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◯ンタッキーから始まる非日常  作者: 雪狐@ちょいがんばる
3/12

2月3日 (晴れ)ちょいあたたかい。

続いた。


 俺の後ろで衣擦れの音がしていた。


 俺の部屋で玉枝さんが服を脱いでいた。


 ベットの上で正座ながら平静をたもxるて……保っているがこの後どうなってしまうのか、童貞の俺にはアステカ並みに暗黒渦巻いている。


 正直分からない。

 体臭は臭くない。口臭も大丈夫なはずだ。無駄毛はもうだめだ、諦めよう。服はそんなにダサくない……とおもう。

 いや先に風呂に入るべきなのでは!?壁も薄いから声もまずい、あ、ゴム!コンドー「大丈夫?ゆきさん?」ふひゃぁぁ。


 「あ、大丈夫っす、まじ大丈夫っす」

 「大丈夫に見えないよ?」


 優しく小首を傾げ心配してくれる美少女。


 心臓がばくはつするわ、コノヤロウが!


 もうなんなのだろうか?こんなホテルのベッドでそんな事されたら、10割り増し美女のストレート三振ドストライク3アウトコールド負けになってしまう。


 10割り増し美女のストレート三振ドストライク3アウトコールド負けだ!


 「童貞のだったよね……じゃぁ、私がやってあげるからね」


 裸の俺を、玉枝が押し倒し馬乗りになる。

 あと少しで俺は大人もとい漢になる、ぐへへ。


 でも良いのだろうか?俺は玉枝のことをよく知らない。

 でも卒業のチャンスだ、絶世の美女を抱くことなんて人生後三回やり直してもない!


 (・・・・・・)


 ぐっと玉枝を押し返す。


 残念そうな顔が心をえぐる、やっぱり……いやだめだ。


 「まだお互いのことを知らないから止めよう」


 泣きそうな顔をしてるかもしれない、でもこれが正解だろう。


 「ゆき、からかって悪かったもう二度としないよ」


 ジリリリリ……。


■□■□■□


 何時もの天井が見える。


 くっそふざけんな、夢じゃねーか、おい!

 夢ならせめて1回くらいはやらせろよ……おれの脳みそよ。


 そっと枕を濡らそうと横を向くと、隣に玉枝が同衾どうきんしている。


 何故だ!なんで同じ布団で寝ているんだ!


 慌てふためく心を深呼吸でおちつける。

 女の子らしい良い匂いがするよ、落ち着かねーよ、ギンギンだよ。

 もう頑張りで無心になり顔を眺める。

 布団が暖かいよ……。


 睫毛が長いなぁ、産毛が柔らかそうだとか、思う存分眺めていると、ぱっちりと目があった。


 吸い込まれそうなほど深い黒曜石のような瞳、俺の顔が写って見えている。


「おはよう、ゆき。少しからかい過ぎたよ。ごめん」

 

 そう言われてピンときた。

 このビッチは俺にわざとあんな夢を見せていたらしい。


 男の純情をもてあそびやがって!


 「おまっ……」


 罵倒しようとした手前、そっと唇が人差し指で押さえられる。


 「見直したんだ、なんだか照れてしまった」


 そういって頬にキスをされた。


 「お詫びね」


 そう言い、照れ隠しにはにかみ、赤い顔を布団で隠す。


 玉枝に仕事大丈夫かい?と言われるまで再起動出来ないほど、俺の体は排熱作業で忙しかった。

続く?

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