2月3日 (晴れ)ちょいあたたかい。
続いた。
俺の後ろで衣擦れの音がしていた。
俺の部屋で玉枝さんが服を脱いでいた。
ベットの上で正座ながら平静をたもxるて……保っているがこの後どうなってしまうのか、童貞の俺にはアステカ並みに暗黒渦巻いている。
正直分からない。
体臭は臭くない。口臭も大丈夫なはずだ。無駄毛はもうだめだ、諦めよう。服はそんなにダサくない……とおもう。
いや先に風呂に入るべきなのでは!?壁も薄いから声もまずい、あ、ゴム!コンドー「大丈夫?ゆきさん?」ふひゃぁぁ。
「あ、大丈夫っす、まじ大丈夫っす」
「大丈夫に見えないよ?」
優しく小首を傾げ心配してくれる美少女。
心臓がばくはつするわ、コノヤロウが!
もうなんなのだろうか?こんなホテルのベッドでそんな事されたら、10割り増し美女のストレート三振ドストライク3アウトコールド負けになってしまう。
10割り増し美女のストレート三振ドストライク3アウトコールド負けだ!
「童貞のだったよね……じゃぁ、私がやってあげるからね」
裸の俺を、玉枝が押し倒し馬乗りになる。
あと少しで俺は大人もとい漢になる、ぐへへ。
でも良いのだろうか?俺は玉枝のことをよく知らない。
でも卒業のチャンスだ、絶世の美女を抱くことなんて人生後三回やり直してもない!
(・・・・・・)
ぐっと玉枝を押し返す。
残念そうな顔が心をえぐる、やっぱり……いやだめだ。
「まだお互いのことを知らないから止めよう」
泣きそうな顔をしてるかもしれない、でもこれが正解だろう。
「ゆき、からかって悪かったもう二度としないよ」
ジリリリリ……。
■□■□■□
何時もの天井が見える。
くっそふざけんな、夢じゃねーか、おい!
夢ならせめて1回くらいはやらせろよ……おれの脳みそよ。
そっと枕を濡らそうと横を向くと、隣に玉枝が同衾している。
何故だ!なんで同じ布団で寝ているんだ!
慌てふためく心を深呼吸でおちつける。
女の子らしい良い匂いがするよ、落ち着かねーよ、ギンギンだよ。
もう頑張りで無心になり顔を眺める。
布団が暖かいよ……。
睫毛が長いなぁ、産毛が柔らかそうだとか、思う存分眺めていると、ぱっちりと目があった。
吸い込まれそうなほど深い黒曜石のような瞳、俺の顔が写って見えている。
「おはよう、ゆき。少しからかい過ぎたよ。ごめん」
そう言われてピンときた。
このビッチは俺にわざとあんな夢を見せていたらしい。
男の純情をもてあそびやがって!
「おまっ……」
罵倒しようとした手前、そっと唇が人差し指で押さえられる。
「見直したんだ、なんだか照れてしまった」
そういって頬にキスをされた。
「お詫びね」
そう言い、照れ隠しにはにかみ、赤い顔を布団で隠す。
玉枝に仕事大丈夫かい?と言われるまで再起動出来ないほど、俺の体は排熱作業で忙しかった。
続く?