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女神の幼女体で異世界生活  作者: Yumil(さんらいず)
第一章 復讐を求める
3/45

03 村の森での魔法実験

遅くなりました…


それからは多分月に2回のペースでの更新だと思います。


2017/12/23 全体的に修正しました。


2020/03/27 加筆修正、設定の一部変更を行いました。

 とある村の朝は、村の中心の鐘の音で始まる。この鐘は魔道具と呼ばれる魔法を用いた装置である。村が成立したときに国から贈られたものらしい。もっとも、現在この村のことを知る者は人族にはほとんどいないのだが。

 鐘は、村のエルフ達にとっての時計の役割をしている。しかし、どうやって正確な時間を図っているのかなどは、作った本人にしかわからないと言われているほど高度なものだそうだ。

 朝の鐘がなると、主に商店を経営する人々が起きて開店の準備をする。商店は鐘のある村の広場の入り口を始点とする通りにあるが、人口が少ない故か、活気があるのは朝だけのようだった。

 そして、商店の準備が終わる頃には、朝の2刻(地球時間7時頃)の鐘がなる。そして、村の約200の住民が起き出してくる。




 カーン カーンと何かがなる音がする…なんだろ、めざまし? にしてはよく響く音だなぁ…時間を知らせてくれる鐘か…って、もう朝かぁ…

 眠いけど起きないと…

 僕は眠気を追いやって布団を蹴飛ばそうとするが…体が動きたくないって訴えかけてくる!? 頑張れ! 頑張るんだ僕!


「んぅ…ふぁぁ…」


 なんとか眠気に勝てた僕は、うっすらと目を開ける。窓から差し込んでくる日の角度から見てまだ7時くらいかな…

 まあともかく、早く起きて1日の準備をしないと…


「ん…もうお母さん、いない」


 思わず呟いてしまった。それに、少し寂しさを感じる。これも僕にリアが混じったせいだろうか。

 そういえば言葉以外に何が変わったんだろう…とか考えながら、家族がいるはずのリビング(?)に向かう。

 すでにみんないるようだ。というか、もうご飯を食べ始めている。

 こっちの世界ではそういう風習なのかな? 僕の家庭ではみんな揃ってからしか食べさせてもらえなかったけれど…


「おはよう…」


 僕が挨拶をするとみんなこっちに気づいてくれた…なんなの? この影の薄さは…お母さんとか思いっきりこっちのほう向いてるのに……


「お、リア、おはよう」

「「「おはよー」」」

「うん、おはよう」


 お父さん、兄姉3人、お母さんの順番だ。それにしても、さすが兄弟(姉も)、息が揃っている。

 僕はそのまま空いている椅子(椅子が少し小さいのでリア用?)に座って朝食を食べ始める。黒いちょっと硬めのパンとスープとサラダで、肉は入っていない。まあ、そこはエルフらしい。

 パンはスープに浸して食べるみたいだ。体の持ち主の記憶があるのは意外と便利だな。

 黙々と朝食を食べていると、お母さんが話しかけてきた。


「リア、今日何するの?」


 そうだ、今日何するか決めていなかった…街についてはリアの記憶があるため問題は無い。うーん…森の方に行ってみるか…


「森の方に行こうかなぁ…あっ! 今度はちゃんと昼の3刻までには帰ってくるよ!」

「……それならいいわ。くれぐれも魔物には気をつけてね」

「うん、わかった!」


 こ、怖かった…あの睨み…

 まあともかく、森に行く許可は得られたし…って、何をするんだ? リアはお花摘みとかやっていたらしいが、今の精神は一応男だし…

 じゃあ、この記憶にある魔法を試してみようか! リアも少しは使えたようだしね。あ、でも、兄2人の方が使えるみたいだな。姉は…習ってないのか…

 さて、食べ終わったことだし、森に出掛けよう…とその前に、着替えと…

 ちなみに! リアの着替えは体が幼いので大した精神ダメージにならんぞ! ははははは…

 やめよう、なんか虚しい。

 とにかく適当に着替えて、外に出ようとしたら、お母さんに呼び止められた。


「なんで髪をなおしてないの!」


 し、叱られた…

 母に髪の毛を直していないことについて説教された後、僕は家を出て森に向かった。


 ――さて、森に着いたが…何の魔法から試そうかな…

 リアの属性がまだわからないから、兄達が使っていた詠唱…火属性と風属性って言う属性の魔法みたいだけれど…をやってみようか。

 といっても、全部生活魔法だけみたいで、簡単な詠唱しかない…

 まあ、そこはしょうがない。人族の街には学校があるらしく、専門的な知識を身につけたい場合には村を出てそこへ通うらしい。エルフはもともと感覚派で、身近な人ができる以上のことをするには理論派の人間に教えてもらうほうが早いのだそうだ。

 さて、早く魔法の実験を始めよう!


「さーて、何から試そうかなぁ…まあ、火属性からにしよう。―――火よ 灯れ―――」


 兄が唱えていた気がする内容の詠唱をすると、立てていた指の先に直径3cm位の火の玉が浮かび上がった。不思議なことに、指先に火が浮かんでいるというのに、熱を感じない。


「これが魔法…かぁ」


 では次は…風か…


「―――風よ 舞え―――」


 詠唱をすると、突然目の前を強風が通り過ぎて行った。成る程、本当に風だけだな。

 さて、ここで! 無詠唱魔法を試して見たいと思う!

 ラノベとかでは結構出てくるよね! あれ僕憧れだったんだよ!

 さあ、やってみよう!



 結果は…できなかった。どれだけ念じても、何も起きない。ちょっとがっかりしたけれど、その時思いもよらぬことを発見したのだ。

 できないことがわかっても諦めきれずに念じていたら、思わず「―――火―――」と言ってしまったのだ。そしたら、立てていた指に詠唱した時と同じ大きさの火の玉が灯った。無詠唱はできなくても、詠唱省略はできるんだな…

 ということでこれを試さない手はない!


「じゃあ―――火 射出―――」


 と詠唱して見たら…一番近い木に向かって火の玉が射出されてしまった。


「うわぁっ!! やばい!―――水―――っ!」


 咄嗟に水の詠唱をしてみると、目の前に水の塊が現れたので、とりあえず「射出」と詠唱した。偶然なのか必然なのか、燃えていたところに水が行ってくれたので、すぐに消火はできたが…


「うぅ…木さん、ごめんなさい…」


 エルフだからなのか、木に対しての罪悪感がすごいのだ。まあ、悪いことではない…と思いたいけれど思えない…

 それに、水属性が使えることも確認できたし。(まだなんの属性があるかを僕は知らないけれど…)

 さて、母の説教がかなり長かったせいか、魔法に夢中に(主に無詠唱)なっていたせいか、感覚ではあるがもう昼の2刻頃になっている。そろそろ帰らないと…また昨日みたいに捜索が始まってしまう…

 因みにこの世界の時間(これが全世界共通かは知らないが)は、全部で20時間だ。朝の1刻から5刻、昼の1刻から7刻、夕の1刻から8刻まである。地球の時間に当てはめると、朝の1刻が6時位で、昼の1刻が正午、夕の1刻が夜の7時位が当てはまる。

「さて…そろそろ帰ろうかなぁ…」


 …いい加減この喋り方どうにかならないのかな…女の子っぽくって嫌だ。今女の子なんだけれど…


 早めに切り上げたおかげか、門限はしっかりと守ることができたので、「えらい」と褒められた。そして、頭を撫でられることに恥ずかしさを感じず、少し悔しかった。

 さて、この後は部屋にこもって詠唱を考えるか! 今のところ、火、水、風の3属性はたぶん使えるみたいだから、それについて考えることにしよう。他の属性については…何があるのかはわからないけれど、追々思い当たるのを試していこう…



 ―――その後かなり集中して考えていたら、4刻も経っていた。リアの頭すげぇ…というよりも、本気で集中したから時間の経過を感じなかったんだろうな…

 夕の1刻になり、母に夜ご飯で呼ばれた。そういえば、この世界には昼食はないのかな? 今日は食べていないけれど…金持ちしか食べないのか? それだったら縁はないな…まあ、必然的に食べないといけないわけではないからいいけれど…

 その後、昨日と同じように会話をしながら食事をした後に寝るのだけれど…今日は誰なんだろう…



 ―――お母さんらしい…2日連続って…

 まあいいか…明日も森に行って、今日考えた詠唱を試してみよう。でも森の木が燃えちゃうから、火属性は実験できないな…

 それに…明日はちゃんと髪をなおしてから出かけないと…



 それでは、おやすみなさい。

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