許されません。また、この場に留まることも。
すぐにこの町を出て、サンメル家の迷惑にならないくらい遠い場所で暮らしてください」
私を投げ捨てた執事…というかお手伝いさん?の御爺さんであるジグルさんに、淡々とそう言われた。
「あ、あの、町を出るのはいいとして…町を出たら魔物が居るじゃないですか。身を守る装備とか、路銀とかは……」
「旦那様より、『粗大ごみにくれてやる物は何も無い』、とのことです。」
マジかよ。私の(元)父親が鬼畜すぎる件について。
自由を得られる分、監禁や処分よりはマシな結果と思われるだろうが、私は12歳になるまでは何不自由なく(田舎の中では比較的という意味で)育ってきて、自活というものは全くしたことがない。
しかも、街道でも時々魔物が出てくるような町の外を、装備も無く、それを買うお金も無いまま行けという。
事実上の死刑宣告だった。
「あの、ラムダ様?お一人で、しかもそんな軽装備で外に出るのは危険では?」
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫さ、私はもう12歳で、成人したんだからね!」
「しかし、護衛の一人でも付けた方が……」
「うるさいなぁ、あんまりしつこいと父上に言いつけるぞ!」
「は…申し訳ありません。出過ぎた真似を致しました…どうぞ、お気をつけて」
私服そのままで町から出ようとして門番に訝しがられたけど、適当にごまかして、さっさと出入り口の門を通る。
心配そうな門番のおっさんの優しさが身に染みる。
家族やその周辺の対応がアレだったせいで余計につらい。ごめんなおっさん。
なお長兄が顔を攻撃しなかったのはこの時のタメのようだ。
私はサンメル家三男として町の住人には顔が知られていたから、そんな三男がボロボロの状態で町の外に出たら世間体に良くない、ってことなんだろう。
確かに服を着ていれば一見して怪我をしているようには見えない。
あの野郎、思ってたよりも陰険だな……
私がスキルのせいでサンメル家から縁を切られたという話も伝わっていない。
そんな者が一族に居たというだけで汚点になるからだ。
下手をすると、他の貴族と縁を結ぶ際に「お宅の血はゴミスキルを引く恐れがあるらしいね」とか言って
お見合いを断られる可能性もある。
なので私は「家族の目を盗んで勝手に外に出て、勝手に魔物に襲われて死んだ」ということにするようだった。
「ま、簡単には死んでやらないけどね。戦闘もそこまで問題視してないし。」
一人街道を歩きながら、ニヤリと口角を上げる。
長兄にボコられた私を見ていた者がいるなら、何を馬鹿な、と思うかもしれないが。
実際私は長兄に対して手加減をしていた。
いや、物理攻撃では長兄には手も足も出ないのだけど。
ただ、魔術の行使に関しては別だ。
家庭教師によって四元魔術の初級までならなんとか使いこなせる私だが、
何故初級ごときでそこまで自信満々でいられるのか。
女神の祝福によりスキルを授けられた際、それをきっかけに私はあることを思い出していた。
遡ること13年前
「うえぇぇぇん!!わぁぁぁん!!ぐすっひぐっうあっぁぁぁあぁ…」
「ちょっとちょっと、いい加減泣き止んでよ。話が進まないじゃないか」
「だって…だってぇぇぇ…うえぇぇぇぇ」
「きみ、生前はいい大人だったでしょ?心残りがあるのかもしれないけど、死んでしまったものは仕方ないのだし、諦めなよ」
真っ白な空間でうつ伏せになり大号泣をし続ける私を見て、眉を八の字にしたイケメンが溜息をついている。
そう、私はラノベとかによくある転生者というもので、目の前に居るのは私を転生させるためにやってきた、神様だ。
なんでも神様の管理する世界では、大気中のマナを魔法で循環させることで均衡を保っているいるらしいのだが、
昨今は人間も他の種族も大した魔力を持っていなかったり、大きな魔法を使用できるほどスキルが育たなかったりで
マナの循環が滞りガチなのだそうだ。
そこで地球の神様に頼んで、一人魂を融通してもらい、それに大量の魔力を与えて世界に放とうと計画した。
どうも他の世界の魂の方が魔力やらなんやら与えやすいらしい。
世界を跨ぐことで「初期化」され、設定を受け入れやすいのだそうだ。
そんな中で選ばれたのが私だった。ちなみに選考理由はくじ引きとのこと。
「ちがうんでず…死んでしまっだことは諦めがついでまず…ぐずっ」
「じゃぁ、何がそんなに悲しいんだい?」
「衣装……」
「え?」
「私のコスプレ衣装が全部燃えちゃったことががなじいんでずぅぅぅぅぶえぇぇぇぇぇ」
「え、えぇー…?」
生前の私は、在宅勤務をするアラサー女だった。
そしてそんな私の趣味が「コスプレ」。様々な漫画やアニメ、ゲームのキャラの衣装を自作しては、イベントでコスプレするのが生き甲斐だったのだ。
コスプレは私にとって命の次に大事なもので、コスプレのために仕事をしているといっても過言ではなかった。
特にドハマリしていたのが、MMORPG「天と地を統べる詩」略して「天地」のキャラに成りきること。
自身のアバターは勿論、NPCとして出てくる敵キャラ味方キャラ、果てはとある村娘のコス衣装も作っては着ていた。
ただの村娘とあなどるなかれ。
どんなモブNPCでも1キャラずつデザインが違うし、台詞だってかなりのパターンが個別に組まれている。
アップデート毎に数キャラずつセリフや細かいイベントが増えていくし、好感度システムだってあるのだから驚きだ。
なので、メインNPC以外にもファンの付くNPCは沢山いたのだ。
そんな彼らの衣装を作り、その身に纏って成りきることが、当時の私にとっての一番の幸福だった。
衣装の多さ故、天地ファンの間で私はそこそこ有名人となりつつも、オンリーイベントには必ず参加し、最低でも1回はお色直ししながらコスプレを楽しんでいた。
マッチョキャラのコスなら精巧な肉襦袢も用意したし、セクシー僧侶のおっぱいの再現にも努力と金を惜しまなかった。
え?元々マッチョや巨乳の人がコスプレすればいいだろうって?バカヤロウ、自分でやるからいいんだろうが。
そんなこんなで私の部屋は、仕事場以外のほとんどを衣装や小道具に埋め尽くされていたが、私はそれで幸せだった。
なのに、私の住んでいたマンションで、隣の部屋の馬鹿が引き起こした火事が発生。
数年かけて作ってきた衣装があっという間に燃えて行ってしまった。
私は発狂しながら残った衣装を少しでも救出しようと努力したが、その甲斐もなく衣装は目の前で全焼。
絶望の中、私はその場から逃げ出す気力も失い、そのまま力尽きた。
「グラメルたんのセクシー法衣が…シュレイグス様の翼が…タタきゅんの専用杖なんか、めちゃくちゃこだわって制作費に10万近くかかったのにぃぃ……
あんなに、あんなに頑張って、お金かけてコツコツ作ってきた衣装が…全部もえぢゃっだぁぁぁぁつらいぃぃぃうぅぅ」
おいおいと泣き続ける私を見続け、同情したのか話を進めるためなのか、神様がこんな提案を出した。
「そんなに衣装のことが大事だって言うなら、その辺融通してあげてもいいよ?」
「ぐすっ…どういうことですか…?」
「本当は、こっちの我儘に付き合ってもらう代わりに、珍しくて有用なスキルを7つ付けてあげようと思ったんだけど…
それを無しにしていいなら、君が生前作った衣装…あー、天地?のキャラクターの分だけになりそうだけど、復元して君の持ち物に追加してあげてもいいよ」
「マジで!!?」
神様のめちゃくちゃありがたい提案に私は思い切り顔を上げた。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔で目も血走ってたと思うので、神様の顔が引き攣ったのも致し方ないと思う。
「う、うん。天地の衣装だけでも相当な量があるから、スキルとは別に【収納】を使えるようにしてあげるよ。この収納はほぼ無限に物が入る亜空間使用で、時間経過もない。
スキルで言うと時空魔法の神級ってところかな?魂だけならともかく、前の世界の物を復元してこっちに引っ張ってくるのは、割と神としての処理が大変だから、
7つの有用スキル確定を犠牲にして、【収納】と衣装一式…あ、化粧道具も付けとくね。
まぁそれで妥協してもらうことはできないかな?」
「ぜひぜひ!超オッケーです!!ありがとう神様大好き愛してる!!!」
「どんだけ衣装のこと大事だったの!?でもまぁ、これで転生に前向きになってくれるなら良かったよ」
神様はほっと胸をなでおろし、未だ蹲った体勢の私を立ち上がらせた。
「さて、7つのスキルを事前に設定することはできなくなったけど、元々君には世界のマナを循環してもらうための力を持って貰わないといけない。
だからMP…特定のアーツや魔法を行使するための力ね。これは今現在人間の保有するMPのおよそ20倍程度を与えるつもりだよ」
「20倍!?流石に多くないですか?そんなにないと、強力な魔法が撃てないんですか?」
「いや、マナが循環できるほどの魔力でいいなら、2倍もあれば良いんだけど…それだと1日1発撃てればいいかなって程度なんだ。
わざわざ他世界から魂を呼んでまで魔力を与える手間を考えると、それじゃぁ勿体ないだろう?
だから君には1日に単純計算10回は強力な魔法が撃てる魔力を保有してもらいたい。
あぁ勿論、絶対に毎日10回撃つ必要はないし、取得するスキルによっては強力な魔法を覚えれないかもしれない。
そういう時は、初級でもいいから沢山撃ちまくってくれれば、ちょっとずつなら循環に貢献できるから、できる範囲でお願いするよ。」
20倍とか言われてちょっとビビったが、ノルマは聞く限りそんなにキツイものではないようでホッとした。
「そしてステータスだけど、あ、ステータスはスキルとは別に個人が生まれつきもっているモノだね。
【ステータス】と心の中で唱えれば、君の今現在…生前のステータスが見れるはずだ。やってみて。」
神様に促されて私はステータスと脳内で唱える。すると目の前に半透明の板が出てきた。
「すごい、ゲームやってるみたい」
「僕は神様だから君のステータスをのぞき見できるけど、基本的には自分しか見れないものだから安心してね。
あ、でも【鑑定】のスキルを持ってる人には、熟練度次第で見られちゃうかも?
まぁそれは置いといて、項目は上から順に説明するね」
リンコ・サカグチ
年齢:32 性別:女
種族:人族 職業:なし
Lv:15
HP:300 MP:15
筋力:D
俊敏:D
精神:D
体力:C
魔力:F
器用:A
幸運:E
「職業がなし、になってる……」
「まぁ、死んでしまったからね、そこは転生後頑張って埋めてね」
神様はそれから一気に説明を続けたけど、長かったので簡単にまとめてみる。
ここで言うLvは、スキルの熟練度とは別の存在で、基本は戦うことで上がるけど、生産活動をすることでも上がる。
Lvが上がれば他のステータスに影響を与えるから、率先して上げていけば良いとのこと。
Lvに上限は無く、人間の平均が30くらい。70もあれば、英雄とか呼ばれるようになるとか。
HPは生命力。これが0になると死亡。
逆に言えば、どんな大怪我や病気でも0にならなければ死なないってことだけど。
欠損等や状態異常は、それを治癒できるほどの魔法か薬が必要になるし、特に欠損はその分だけHPも喪失するから注意。
寿命でも段々と削れていくそうだ。
MPは今現在行使できるアーツや魔法の力。15だと初級魔法が1~2発は撃てるらしい。
ここからは数値じゃなくてランクで表示されている。
大体は見たままで、私にとって重要なのは精神と魔力。
精神は魔法攻撃に対する抵抗力とか、集中力。これが高い人はアーツや魔法を覚えやすい。
魔力の高さによってMPの量は影響を強く受けるし、魔法や特定のアーツも質が左右される。
このランクはF~Sまで存在している……とされているけど、実はSの上にSS、SSSがある。
SSまでは到達したのを申告したおかげで認知はされてるけど、もうかれこれ500年はSSになった者がいないせいで、おとぎ話程度の扱いを受けているらしい。
現状、1つでもSランクに到達できれば、五千人に一人の天才とか言われるレベルだとか。
ちなみに、これらのランクは自身を鍛えたり、Lvを上げるとアップすることがある。
貧弱なステータスでも最後まであきらめないで、とのことだ。
「で、ここまで一気に説明したけど、魔力のランクね。
これを僕の権限でSSまで引っ張り上げようと思います!
他のステータスもいじれるんだけど、魔力の底上げに全力投球したいからね、あとのステータスは自力で上げてほしい。
あ、でもすぐに死なれても困るからHPも1000まで上げておくね。
体力とHPは似て非なるものだから、その辺は気にしないで。
さて、ここまでで何か質問は?」
口を挟む余裕もなく説明を受けてきた私は、唐突にきた質問タイムにおろおろしつつも手を上げた。
「魔力をSSって、世界では認知されてないランクですよね?もし誰かに【鑑定】されたら、大騒ぎになるんじゃないですか?
多分、すごくエライ人に呼び出されて、お城とかで働くことになりそうですよね」
「そうだね、きっとSSの魔力があれば宮廷魔術師として重宝されるだろう。
君が魔法スキルを授かれば、それがどんな魔法スキルでも世界最強の座を思うがままにできるだろうし。
【収納】はステータスに反映されないけど、もしバレた時は有用なスキルだから、戦力以外の期待も大きくなる。
でも、それだと困るんだよねぇ……
宮廷魔術師なんかになったら、滅多にその土地から動かなくなっちゃうし…
できれば君には色んなところで魔法を使って欲しいんだ。
だからオススメの職業は冒険者とか吟遊詩人、行商人辺りになるんだけど……そうだ!」
良いことを思いついた、といったニコニコ顔で、神様はポンと手を叩いた。
「この世界の者は、魔物を除き12歳になると女神の祝福…スキルの神だね。
彼女の祝福を受けてスキルを授かるようになる。
その時まで、君の本当のステータスは見れないように隠しておこう。
中身は変わらないけど、鑑定しても一般的なステータスが見えるようにしておくよ。
君も、こっちの世界で生きる者として馴染んで欲しいから、ここでの記憶は一旦封印しておこうね。
その方がステータスや収納持ちがバレる心配も減るし。
どんなスキルを授かるかは君の運次第だけど…幸運がEだからなぁ…
できれば、魔法スキルを引いてくれると嬉しいかな?」
そんなこんなで、私は12歳になるまでラムダ=サンメルとして過ごした。
12年間愛しの衣装たちに会えないのは悲しいことだと当初は思ったが、実際は全く記憶になかったおかげでつらくは無かったし、
今は早く衣装を確認するために良い隠れ場所が無いか、ワクワクしながら歩いている。
スキルがゴミでも魔力は世界で一番のランク、その辺の雑魚魔物に負けるわけがない。
家族にバレないために隠していたけど、我慢する必要はもう無いからね。
こうして私の冒険は始まりを迎えるのだった。
でもまずはコスプレしたい!