2月2日(晴天)
ブクマされてたので少し続いた?
目を覚ませば、冷たい床の上だった。
見知らぬ天井……ではないが、何故自宅の床に寝ているのだろうか?
「君…起きるのがおそいんだね?もうお昼になるよ?」
「夢じゃなかった!まじで俺の目に前に獣っ娘がいるぞ! 」
黒髪クールビューティー、キツネ耳美女。
とうとう俺にも神様のご褒美が降り注いだのだ。
「そんな事はどうでもいいだろう?それよりご飯が食べたいな」
彼女候補?は、開けたての水とりぞうさんよりも乾燥ぎみだった。
気を取り直せ、へこたれないとこが俺の取り柄だ!
「紐は養わないって、言っただろうが」
「そう言われるとおもったよ、でも私は起きるの待ってただけだから」
はいこれ、と狭い部屋の真ん中の机にパンパンのビニール袋がドスンと置かれた。
「なにこれ?」
「商店街の美味しそうなものをふらふらと見ていたら、迷子の子供がいてね。助けたら、お礼にと親御さんに頂いたんだ」
「これ全部をか!?」
信じられない、最近の俺の飯質がエコノミーだとしてこれはキングだ。
いや専用機ばりの贅沢さだ。
「それを見てた人たちが、あれよあれよと押し付けてきてこうなった。今度は一緒に礼を言いにいこう」
「何で俺までいかにゃならんのだ」
「頂き物はいらないみたいだね」
まだ暖かいハムカツ良く見ればチーズインのやつだ。
レタスも高いのに一玉もあるし、おまけにトマトまで完備している。
俺が気になっていた、少しお高いブドウジュース……封が開いていて半分しかないが試供品をもらったらしい。
これを味わえたら1ヶ月はケンタッキ◯で我慢できる、そんなラインナップだった。
なんで俺にはこんな偶然は起きないのだろうか。
涎が口のなか一杯に広がっていくのがわかる。
「行きますので…頂いても良いんですか……お姉さん」
「私は玉枝って名前だから、古風だけど」
確かに古風だとおもったが容姿も相まって、その名前がかっちりとはまっていた。そう目の前のハムとチーズの組み合わせのように。
「玉枝さん頂いても良いんですか?」
訪ねると彼女がニコーっと笑みを浮かべて「待ってたって言ったでしょう?」と笑いかけてくれた。
それはそれは、美味しいお昼と晩御飯だった。
近年稀にみる豪華さそして一人じゃないご飯。
こういう休みも良い、と満足げに布団へと入る。
近くて遠くから、シャワーの音がしているのはガン無視して眠りにつく。
うとうとし始めたとき、気がついてしまった。
「俺が紐になってるやんか!」
俺の意地と男気は早くも崩れ去っていたみたいだ。
続く?