10『大罪』スキル
文字数同じくらいです
説明回みたいなのかな?
10話達成!
「ふぁ・・・ん〜?・・・なに?」
起きると体が温かいもので包まれている感触がした。目を開けると・・・女の人!?
え!? 何で!?
「・・・思い出した」
ともかく振りほどこうとするが、意外と力が強くて抜け出せない。そのままずっともがいていると「ん〜・・・」って、お姉さんが起きた!? 起きちゃった!?
「・・・おはよう・・・君、名前なに?」
「え? えっと・・・リア、です」
「うん、リアちゃんだね。おはよう、リアちゃん!」
「・・・おはようございます。あの・・・離してもらえますか?」
僕は解放を要求したけれど、「何かな〜?」と誤魔化された・・・あっ、撫でないで・・・
「ふあぁ・・・」
「かわいいなぁ・・・よし、起きようか!」
うう・・・追加を要求します! と目で伝えると、また撫でてくれた〜。
きもち〜・・・って! もうやめて〜!!
頭を振ったら、お姉さんに溜め息をつかれた・・・むぅ
「はい、リアちゃん、今日はクエストを受けるんでしょう? 準備しないと」
「え? えっと・・・な、何を準備すればいいんですか?」
僕が聞くとお姉さんは呆れた顔をして教えてくれた。新人冒険者として必要なものは最低でもメイン武器や丈夫な服、または防具などを買っておかなければいけないらしい。
・・・でも僕、お金ないんですけれど・・・?
そのことを伝えると、大抵の人は最初のほうは雑用の仕事をするらしい。雑用の殆どはGランクなので、僕でも受けられるみたいだ。
ちなみに、冒険者ランクはGからSSSまであって、
G・・・お手伝いなどをする人
F・・・新人冒険者
E・・・初心者
D・・・三流冒険者(ここで一人前)
C・・・二流冒険者
B・・・一流冒険者
A・・・国が重宝するクラス
S・・・英雄クラス
SS・・・伝説クラス
SSS・・・化け物
という感じらしい。あとGランクのみは他のランクの仕事を受けることは出来ない。他のランクは1段階のランクの違いは許可しているらしい。まあ、S、SS、SSSはどんなのでも受けていいらしいが・・・
ということで、今日は雑用の仕事を
受けて、お金を貯めはじめようと思ったんだけれど・・・
「さて、着いたよ〜。リアちゃん、自分で選ぶ?」
「い、いえ、選ぶのはお姉さんでお願いします・・・」
起きた時にギルドの休憩室で、着替える服がないって言ったら、急に騒ぎ出して挙げ句の果てにはじゃあ服屋行こう! って話になって・・・
お金がないのを口実に断ろうと思ったら、お姉さんが払ってくれるそうで・・・なんだか申し訳ない。あ、あと、女性用の服がどうたらこうたらと考えていたけれど、思い直すとこの体はかなり幼いのでそれ程気にすることじゃないと自分を納得させた。
服選びが終わると、お姉さんはギルドの仕事があるそうで、一緒に戻ろうという話になった。まあ、僕もクエスト受けるために戻らないといけないけど・・・
お姉さんとギルドの依頼掲示板を見ていると、Gランクのくせして異様に報酬が高い依頼があった。しかも、それはただの荷物運び・・・と思って内容を見ていると、運ぶ量が異常に多く、期限がとても短いということに気がついた。
「あの、このクエストって達成なんか出来ないんじゃないですか?」
「ああ、そのクエストね。それは倉庫っていう魔法を使える人が受けるような依頼なんだけれど・・・魔法を使える人自体が少ないのに、倉庫みたいな高難易度の魔法だとね・・・」
え? 魔法を使える人が少ない・・・?
「魔法を使える人が少ないって・・・どうしてですか?」
「いや、魔法が使える人が少ないというよりも、魔術を使う人の方が多いね。難易度もグンと下がるし。リアちゃんはどうなの?」
「え・・・えっと、魔法は使えますけど・・・あの、倉庫について教えてくれませんか?」
「魔法、使えるんだ・・・あ、倉庫ね。あれは無属性魔法で「無属性ってあるんですかっ!?」・・・う、うん、あるけれど・・・って、常識だよ? 知らなかったの?」
「あ、はい。私の住んでいた所では無属性というのは聞かなかったので・・・じゃあ、魔法について簡単なことでいいので教えてください!」
「え・・・いいけど・・・じゃあ、資料室があるから、着いて来てね」
「はい!」
お姉さんについて行くと、今度は三階に向かっているのが分かった。
「じゃあ、説明するね」
「はい、お願いします」
「えっと、まず魔法には属性があります。まず基本属性として火、水、土、風です。そして、上位属性の光、闇ですね。あとは無属性がありますが、無属性の定義は曖昧で、六つの属性に当てはまらない魔法の殆どは無属性に当てはめられていますね。まあ、六属性に当てはまらなくても無属性に定義されない魔法もあるにはあります」
「その魔法ってなんですか?」
「まずは、スキルで生み出される魔法ですね。スキル魔法には、基本属性のスキルもあれば、特殊属性の魔法もあります。現在判明しているのは、空間魔法、時間魔法、雷魔法、金属魔法がありますね。しかし、スキル魔法としてのこれは必要魔力量が少なめなため、一部は既に無属性魔法として再現されている魔法もありますね。特に、雷魔法などはそうです。そして、さらに上位のスキル魔法として『大罪』スキルというものがあります」
今、何て言った? 『大罪』スキルって・・・僕のステータスに表示してあったはず・・・
「『大罪』スキルは、一種類ずつ1人しか所持者がいません。そして、教会本部には、それぞれの『大罪』スキルが発現しているかどうかを知るため神具があるそうです。そして、最近には『強欲』と『憤怒』の発現者が現れたそうです」
僕のステータスの大罪スキルは憤怒だったはず・・・僕がこの世界に来た時からなのか?
「あの、それっていつ発現したんですか?」
「えっと、強欲は一ヶ月前で、憤怒は一週間程前のはずですよ」
・・・村が襲われた時だろうな・・・
「『大罪』スキルにはそれぞれ、特殊属性が使えるという能力があります。これは、他のスキル魔法と被るものもありますが、威力が段違いらしいですよ。確か・・・強欲が創造属性、憤怒が破壊属性、暴食が強奪属性、色欲が精神属性、嫉妬が重力属性、怠惰が時空属性、傲慢が熱量属性だそうです。といっても、全部を属性というと理解しにくいので、創造スキル、破壊スキル、強奪スキル、精神操作スキル、重力操作スキル、時空スキル、熱量操作スキルというように、分かり易いように呼び変えられていますが・・・まあ、こんな感じでしょうか」
「あ、はい。ありがとうございます」
僕はその後しばらく、お姉さんとの会話に集中出来なかった。
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初評価が意外に低かったけど・・・




