感情発火 -Bikipedia
『感情発火』とは、都市伝説の一種である。
内容:ある家に一台の家庭用ロボットがいた。その家の主人はいささか乱暴者で、理由をつけてはロボットに暴言を吐いたり、暴力的な八つ当たりをしたりしていた。ある日、主人が仕事から帰るとロボットは真っ暗な家で窓辺に立ち、ぼんやりと外を眺めていた。ロボットはいつもならタイマー設定により夕食の支度をしているはずであった。主人は故障かと思いロボットに手を伸ばした。その主人の手をロボットは思い切り掴み、同時に振り向いた。ロボットの目はいつもの青味がかった色ではなく、赤かった。そして合成音声が「シネ」と主人に語りかけた。ロボットの積もり積もった主人からの暴力が何らかの原因を経て電子頭脳にバグを起こさせ(この状態が『感情発火』と称される)、主人への殺意を芽生えさせたのであった。間もなく主人は、そのロボットの目と同じ、真っ赤な血に染まった状態で発見されたという。そして主人が見つかった時、ロボットの姿は何処にもなかった。その後のロボットの行方はようとして知られていない……
概要:家庭用ロボットが一般的に普及し始めた二〇四〇年代の第一次ロボット産業革命以降から、主にインターネットを通じて小学生の間で流布したものである。大まかな設定は星川一伸著のSF短編集『宇宙の世界』内に収録された『殺人ロボット』が基である。『宇宙の世界』がベストセラーを記録したのと同時期に『調布女子大生拉致殺人事件』や、『名古屋少女集団暴行殺人事件』などといった猟奇的殺人事件が続出したことなどがきっかけで脚色され、広まった。現在(二〇六四年)家庭用ロボットには喜怒哀楽といった感情表現の機能は搭載されているが、日本におけるロボット開発の第一人者である日本機械工業大学の海馬燈教授は「実際にこのようなことが起こるのはあり得ない」(注1)としている。
(注1:テレビ関東系列『USOでしょニッポン!真夏の都市伝説スペシャル』より)