29 セントラル防衛計画③
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「…どうしたんですか? 一巳さん?」
「…颯人と一緒に部屋に戻っててくれ。あとで部屋で話すから。まずは他の奴らと相談してくる」
…何か大変なことでも…? ダンジョンがどうたらって話かな…?
まあ、あとで話してくれるなら、いいかな。
「わかりました。それじゃあ、颯人さん、戻りましょう」
「うん、わかった。一巳も早めに来てよ。最近退屈なんだから。まあ、あっちに行けば少しは遊べたりするのかな」
「おう、まあ、待っててくれ」
そうして僕と颯人さんは部屋に戻った。
「一巳さんはなんであんな難しそうな顔をして…いたのかな…」
危ない…
「うーん、わかんないなぁ…ボクにわかんないなら、多分戦闘とか、そんな感じのことだと思うよ? まあ、一巳を待ってようよ」
「は…う、うん」
そのあと颯人さんとちょっとしたゲームをしながら一巳さんを待った。
一巳さんが戻って来たのは約30分後。結構話し込んでいたみたいだ。
「颯人ー、リアー、いるかー?」
「いるよー、入ってきてー」
「おう」
一巳さんは見た感じいつも通りだ。
「それじゃあ、さっき起きた問題と、話し合った結果な」
「はい、お願いします」
颯人さんも結構真剣な表情だ。
「まずは、起きた問題から…さっき来た3人組は、俺たちの故郷での知り合い……だな。おそらくだが、あの3人は帝国派の最高戦力だろう」
あっち側の勇者の呼び方が帝国派に変わっている。まあ、こっち側も結局は戦うことになっちゃったからなぁ…
「あの3人が言っていた、あのダンジョンっていうのは…この帝都のすぐ近くにある中級ダンジョンのことだ。あいつらはそれをクリア…制覇した。別に、制覇することが悪いことじゃない…えっとだな…」
なんだろうか…
「そのダンジョン…俺たちは一人もクリアできていないんだ」
「……つまり、個人的な戦力で見ると、こちらの一番強い人よりも、あちらの一番強い人の方が強者、ということですか?」
「…なんというか、そうだな。ダンジョン内での戦闘においては、こちらは上回られたと言っていい」
「…しかし、それはダンジョンでの話でしょう? ダンジョン内での戦闘は、単純な戦闘力以外でも色々と技能が必要ですから」
ダンジョン内では、魔物との戦闘以外にも、マッピング、又は地図を読む技能、そして、トラップを回避する技能などが必要なのだ。どれだけ戦闘力が強くても、即死系統の罠に引っかかってしまっては死んでしまうのだ。
「…こちら側の最高戦力は一応俺なんだが…帝都の近くのダンジョン…帝都ダンジョンのクリアは無理だ。あそこはトラップが多くてな…まあ、リアの言う通り、ダンジョン内での強さが普通の戦闘…戦争での対人戦で完全に生かされるとは考えていない。最初はクリアしたという言葉に呆然としてしまったが…他の奴らと話し合って、対策は訓練を真剣に行うようにする、と言うこと以外は何もしないということになった」
「…まあ、そうなりますね」
「ただ、それだけのことだ。颯人も、わかったか?」
颯人さんは…何かに驚愕していた。
「一巳…」
「何だ?」
「…一巳って、強かったんだね!」
「…はぁ? 失礼なこと言うな…一応俺はこちら側最強だ。戦闘はスキル頼りだがな…」
…転移スキルか…多分、色々転移させて相手の体に…って感じだろう。僕もできるっちゃできるんだけど…転移魔法は魔力消費が大きいから、普通に魔法ぶっ放した方が効率が良かった気がする。転移魔法での攻撃は、静かに相手を倒す…まあ、暗殺とか、そういう戦い向けだ。
スキルは魔力を消費しないらしいから、一巳さんはバンバン使ってるんだろうけど…まあ、そりゃあ強いわな…颯人さんは転移スキルについて知っていたはずだし…戦闘できるってわからないのかな…
もしかして、お馬鹿だったりする…?
「むっ! リアちゃん、今失礼なこと考えなかった?」
「…いえ、何も」
「ふーん…」
女の勘ってやつなのかな…僕には備わってないみたいだけど…一応女だよ? 元男だけど。
「リア」
「何ですか?」
「今日、俺たちを王国に連れて行くのって、転移なんだよな?」
「ええ、そうですけど…」
「転移は俺がやるのか?」
ああ、そういえば。
「本当は私が全員転移するつもりだったんですけど…魔力消費がかなり大きいので、半分の人数分の転移は一巳さんに任せていいですか?」
「そうか…わかった。俺が半分転移させるよ(よかった、俺の存在意義が守られたっ…!)」
「ありがとうございます」
魔力消費がどうたらって、馬鹿みたいに魔力あるくせにって言う人がいるかもしれないけれど、魔力容量がとんでもなくても、魔力を一度に消費できる量が少ないため、大勢での転移魔法はかなりきついのだ。魔力容量、および残量はステータスのMPの値で、一度に消費出来る魔力量はステータスの魔力の部分で表される。僕は魔力もとんでもないけれど、やっぱりキツい。
一巳さんに手伝ってもらった方がいい感じなのだ。実際は一人でやってもちょっと苦しいだけなのだけど…
楽な方がいいじゃん!
そうして、僕らは夜を待つだけとなった。
まだ朝だけど。
その日の昼
「リアちゃーん、一緒にお昼寝しよー?」
「え? 別にいいですけど…」
元男のはずだけど、女の人と一緒に寝ることにあまり忌避感は無い。なんというか…お母さんで慣れちゃいました!
僕は颯人さんの横に寝転んだ。
「リアちゃーん…」
と、僕を抱き寄せてくる…って、近い近い!?
「んー、リアちゃんあったかーい…」
「えと…」
なんだか、颯人さんが少し幼児退行している気が…
少し颯人さんが心配になってきたけど、少し眠くなってきたので、「夕方くらいに起きればいいかな」なんて考えながら、瞼を閉じた。
目を瞑る直前、颯人さんがまた申し訳なさそうな顔をしていた気がするが、僕はすぐに忘れてしまった。
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お久しぶりです。
なんとか更新できました。
これからの更新予定について、そろそろ活動報告を書こうかと、、、
今週中に多分決めます。




