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ロボ春、二部 序章「超能力少女のスカウト活動は大変です」一章「俺の男女交際が大変です」

続きを書く理由を指摘くださった方がいましたので、前のラストに書いたアイデアを膨らませてみました。

お読みいただければ幸いです。

序章「超能力少女のスカウト活動は大変です」


 志府川高校の生徒会長、森川敦信は通学路をトボトボと歩いていた。

 幸いと言うべきか、森川は特に交通機関に頼る必要のない程に学校の近くに自宅がある。

 元が住宅街の隙間に放り込まれたような場所にあるのが、志府川高校だ。

 そこから自宅へ向かうとなるとわざわざ大通りに出るまでもなく、複雑に曲がりくねった路地を、ウネウネと進むのが距離的にも時間的にも最短距離になる。

 時刻は午後六時といった頃合いだろう。

 冬至も近いので、周囲はすっかり闇に包まれていた。

 遠くに見える街の灯は、建設中の高層ビルのシルエットを浮かび上がらせている。

 それは何だか現実味が無くて、森川は思わず頭を振った。

 生徒会長といっても、特に強大な権限があったり、部活をしている連中と戦ったりはしない。ひたすらに地味な事務仕事を繰り返すばかりだ。

 森川自身も特に優秀ではない――と本人は思っているので、その仕事も上手く片付けられない。

 それでこんな時間になってしまったというわけである。

 生徒会長になってから……二ヶ月程か。

 期間で考えると、ちょっとずれているが五月病と同じ状況なのかも知れないと森川は自己分析した。

 

「ロプロン、見つけた!」


 そんな疲れた森川の身体に響く、まるで子供のような無邪気な声。

 夜の闇を切り裂くような――ではなく闇の中にしみ通るような不思議な波紋。

 ごく当たり前の反応として、森川は周囲を見回した。

 右、左、そして上。

 その上が正解だった。

 端的に森川が見えている状況だけを説明すると――電線の上にやじろべえ。

 街の灯が逆光になってシルエットしか確認できないが、やたらに大きく見える上半身と、電線の上にちょこんと乗せられた、細い下半身。

 別に揺れているわけではないが、なかなかに異様な光景だ。

 そのやじろべえが、無造作に電線から飛び降りて、何事もなかったのように森川の前に着地する。

「あ、えっと……」

 無理もないことだが、森川は言葉を発することが出来ない。

「じゃあ、とりあえず挨拶ね」

 やじろべえ――その正体は、どうやら女の子の様だ。

 この暗がりの中で赤だとわかるほどに自己主張の激しいショートカットの髪。

 アーモンド型の大きな目の中に光るのはトパーズのような黄色の瞳。

 顔の造作は“綺麗”と言うよりは“可愛い”系の顔立ちで、どうかすると小学生にも見えそうなほどの幼さをかいま見せている。

 それを助長しているとも言えるのが、身につけている衣服だ。

 襟ぐいが大きく開いた、飾り気のない学ランのような前あわせのハーフコート。

 サイズが明らかに大きいので、袖の先からは僅かに指先が覗くばかり。

 それでいて腰から下は、ショートパンツ、と言うか半ズボンのように剥き出しの有様。

 かろうじて、ショートブーツのようなものを履いてはいるが、これでハイソックスにスニーカーだったら完全に小学生――のコスプレ。

 その小学生もどきが、明らかに丈の長い袖から右手を差し出しながら森川に握手を求めるようだ。

「ロプロン、これからよろしく」

「は、はぁ」

 空気を読もうとする日本人の悲しい性か、はたまた可愛い物体に対しての庇護本能を刺激されたか、それともここで怖じ気づくわけにはいかないと見栄を張ってしまったか。

 とにかく森川は、その手を握りしめてしまった。


 バリバリバリバリッ!!


 その瞬間、テレビ放映なら「激しい光の点滅にご注意下さい」という手遅れなテロップが流れること間違い無しの強烈な光。

 そして、決して人に向けてはいけない強烈な炸裂音。

 この二つが、この細い路地に飽和した。

「……あれ?」

 得体の知れない小学生は、可愛く小首をかしげた。


第一章 「俺の男女交際が大変です」


 母さん。

 僕は今、北海道にいます。

 いや、ここはリア充らしく、

「潤……俺は北海道にいるんだぜ」

 か?

 しかし、潤は俺が北海道にいること知ってるしなぁ。

 そうだ。

 土産は何が良いだろうか?

「パパ、相手は凄くおっきいね」

 ……これがふしだらな言葉に思える今の日本は間違ってるよな。

 確かに目の前にあるロボットはかなり大きい。背の高さはもちろんだが横幅もかなりある。カラーリングはアーミーグリーン。何とも硝煙の匂いが染みついていそうな雰囲気だ。

 よく、あんなサイズのものを動かせるなぁ。

 キャパがあるのだなぁ、羨ましい――というか、さすがドイツ代表。

 いや、代表なのか?

「まぁ、私とパパのコンビに敵はいないよ! 蹂躙して圧倒しちゃうわよ!」

 蹂躙と圧倒の順番が逆のような気がするが、そこを訂正しても仕方がない。

 ……とりあえず、母さんへの報告はもっと正確にしないとな。

 北海道は間違いないが、ここは札幌にある道産子ドーム。施設の本来の目的は野球であるはずだが、オフシーズンには色々行われるのは、この北の地でも変わらない。

 そしてこの道産子ドームで予定されているのは、

「ロボメイル世界選手権」

 である。何かもう十分に世界に迎合しているようにも思うのだが。

 選手権はこの週末に開催予定で、各国の操縦者フレームにメンテスタッフ、メカニックが前ノリで札幌に集結しつつあった。

 そんな中で、ロボメイルの競技規定を国際的な機関に委ねようとする魔の手――瀬草さん曰く――は日本のレベルは突出していないと文句を付けてきた。

 そこで、俺とイルンが北海道に連れてこられる今回の事態と相成ったわけである。

 俺たちの家の近くのカルハホール(戦いやすい場所)ばかりで、これを受けているとそのうちに正体がばれるかも知れない、というのがまず第一の理由。

 もう一つがターゲットを絞らせないという理由。

 確かに今なら日本中からトップ操縦者フレームが札幌の集結しているから目くらましにはちょうどいいだろう。

 で、学校帰りに拉致られて、俺はここにいる。

 ……一体何時なのだろう。明日、学校が始まる時間までには戻すと聞いたが、そんなギリギリのスケジュールを自慢げに言われてもなぁ。

 さて――

 そろそろ意識を戦闘に振り分けるか。

 目の前にあるのはドイツ代表のロボット。見たこと無い型だな。ジェネレーターは新型なのだろう。あれだけの巨大なサイズだったら既存のジェネレーターではまず無理だ。

 間接部に今までのロボットのパーツの痕跡が見られるけど……何よりも流用しちゃダメな部分じゃないだろうか。

「パパ、あの巨体ですから私達と同じ“現象”を利用した機体なのでは?」

 戦闘用OSの本能なのか、イルンから妙に冷静な警告。

「……そうだとしても力の使い方にはこちらに一日の長がある」

 戦闘スタイルの相性もあるだろう。

 武装は――肩にグレネードだろうな。足にはミサイルポッド。

 見える武装はこれだけか。装甲板の特徴はとにかくカクカクしている。リアクティブアーマーだったら、ちょっとベアハッグは使えない……と言うか使いたくない。

 しかしどうにも戦術が見えないなぁ。

 遠距離はあれで済むとして、弾が尽きたらどうするつもりなのか。

 とりあえず弾は尽きさせておくか、と言うことでこちらも例の髪の毛ビームを使いたいところなのだが――

「イルン、使えそうか?」

「やっぱり無理ね。あの時どうなってたんだろ?」

 合身状態の俺たちは謎ばかりだ。

「力は?」

「それは大丈夫」

 なら、とりあえずは問題ない。  

 俺の戦闘スタイルは「剛よく柔を断つ」

 恐れず進もう。


「始め!」


 もちろん試合形式なので、ちゃんと開始の合図はある。

 そんなわけでのんびりと相手の様子を確認している余裕があったわけだ。

 だが、始まってしまえばやるべき事は一つだな。

 俺は無造作に距離を詰めていく。何しろ相変わらず携帯火器なんてものはありはしないから、迷う余地すらないのだ。

 相手は――どうやらこちらが女性形であることに戸惑っているようだ。

 俺の合身姿を見たときから、何だかやかましくやり合っている気配は察していたが、開始の合図が出てからも続けるのは正直どうだろう。

 もちろん、そのやりとりは聞こえていないわけだが、わからないはずもない。

 一方でこちらも正直戸惑うべき事実が判明した。

「思ったよりも大きいな……どういうシステムだ?」

「手足の合身に、もう一段階間接を増やしている――のかな?」

 どうやらそもそもの戦闘OSでも想定外のことをしているらしい。

 龍馬辺りがいれば解説してくれるかも知れないが、今はそれを望んでも仕方がない。

 戸惑いながらも、前進していた俺は腕を振り回したら当たるところまで距離を詰めた。

 俺の頭が、ちょうど相手のお腹の中央ぐらいの身長差だな。

 もちろん、ここまで近付いてしまえばグレネードもミサイルも使いようがあるまい。

 俺は武術の嗜みもへったくれもなく、大きく右拳を振り上げた。

 紛う方無きテレフォンパンチ。

 自分の装甲によほどの自信があるのか、向こうは棒立ちのままだ。

 そういうことなら――あ、リアクティブアーマーの疑いがあったんだった。

「イルン、パワー最大マキシマム!」

「え? 最初からそうだけど」

 何と先読みの出来るコミバだこと。

 俺は遠慮無く、オーバースローの要領でドイツ代表のロボット、その下腹部当たりに右拳を叩き込む。

 爆発反応リアクティブくるか?

 と、心の中で覚悟を決めつつも右拳を振り抜くが――


 ガーンンンンンン!


 と分厚い金属を思い切り殴りつけたときと変わらぬ感触。

 単に装甲が厚いからこその棒立ちだったのか?

 で、もちろん相手は綺麗に吹っ飛んでいった。

 いくら装甲板を厚くしても俺たちの強力なパワーを前にして、その運動エネルギーの総てを吸収できるはずがない。

 相手はそのままフェンスに叩きつけられて、その場にへたり込んでしまう。

 そこでまだ立ち上がろうとしているところを見ると、壊れてはいないようだ。

 なかなかの耐久力。

 俺は敬意を持ってとどめを刺すことにした。

 と、一歩を差しだした瞬間、


 バフ!


 いきなり相手が爆発した。

 しかしこれもおかしな話だ。

 ロボットにはそもそもあんな風に爆発するような部品はないはずなのだ。

 もしかして、あの複雑な構造を動かすために余計なものでも後付けしたのか?

 だけど、そんなことして合身システムに……

「パパ、これ……ビーム攪乱剤かも?」

 攪乱剤?

 あ、そうか。

 元々は瀬草さんとやり合うつもりで準備してきたのか。

 瀬草さんの武器と言えば言わずと知れたビームブレード。

 まず分厚い装甲で受け止めておいて、その装甲板の下に仕込んでおいた攪乱剤を散布。ビームブレードを無効化した上での接近戦が基本的な戦術だな。

 と言うことは、グレネードとかミサイルは接近戦に誘うための囮の役割がメインか。

 で、俺が女性形である事以上に、瀬草さん――スクナではないことにも戸惑っていたんだな。

 しかし、そんな事情は知ったことではない。

 こっちは学生生活という日課と、彼女とのロボット開発と、道場での鍛錬という予定をすっ飛ばしてここに来ているのだ。

 速攻で片付けて、いつもの生活に戻る!

 断固たる決意を持って、粉まみれになって立ち上がろうとしているドイツ代表の機体と対峙した。

 このまま一方的に叩きのめすこともできそうだが、さすがにあの装甲板の上から殴り続けるのはいかにも効率が悪い。

 相手にも意地があるなら――よし! 読み通り武器を出したな。

 ビーム攪乱剤を散布している前提だから、近接戦を目論んでいたとしても当然、その武器は実体がある事になる。

 しかしそれでもまぁ、

「腕の装甲板」

 を展開するだけで済ませるとは思わなかった。

 確かに打撃武器としては、それでも用を為すと思うが、

「ただの板」

 という見方も出来るな。

 広範囲の打撃面を持つ、この装甲“板”による横殴りの打撃。

 ここで有効なのが相手ロボットの巨体だ。

 普通にリーチがある。

 意外に考えてるな、というのも失礼か。どうやら対スクナで相当に作戦を練ってきたらしい。

 この巨体であれば、一歩のストライドも大きいしスクナの機動力には追いつけるという判断だろう。

 俺はどうするか――


 ――よける、


 事は出来る。力任せの機動ではあるがスクナとはそもそも機動力が違うのだ。

 だがこれをすると、やっぱり長引く。

 ここは俺も武器を使うことにしよう。

「イルン、踏ん張るぞ」

「う、うん。それは当たり前に……」

 出来るんだろう。

 しかし今からやろうとしていることは、俺が一度は間違えた戦闘スタイル。

 つまり“柔よく剛を制す”

 まずは力の流れを見る。

 うん、何よりも空気抵抗のおかげで振り回している装甲板の軌道がブレブレだ。

 俺は眼前に迫ってくる装甲板の力の向きが上向きになったタイミングで、そっと右手を添えて、その方向に力を加速させる。

 少し前までの俺なら、あるいはそれだけで満足していたのかのかも知れない。

 だが、今の俺は違う。

 力の向きが上に流れたことで、甘くなった相手の脇の下に潜り込むとそのまま相手のボディを抱え込んだ。

 そのまま“力任せに”ボディを引っこ抜く。

 恐らくは、装甲を強化することによって当たり前に生じる重量の増加も相手は有利な点と考えていたはずだ。それによる機動力の低下は、リーチで補えると。

 だから“持ち上げられる”という事態は想定していなかったはずだ。

 そして致命的な角度で地面に叩きつけられるという事態も。

 そう、俺の武器は地面だ!

 相手も俺の意図に気付いたのだろう。手足をバタバタさせるが、すでに重心は完全に俺の軸の上にある。素直に自分の運命を受け止める覚悟を決めろ。

(うりゃあああああ!)

 と、叫び声の一つも上げたいところだが、それをすると色々ばれる。

 心の中で叫んだ気になって、一際高く持ち上げると相手を頭から叩きつけた。

「ゴフッ!」

 そういえば今まで、相手の声は聞かなかったな。

 だが、これが最後の声だ。

 繊細な部品パーツを頭部に集中させなければならない規則ルールはないが、この角度で叩きつければそもそも構造に洒落にならない負荷がかかる。

 もちろん相手の重量も、この場合はこちらの助けだ。

 操縦者フレームもただでは済まないだろう。

 逆さまに地面に突き刺さった相手の機体は、そのままゆっくりと倒れていき、バタンと大の字になった。

 当たり前に意識のブレーカーが落ちたらしい。

「……勝ったかな?」

「パパ、そこ疑うところじゃないよ」

 そうは言われても、残心を忘れるわけにはいかない。

 公式試合なら確かにここで勝利確定だが、何しろこれは厳密な意味では試合ではないのだから。

 良く言えば果たし合い。

 つまり、このロボメイルシステムの本来の目的、兵器としての側面が出てくるのなら……

「おい! もう良いぞ! ドイツ(向こう)がサレンダーした!」

 瀬草さんの声が聞こえる。

 それでようやく俺は構えを解いた。

 そして倒れたままの相手に、向こうのスタッフが駆け寄っていくのを横目で見ながらフィールドを降りる。どうにか“仕事”は果たせたらしい。


                    *


 帰りの便はもちろん飛行機なわけだが、俺のスケジュールに合わせて都合良く便があるわけもなく、一時間程時間が空いた。

 瀬草さんはこういうところは本当に抜け目が無くて、

「土産は適当なところを見繕っておいた。菓子ばかりだが貰って面倒と言うことはないだろう。夕飯は豚丼だ。旨いぞ」

 と、おおよそ僕が考えていたことや文句を付けようと思っていたところの半分はこれで解消された。

 そして残りの半分は飯を食いながら説明しようというつもりらしい。

 ホテルのレストランではなく、道産子ドームの控え室であるところが瀬草さんらしいといえば瀬草さんらしいかな。

「無理を言って悪かったな。こちらも色々考えがあってな」

 言いながら、瀬草さんはどんぶりをこちらに差しだしてきた。

 腹が減っていた俺は遠慮せずにそれを受け取ると、実に旨そうな光沢を纏った豚肉を口いっぱいに頬張った。

 そのまま、俺は話を進めるように瀬草さんを促した。

「おい、もうちょっと目上に対しての礼儀をだなぁ……」

「何言ってるのよ瀬草さん。今日のパパへの扱いなんか、えっと……お巡りさんこっちです! みたいなことでしょ!」

 うん、日本の法律を知ってるわけがないよな。

 確かに控え目に言っても、あれは“拉致”だった。豚肉を味わうのに忙しい俺に代わって良く言ってくれたぞ、イルン。

 ……いや、俺はこんなにイルンと以心伝心で良いのか?

「む……まぁ、確かにその点については改めて謝ろう。こうして誠意を尽くす覚悟もある」

「じゃあ、ご飯ぐらい好きに食べさせてあげなさいよ」

 瀬草さんは状況の不利を悟ったようだ。一度溜息をついて、仕切り直す。

 さすがに現役操縦者(フレーム)。状況を読むに敏だな。

「まず君――君たちの存在を早めに披露しておきたかった」

「どうして? 今日の相手が瀬草さんが戦うには面倒だったからなじゃないの?」

 困ったな。

 イルンが以心伝心過ぎる。

「確かにそれはある。だが外国の連中を効果的に戸惑わせるためには戦う相手が俺たちなのか、君たちなのかを迷わせる必要性がある。だからお披露目は早くしておきたかったんだよ」

 う~ん、やっぱり被害妄想みたいに思えるんだが。

 とりあえず、この世の物理を無視して口の中の放り込んでいた旨味の塊を、どんぶりの横に添えられてあった味噌汁で、何とか片付ける。

 鮭! 鮭が入ってますよ! この味噌汁。

 ……おっと、いかんいかん。

 俺は気を引き締め直して、もう少し突っ込んでみる。

「――今日の相手は対『スクナ』で戦闘プランを固めていたみたいでしたが」

 いったん息継ぎ。

「それはドイツだけが持っている優位性なんじゃ? 俺たちが戦ったとしても……」

「いや。外国の連中は情報を共有している。主導権を日本から引き離すためなら、奴等は何でもやる」

 あ、これ、説得は無理な奴だな。


 きょーしんしゃー


 という奴に違いない。

「でだ」

 瀬草さんが半身を乗り出してきた。

「お前達、例のビームは使わなかったが……」

「あれ使えなかったのよね。なんでだろう?」

「それで、あのパワーの原因は?」

「目下、調査中」

 俺とイルン二人がかりで何とも実のない報告。

 瀬草さんもこれにはめげると思ったが……あれ、さほどでもないな。

 とりあえず相手が黙り込んでいる間に、残りの豚丼をやっつける。もう一杯ぐらい……いやあと二杯ぐらいは欲しい。

「瀬草さん、おかわり」

 そこで俺は最近の戦闘スタイルに合わせて直球でねじ込んでみることにした。

「あ? ああ、えっと……」

 そのまま、わざわざ立ち上がって内線で指示を出してくれた。

 やはり、この戦闘スタイルはいける。

「二杯いけますか?」

「……お前、それ帰りの便に――まぁいいか」

 大丈夫。五分で一つは片付けて見せよう。

「……さっきの話の続きだが、とにかく一応身の回りには気をつけてくれ。まず間違いなく外国は情報収集を開始する。お前の彼女のおじさんの伝手を使っても部品の流通ルートは隠して貰った方が良いな。そこが一番簡単で確実な情報源だ」

「あ、はい」

 うなずくしかできないな、これは。

「何もかもばれた場合、拉致の可能性もある。お前は心配いらんが……」

「何で!?」

 理不尽な言い分に思わず声を荒げるが、

「パパ! パパには私がいるでしょ!!」

 あ、そうか。

 いざとなれば合身すればいいのか。

「お前の彼女にはもう、護衛が付いているはずだが、そもそもが異星とのハーフだからな。奴等も手を出しづらいだろう――そうとなれば、下手にパワーの理由が判明しない方が良いのかも知れないと思ってな。情報という形で取り扱える形にしない方が安全なのかもしれない」

 知らないことが、最大の防諜、というわけか。

「じゃあ、これからはパワーが出るのかは調べない方が良いの?」

「う~む」

 そこで本当にうなり声上げてしまった瀬草さん。

「そのパワーの解明でビームを撃てる条件がわかるのならそれはそれで有り難い。しかし今のパワーとお前の戦闘能力があるなら、無理にビームを求めなくても良いのかも知れない」

 俺たちに話しかけると言うよりも、ほとんど独り言のように呟いている。

「結局どうするの?」

 イルンが俺以上に直球で切り込んだ。

「……とりあえず調査は続けてくれ。知っていても守る方法はあるし、知ってメリットが生まれる可能性だってある。あのビームが自由に撃てるようになってみろ。連中の対応策が最初から練り直しだ」

 判断基準が恨みにあるような気がする。

 何となくイルンと顔を見合わせて、互いに苦笑を浮かべたところで、

「ち~~ッス、豚丼お代わりです」

 タイミング良くお代わりが来た。

 とりあえず、悩むのは瀬草さんの趣味だと思って食べるか。


                     *


 ……てな事があったのが一週間ほど前だったかな。

 ちなみに世界選手権は牧村さんが優勝。二位が瀬草さん。三位にフランスのバロワンだった。

 いつもとあまり代わらない面子だった。

 瀬草さんと、それよりは若手の牧村さん二人の安定政権と呼ばれて久しい。

 それはそれで偉業なのだろうが、ちょっと飽きが来てるかな。

 一方で外国勢は、結構移り変わりがある。バロワンという選手も新顔だ。

 なるほど外国がレギュレーションに文句を付けたくなる気持ちもわからないではない。

 しかし、こういった現状を改めて考えてみると瀬草さんが龍馬に、

「期待している」

 と言ったのも、単なる慰めの言葉だけじゃなくて本当だったのかも知れないな。

 もちろん、俺はそんな推測を龍馬に話したりはしない。

 俺が少しばかり豚丼の旨さを伝えただけで、本気で殴りかかってくるような奴に親切にしてやる必要はない。

 それはいつものことなんだが、俺はよほど食レポが上手かったらしい。

 いかに龍馬を煽るかを念頭に、丹念に詳細に盛って盛って伝えてやった結果、潤がイルンから光学データだけ引き出して、豚丼を再現しようとしたときは本当に焦った。

 潤は実のところ結構なヤキモチ焼きで、しかも負けず嫌いだった。

 ええ、とっても可愛いですね(防弾済み)。

 ……潤の料理の腕がどれほどなのか判明してないけど、少なくとも見た目だけでの再現を楽観視出来るだけの情報はないな。

 あとは戦いのレポートを行って、道場でそれを再現してみたり、潤のとこのガレージで世界選手権の中継を見たりして、概ね生活リズムが元に戻った矢先。


 ――そいつはいきなりやってきた。


                       *


 

 それは十二月の第一週だった。

 空気が冷えて澄み切った氷の中を進むような清冽な感覚。

 実は嫌いじゃない。

 コートがあるという安心感に守られてのことかも知れないけど。

 実は気温よりも、俺を憂鬱な気分にさせているのは、目前に迫った期末なのではあるが。

 そんなわけで気温か、もしくは自分の学力のおかげで学校の行き帰りにいちいち気が引き締められるその日も放課後になり、いったん家に戻るために当たり前に校門に向かう、俺の前に立ちふさがったのは難波の巨体。その横におまけのようにもう一人、男がいるが、とりあえずそれは無視。

 知らない奴だったし。

 難波に「練習はどうした?」と即座に突っ込みたくなるその出で立ちはまだ制服姿だった。

 この段階でかなりおかしい。

 ウチの学校は運動部は結構熱心で、その中核とも言える野球部がそうそう簡単に休みになるとも思えない。晴れてもいるしな。

「パパ、なにしてるの?」

 学校にいる間はさすがに控えてくれと懇願した結果、イルンも放課後までは自粛してくれるようになった。もちろん装甲板の上からオーバーコートのようなものを被っていて本来のフォルムは隠れているが……コミバを連れた高校生なんか目立ってしょうがない。

 瀬草さんはどう考えているのかなぁ。

 で、そのイルンも最近はさすがに毎日来るわけではなかったが今日は来てしまったようだ。

「いや、難波がな……」

「やあイルン。君のお父さんと少し話がある」

 難波はもちろんイルンと面識がある。しかも俺の父親設定を積極的に採用中だ。

「おい、ポイトン。あれは何だ?」

 と難波の傍らの男がイルンに視線を向けながら難波に尋ねている。

「……と言う、あんたは誰だ?」

 何か話せば話すほど疑問が増えていくような気がしたが、とりあえず相手の身元確認はしておきたい。

 すると当人が答えるよりも先に、

「野田、お前生徒会長も知らないのか。まったく困った奴だな」

 くそう相変わらず偉そうな奴だ。

 しかし生徒会長?

 この幾分か縦に細長い――校章からすると、どうも同じ二年生――以外はさして特徴もないこの男が?

 生徒会選挙では俺も投票した覚えがあるんだがなぁ。

 生徒は無条件で参加だから当たり前だけど。

「あ」

 記憶をたぐり寄せていたところで思いだした。

 俺は確か、別の候補者に投票したんだ。単純にそっちの方が可愛かったから。

 ……言っておくがちゃんと女子だぞ。

 いや、俺は彼女がいるんだからそもそも妙な疑いをかけられる謂われはないか。

 つまり、どういうことかというと選挙の時、こいつの顔なんか認識しているはずもない、ということだ。元々、俺は学校とは関係が薄いんだ。

 しかしこの事実を今更ながらに潤に知られると……


 ……な、泣いてしまうかも知れない。


「パパ?」

 イルンから心配そうに、ではなくどこか詰問の響きを帯びた声で呼びかけられた。

 ここは下手に嘘をつくのはまずい。

「そうそう。確かに生徒会長だった。投票の時に見た顔だけど、その後、俺とは関わりなかったからな。思わず声が出ちまった」

 ……先生、俺、上手に嘘がつけましたか?

 イルンは尚も半眼でこちらを見つめてくるが、もうスルーするしかない。

「とにかくこちらが、会長ロプロンだ」

「なんでそんな紹介の仕方になる!?」

 あ、突っ込み属性か。

 いや、それ以前にこっちも色々と突っ込みたい。

 しかし俺が動く前に難波が言い返してしまった。

「あんただって俺をポイトンと呼んだだろう」

「それは今が“トレシーミ”として活動しているからだ」

 また謎の言葉。

 難波はこの聞いているだけでもややこしい事態に、なぜ付き合っているのか?


 ――考えるまでもなく面白そうだからだな。


 難波はいまいち真剣ではない、という辺りの見解は俺と同じなのか、実質的には初対面といっても良い方が一歩前に出てきた。

「――とにかく俺は森川敦信だ。生徒会長もやってるが知られてないのはこの際仕方ない」

 そこを強硬に主張しないところは好感が持てる。

 俺は先を促すことにした。

「うん、それで」

「実は昨日、俺は女の子に会った。空から着地した女の子だ」

 う……ん?

 エロゲのようで、その実、当たり前のこと言っているようでもあり、もしかすると日本語への挑戦なのかも知れない。

「その女の子が今、困っていてな。俺はそれを手助けしたいと思っている」

 ここだけ切り取ると、特に反対する理由はない。

 しかしこの説明を聞くまでに発生した様々な突っ込み処と、何よりも俺をわざわざ止めようとする動機がどうにも胡散臭すぎる。

「そうかそうか。じゃあ、頑張ってくれ」

「パパ! 何てこと言うの! 助けてあげなきゃ」

 ……うわぁ、親御さんの教育がよほど行き届いているんでしょうね、この娘は。

 ただ、もうちょっと世間ズレしてくれないと、色々と心配。

「おいポイトン。もう一回尋ねるが、あれはんだ?」

 そんなイルンを見て、森川が当たり前と言えば当たり前の反応を見せていた。

 そうか。

 そもそもコミバを知らないというパターンもあるんだな。

「森川、俺は今どっちの名前でお前を呼ぶべきだろうな?」

「俺はロプロンだろ」

「どっちで呼ぶのが正解だと思う?」

 おのれ難波。

 馬鹿な漫才が始まった隙に逃げようと思っていたのに最悪なタイミングで俺にふってきた。

 しかもこの後何をすればいいのか、どうやってもわかってしまう超一流のパスだ。

 その上、好奇心旺盛なイルンが、ちゃんと興味を惹くように誘導しているっぽくもある。

「……さっきから出してる、その名前みたいなのはなんだ?」

 聞いてしまった。

 ちゃんとした覚悟も固めないまま、その場の空気に流されるままに。

「そうなんだ。実は我々とその女の子の間には縁があって……」

 “我々”?

「ごめん! 遅れた!!」

 森川が何やら説明を開始を始めたところで、空から声がふってきた。

 そのまま女の子が空から着地。 

 

 ――なんだろう、この理不尽な感じは。


                    *


 宇宙人だな。

 一目見て、確信した。

 ショートカットの赤い髪に黄色の瞳。サイズが合っていないでかい学ラン。で、ショートパンツかな?

 実に無茶苦茶な格好だが様になっているから、普段から着慣れているのだろう。

 それでいて自分の出で立ちに疑問を抱くところがまるでない。

 実に教科書通りの宇宙人だ。

 同じ授業を受けているはずだから難波も森川もそれはわかっているはずなんだがな。

「パパ、ジーグレトの人だね」

 イルンも俺の推測を後押ししてくれる。

 ジーグレトという国名は聞いたことがないから必然的に、この女の子は宇宙人――

「よろしくロームン。僕はえっと……山野明って言うのが地球での名前だね」

 僕ッ子だった。

 その声が、可愛らしい女の子の声のものでなければ色々と迷ってしまいそう。

 あとは気付かないふりをしておきたい。

「“ロームン”って何? それってパパのこと?」

 イルンはどうしていつもこう勇者なんだろう。

 ジーグレト星人であるらしいところの僕ッ子は声の発生源がイルンだと気付くと、元々大きな目をまん丸にした。

「すごいね。君は地球の玩具?」

「なんですって! 私は――」

 そこで難波から気持ちが悪くなるほどの大げさなウィンク。

 立ち位置的に、それは俺とイルンからしか見えない。

 こいつ……難波がこのわけのわからない状況に関わっている理由がちょっと不透明になってきた。

「――地球ではないけど、他の星の情報端末みたいなもの」

 イルンも状況を察したようだ。

 何とか方向転換して……上手いこと誤魔化した。

 実のところ嘘を言っていないところがスゴイ。

 僕ッ子――明もあっさりと納得した。

「へぇ、そんなのを連れてるなんてさすがにロームンは気が効くな」

「だから、そのロームンって何よ?」

 自分の立ち位置を確保したイルンが攻勢に出る。

「ロームンは私を助けてくれる……えっと部下のことだよ。ここにいるロプロンとポイトンも同じだね」

「だからなんでパパが、あなたの部下なのよ」

「先祖がそうだったんだよ。彼はロームンの血を引いている」

 イルンが口を挟む隙を与えてくれなかったが、少なくとも事情の一つはこれで判明したな。

 もちろん、イルンもそこで止まったりいない。

「それはご先祖様はそうかもしれないけど、パパは関係ないじゃない」

「でも、僕一人ではなかなか大変そうなんだ。この辺りのことはよく知らないしね。そんな場所なのに“トレシーミ”が全員揃っているなんて――」

 そこで明はタメを作った。

「これは運命だよ!!」

 あ、何となく性格わかってきたぞ。

「おお!!」

 イルンが共感している。

 つまり、そんな性格だ。

 ここから先は俺が引き継ぐしかないな。

「……概ね事情はわかったけど、具体的には何に困ってるんだ?」

「この辺にいるはずの、何だっけ……」

「ロボメイル操縦者フレームだよ、山野さん」

 難波からフォローが入る。

 それはともかく……おい。

 事情が明らかになる度に頭痛がしてくるぞ。

「そうそう、この辺でそのロボメイルの凄い強いのがいるかも知れないんだって。で、その強さを調べないいけないんだ」

 ここで問題になるのは、難波が敵なのか味方なのかと言うところだ。

 森川はそもそもロボメイルの知識がない。明も考えるまでも無い。

 話を持ってこられたときに、難波はこの状況をどう判断したのか。

 もちろん俺は難波に何もかもを話したわけではない。イルンが側にいるからロボメイルと関係があることはもちろんしているだろうが、和光ジムでの事件に俺がかかっていることは知らないままだ。

 それに加えて、俺にキャパがないことは知っている。

 この前提条件で奴が企むこと……


 ……イヤな予感しかしないな。


 とにかく明の欲求はロボメイル操縦者だと判明した。

 答えは決まっているわけだから、自分のわかる言葉に置き換えながら状況を整理する。

「つまり君は――」

「明で良いよ、って他の二人にも言ってるんだけど」

 その言葉に両脇の二人が反応仕掛けたがそれは無視。

「ロボメイルというものの操縦者フレームを探さないといけない」

 フレームという言葉も、正確に理解しているかどうか。

「そうだね」

 しかしあっさりと同意を得られた。

「で、一人じゃ大変そうなので、昔の伝手を頼ろうとしている」

「運命だからね!」

「だけど俺は協力できない」

 俺は決まっていた答えをきっぱりと言った。

 理由はもちろん、俺が俺を捜すという馬鹿な事態を防ぐためが半分。

 もう半分は――

「俺は最近彼女が出来た」

「え? あ、そ、そうなんだ」

「で、俺はこっ恥ずかしいから日頃あんまり……好きだ……とかは言ってやれないわけだ」

「ねぇ、何の告白?」

 当然の疑問なんだろうが、ここまで来て言いかけた言葉を引っ込めるわけにはいかない。それにもう峠は越えた。

 俺は勢いに任せて言い続ける。

「だから、せめて彼女を不安にさせるようなことはしたくない」

「え、えっと……」

 よし、俺の勢いに押されてきたな。

 実際、俺も自分自身が何かに押し流されそうな心持ちだ。

 だが、ここで躊躇っては今までに払った犠牲が無駄になる。

 俺は断固たる決意と共に、最後まで頑張る。

「――よくわからない女の子を手伝うから、しばらく会えなくなるなんて言えないだろ。言えない以上、俺は明を手伝うことも出来ない」

 言ってやった。

 断る口実として利用した、と言われるかも知れないがこれが俺の一番正直なところだ。

 何か、難波が珍しく驚いた表情を浮かべているが……ありゃ、いつもの顔に戻った。

「き、君の事情はわかるけども、ちょっと……」

 森川が何か言いかけた時……

「おい! 何か恥ずかしいこと言ってる奴が居るぞ!!」

「何言ってンの! あれぐらいしてくれた方が、女の子は安心できるのよ!!」

「ええ~、私はあんなの勘弁」

「俺は今、猛烈に感動している!」

「とにかく良くやった!」

「何々、何のお祭り?」

「なんかさ~、告白しに来た女子を、きっぱりと断った男子がいるみたいよ~~」

 一斉に周囲がざわめきだした。

 何だか立体音響で聞こえてくるから、校舎から騒いでいる連中もいるな。

 ……そう言えばここは校門でしたね。

 そして無責任な発言でどんどん歪んでいく情報。

 ざわめきはいつの間にか、何だか明が俺のストーカーみたいな扱いにまでなっていた。

 さすがにそれは可哀想……だけど、なんと言えばいいのか。

 その時、明の赤い髪がまるで風になびいているかのようにざわめき始めた。

 な、何かまずいか?

 思わず身構えてしまったが、

「うわああああああああ~~~~ん」

 と、明はいきなり泣き出してしまった。

 そしてあり得ないほど高くジャンプして、そのまま視界の彼方へと消えていってしまう。

 地球人でないのはわかっていたが、さすがにこんな身体能力は無茶苦茶だ。

 もしかして――

「イルン、ジグレト……ってどういう――」

「パパ!!」

 あ、これまたダメになってるね。 

「ママのことそんなに好きだったなんて、私ちょっと感動しちゃった。娘としては嬉しいけどちょっと妬けちゃうわ」

 うん、しみじみとダメだね。

 

 ――で、これ収拾付くのか?

    


俺ガイル11巻の発売日が延びていなければ、もっと遅くなっていたことでしょう。

難波はなぜ難波なのか?

まぁ、一部書いていたときからいらんことしてたのが、今回ちょっと生きてますね。

では~


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