修行の第一歩
男は少年に語る
「いいか、シャオ、魔法というのは人間がこの世界の理に干渉する技術のことだ。」
少年…シャオは目を輝かせながら聞く
男は漆黒のローブに身を包み、鋭い三白眼に黒髪、そこらじゅう傷だらけで
歴戦の強者といった風である
少年は幼い顔立ちに金髪透き通るような白い肌少女と見まごうような中性的な顔立ち瞳の色は黄土色。
「火は燃える、風は吹く、時は流れる、それらはこの世界の法則しかし。」
人間はその法則に生命エネルギーを用いて一時的に手を加えることができるそれが魔法。
「多くの魔法使いは、呪文や魔方陣を使って魔法使うが本来それらは必要ない」
呪文や魔方陣、中には踊りを使うものもあるが本来ならば魔法には不要なもの
魔法は念じるだけでいい
ただそうあれと願うだけで魔法は叶うのだ
だがこの世界の理は強固で、人間は無意識にそれにとらわれており理に逆らう魔法をイメージし辛いそのため魔法をイメージしやすいように呪文、魔方陣、踊りを用いるのだ。
「だからはまずは呪文を唱えて、魔法を使う、この世界の理に逆らうイメージを持つそれに慣らしていくことで、念じるだけで魔法を使えるようになるんだ、分かったなシャオ。」
男、魔王カインと呼ばれていた男リリューは念を押すように少年の名前を言う。
「はい、師匠。」
少年は頷いた。
「では、まず火をおこす魔法だ初歩の初歩だな人間が初めて使ったとされる魔法だ、空気を震わせ燃焼させるのをイメージしろ…。」
男と少年の修行が始まる。