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◯ンタッキーから始まる非日常  作者: 雪狐@ちょいがんばる
2/12

2月2日(晴天)

ブクマされてたので少し続いた?


 目を覚ませば、冷たい床の上だった。

 見知らぬ天井……ではないが、何故自宅の床に寝ているのだろうか?


 「君…起きるのがおそいんだね?もうお昼になるよ?」

 「夢じゃなかった!まじで俺の目に前に獣っ娘がいるぞ! 」


 黒髪クールビューティー、キツネ耳美女。

 とうとう俺にも神様のご褒美が降り注いだのだ。


 「そんな事はどうでもいいだろう?それよりご飯が食べたいな」

 

 彼女候補?は、開けたての水とりぞうさんよりも乾燥ぎみだった。

 気を取り直せ、へこたれないとこが俺の取り柄だ!


 「紐は養わないって、言っただろうが」


 「そう言われるとおもったよ、でも私は起きるの待ってただけだから」


 はいこれ、と狭い部屋の真ん中の机にパンパンのビニール袋がドスンと置かれた。


 「なにこれ?」


 「商店街の美味しそうなものをふらふらと見ていたら、迷子の子供がいてね。助けたら、お礼にと親御さんに頂いたんだ」


 「これ全部をか!?」


 信じられない、最近の俺の飯質がエコノミーだとしてこれはキングだ。

 いや専用機ばりの贅沢さだ。


 「それを見てた人たちが、あれよあれよと押し付けてきてこうなった。今度は一緒に礼を言いにいこう」


 「何で俺までいかにゃならんのだ」


 「頂き物はいらないみたいだね」


 まだ暖かいハムカツ良く見ればチーズインのやつだ。

 レタスも高いのに一玉もあるし、おまけにトマトまで完備している。

 俺が気になっていた、少しお高いブドウジュース……封が開いていて半分しかないが試供品をもらったらしい。


 これを味わえたら1ヶ月はケンタッキ◯で我慢できる、そんなラインナップだった。


 なんで俺にはこんな偶然は起きないのだろうか。


 涎が口のなか一杯に広がっていくのがわかる。


 「行きますので…頂いても良いんですか……お姉さん」

 「私は玉枝って名前だから、古風だけど」


 確かに古風だとおもったが容姿も相まって、その名前がかっちりとはまっていた。そう目の前のハムとチーズの組み合わせのように。


 「玉枝さん頂いても良いんですか?」


 訪ねると彼女がニコーっと笑みを浮かべて「待ってたって言ったでしょう?」と笑いかけてくれた。


 それはそれは、美味しいお昼と晩御飯だった。

 近年稀にみる豪華さそして一人じゃないご飯。


 こういう休みも良い、と満足げに布団へと入る。


 近くて遠くから、シャワーの音がしているのはガン無視して眠りにつく。

 うとうとし始めたとき、気がついてしまった。


 「俺が紐になってるやんか!」


 俺の意地と男気は早くも崩れ去っていたみたいだ。

続く?

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