伝えられない
青い空を、薄暗い雲が覆っている。
私の心のようだ、そういって嘲笑った。未だに高校生な私は、そんなことはすぐにどうでも良くなって、逃げるんだ。自分の気持ちからも、彼からも。
本当は、中卒でいいと思っていた。それでも高校に入るために死ぬ気で勉強して、一年前に入った学校だった。入った理由なんて、周りの皆みたいにいい学校に行って、いい職業につくためなんかではなく、ただ彼について行っただけ。なぜかなんて、言わずもがな。私はずっと彼が好きだったのだ、中学生の頃、同じクラスになってから。何度も何度も告白しようとして、諦めて。恋文だって結構沢山書いたけど、全部ゴミとして虚しく焼かれていった。それに、私はもう伝えられないから。
空は、時折ピカピカと光り、凄まじい音を立てている。
「おい、何やってんだよ。」
「え、」
突然、話しかけられた。まぁ、確かにこんなに大雨なのに突っ立っているのは誰から見ても異様だろう。
「お前なぁ、流石に大雨の日に傘も差さずに立ってるってのは変だぞ?」
「うわぁっ、朝倉君?!」
「うん?」
「……。雨降ってるんだから早く帰ったほうがいいよ。…私のことは気にしなくて良いから。」
朝倉君、彼が私の想い人だった。最近、彼女ができたらしい。文末が、曖昧なのは実際に見たわけではないからだ。朝倉君と彼女さんが歩いてるところなんて見たら本当に立ち直れなくなってしまう。
「ばっかじゃねぇの?…あのなぁ、友人が雨に打たれてたら誰だってほっとけねぇよ。」
「馬鹿じゃないよ…。」
友人。そんな何気ない一言にも、自分は朝倉君にとって特別な存在になれないことを語っていた。心の中の自分が言う、“諦めれば楽になる。違うか?”違わない、けれどもう少し、朝倉君を想っていたい。そう想うのは駄目でしょうか、神様。
それでも、私は少しずつ彼を忘れていくように自分を守る。
「ほら、帰るぞ。」
あぁ、どうか今だけでも彼の傍にいさせてください。
「うん、」
次に会うときは、きっと彼のいい友達になれるから。もうわがままは言わないから。諦めるから。
きっと幸せになってね。朝倉くん!
初投稿作品ということで書いた自分も出来栄えの酷さにガッカリしております。
今度書くときはもっといいものを書きたいと思っておりますのでよろしくお願いします。