09 自分のチカラ
今回も同じくらいの文字数です。
ともかくそのことは置いといて、お金を稼ぐ方法を探すことにした。
しばらく聞いてまわって分かったことは、仕事を見つけるには主に二つの方法があると分かった。
一つ目は、職業ギルドという組織で何処か就職先を探すこと。
二つ目は、冒険者ギルドで冒険者登録をし、クエストを受けてお金を稼ぐことだ。
職業ギルドとは、店を開いたり、従業員などを増やしたい時に、求人を掛けて募集をするための組織だ。ここに来る人は大抵の場合固定の職業を得るために来る。
そして、冒険者ギルドは、よく小説にあるような、依頼者がクエストを出して、それを登録者が受けたり、街の雑用などを手伝ったりする所で、住む場所を固定しない人や、戦闘を得意とする人が集まる場所だ。
僕は住む場所を固定するつもりはないから、冒険者ギルドに行くことにした。元々行ってみたかったし。
それと、年齢制限はないみたいだ。まあ、あったとしたら僕は即アウトだね。多分6歳程度だし。
道端であった人に教えてもらった方向に歩いて行くと、周りと比べて大きめの灰色の建物が構えていた。
中に入るとごっつい人達がかなりいた。もう直ぐ夕方だし、殆どの人は戻ってきているのだろう。
ずっと見てると絡まれそうなので、さっさと登録を済ませることにした。
受付の人、女の人ばっかだなあ。
僕はその中でも、一番魔力が綺麗な人の所に並んだ。ジロジロと見られたけど、気にしないことにした。フードもかぶってるから、殆ど顔も見えないはず。
僕のことなんて忘れてねー
魔力が綺麗っていうのは、僕が魔力を見ることが出来るから言えることだ。魔力はほんの少しずつからだから漏れている。その魔力が綺麗と思える程、自分にとって安全な人だと、本能的にわかる。
ハイ・エルフの本能って便利だね。
しばらくすると順番がまわってきた。
「えっと、冒険者登録をお願いします。あと、今日何処かで泊まれる分だけでも稼げる仕事ってありませんか?」
受付の人は少し驚いた表情をしてから、心配しているような表情で話しかけてきた。
「君、親御さんは? 一人でここに来たの?」
「えっと、ここには1人で来ました。それで、お金がなくて、泊まる場所もないので・・・」
「・・・! わ、分かりました。冒険者登録をしますね。えっと・・・この箱のここに魔力を流してください・・・はい、では・・・この書類に必要事項を書いてください。代筆は必要ですか?」
僕はお母さんに字を習っていたので、いらないと返し必要事項を記入していく。名前は普通にリア、と書き込み、出身地は書かないでおく。
その他諸々を書いて、紙を返した。
「はい・・・では、ギルドカードを作成しますので、少々お待ちください」
そう言って受付の奥にある部屋に入って行った。
少し待つと、免許証くらいの大きさのカードっぽいものを持ってきた。ちょうど仮身分証と同じ大きさだ。
「はい、これが冒険者の証となる、冒険者カードです。これに魔力を流すと、自分のランクとステータスを見ることができます」
ステータス!? そんなの本当にあったの!? み、見たい!
だけど、受付の人が冒険者と冒険者ギルドについての説明は必要かと聞いてきたので、説明してもらう。
・・・殆ど小説で出てくるのと同じだった。ただ、冒険者同士の争いは、指定された場所でしないと犯罪になるというのは気を付けないと・・・
そして!ランクはGからスタート。まあ、これは当たり前だね。
さて! ステータスを見るぞ!
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名前 リア・ルイシェル
種族 ハイ・エルフ
職業 冒険者
冒険者ランク G
年齢 6
Level 14
HP 50/50
MP 3658500/3658500
筋力G
魔力S
体力F
敏捷C
幸運SS
スキル
魔力回復強化
固有スキル
感覚強化
大罪スキル
憤怒(無効)
称号
異世界転生者 多重人格 魔法創造者 憤怒 破壊の主
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・・・僕は化け物? ああそうですかそうですか。
MPおかしいですね〜。これが世界の標準だったり・・・
「あの、標準的なMPの量ってどのくらいなんですか?」
「えっとですね、普通の成人した人でしたらだいたい100くらいですね。世界最強と呼ばれる賢者様が10000程ですね」
しないんだね・・・
もう今日はこのことはいいや。泊まる場所探さないと・・・
「あの、泊まれる場所と宿泊代を稼げるクエストってありますか」
「あ、はい。泊まる場所でしたらこの建物の2階にある休憩室でよければどうぞ。支部長の許可もとってありますので。あとですね、もうすぐ夜なのに君みたいな小さい子が外に出て行こうとしちゃいけないからね? わかった?」
「!・・・は、はい。分かりました」
「うん、じゃあ案内するから着いてきてね」
「はい・・・」
急に話し方が変わった受付の人に戸惑いながらも、返事をしてついて行くことにした。
案内されたのは、小さなベッドだけが置いてある部屋だった。
「こんな小さい部屋だけど、我慢してね?」
「はい、ありがとうございました」
フードを取って頭を下げる。
しかし、何も言ってこないので気になって頭を上げると、受付の人・・・お姉さんは僕を見たまま固まっていた。
「あ、あの? どうしたんですか?」
「・・・・・・」
「あの・・・」
「・・・か」
「か?」
「可愛いぃっ!」
「ひゃあっ!?」
急に抱きつかれた!? ちょ、触らないで!拒絶反応起こすか・・・ら?
あれ? 何も起きない? いや、抱きつかれた瞬間はムッチャ反応しちゃったけど、今は大丈夫みたい・・・?
って! 頭を撫でない・・・で・・・きもち〜・・・
「ふぁ・・・」
「よし! 今日は一緒に寝ようか! 支部長に許可もらってくるね! 少し待ってて!」
「えっ!?」
お姉さんは部屋を出てどっか行ってしまった・・・もっと撫でて・・・じゃなくて! 一緒に寝るってどういうこと!? いきなり女の人と一緒に寝るって・・・あ、今僕女の子だったか・・・
もう! どうにでもなれ!
しばらくするとお姉さんが戻ってきた!
「さあ! 許可もらったよ! しゃあ寝ようか!」
「ちょっと・・・わあっ!?」
お姉さんは僕を持ち上げてベッドに連れて行く。
だからまだ心の準備が・・・
と思ったけれど、お姉さんと一緒に寝転んで撫でられていると、すぐに眠くなってきた。
なんだかこれ、お母さんを思い出すなぁ・・・
少し切ない気持ちになりながら、僕は眠りについた。
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2017/08/06 一部修正及び加筆




