2月13日(晴れ)
続いた。
朝の微睡みの中、今日も布団が温い。
暖房が壊れてからというもの、玉枝と寝初めて3日目。
徐々に慣れていく自分と玉枝の保温効果も相まって、幸せな時間になり始めている。
外が寒過ぎるのも原因だが。
ふさりと首にもふもふがやって来た。
少しいつもよりもふもふしている上に、毛の感じが滑らかだ。
またリンスを大量に使ったな……。
怒りといたずら心、1:9位で尻尾を弄ぶ。
最近知ったのだが玉枝は朝が弱く、多少もふもふしたところで、起きない。
つまりばれずにもふもふ出来るのだ!!
「ん~んふふ、ひゃぁ~」
ん?
「あ~先はもぞもぞするので~止めて下さい~」
「玉枝じゃない!」
布団を跳ね上げ、飛び起きる。
「おはようございます。玉枝のお姉さんの~秋葉ですよ~」
「驚きました?」と布団にしゃなりと座って偲び笑いをしている秋葉。
「な、ななな、何で布団に!というかどうやって室内に!」
「鍵は簡単に~、開けられますよ~」
指をちょいちょいっと動かす真似をする秋葉。
「使いが泥棒紛いの事してんじゃねーよ、ボケこのおたんこなす!」
「ボケは傷つきますねぇ、ふあぁ」
傷付いてる人は突然アクビなんかしないわ!
自由すぎるぞこの姉妹は……。
「出発は今日の午後からですよねぇ~。すこし早く着きすぎました~」
「朝イチですけど!がっつり早起きって言えるからね!?」
「朝は血圧上がるとしんじゃいますよ?」
似た者同士な姉妹だな、まじボケてるのか素なのか分かりにくい上にやりずらい。
「誰のせいで上がってると思ってるんですか!」
「叫びたいお年頃なんですか~?」
デジャビュをひしひしと感じる。
「はいはい、で何でこんなに早く?」
「玉枝が朝のゆき様はとても面白いと教えてくれたので」
たまえぇぇぇぇぇぇ
「玉枝ぇぇぇぇぇぇぇ!」
「……うくっ……ふふ……よんだかっぶふ」
「隠れ見てて、やり取り面白さにこらえきれてねーじゃねーか!」
肩を震わせてうつむき笑う玉枝をこずく。
「いやこんなに面白くなるとは、思いもしなかったよ。姉さん有り難う」
「これくらいの演技ならまかせて~玉枝ちゃんの頼みだ……モゴモゴ」
最後の一言は余計なことだったのだろう。玉枝が急いで口を塞いでいた。
「玉枝……天誅!」
どストレート枕1号ボールは玉枝の耳に直撃し、一時悶絶させた。
秋葉さんは朗らかに笑っている。
今日も忙しい日になりそうだ。
受験勉強があるのでどうするか、なやむ