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白銀の夜明け(プレリュード) [乾クエ1]  作者: 群青 坊哉
04.白銀の夜明け《プレリュード》
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序幕

 創世の神は大きな石だと言われている。

 この世、万物の力は石から成る。故に、石の存在なくして文明の発展はなかったとされている。

 世界(フロース)には大きく分けて三つの種族が存在している。先ず、人間。それから人型よりも色素が薄く、背に羽が生えている種族を天使。人型をしていない種族を魔族と呼んだ。

 人とは違い、天使や魔族は魔力を持っている。彼らは絶命するとその肉体も消滅してしまうが、彼等の体内に備わっていた魔力は、消滅を避ける為か、凝縮、固体化して消えゆく肉体(から)から離脱する。この魔力の結晶を総称して"石"と呼んでいる。即ち石とは、生前の彼らの魔力――否。存在そのものである。

 石にはそれぞれ属性があり、人によって使いこなせる類が異なる。故に、石を加工して造られた石化製品には、誰にでも扱う事のできるようにあらゆる細工が施されている。一般家庭の機器を誰もが難なく使う事ができるのはそういった理由である。

 だが、『禁術封石』と定められる石は、如何なる細工を施そうと決して人間には取り扱う事は出来ないとされている。

 その理由の一つに、人の身に余る力を有しているため。

 一つに、「崩壊」に直結する類の魔力――魔術を秘めた石が多いため。

 一つに……禁術封石を持つことは、人ではないもの――魔人化への路を歩むということに等しい。

 尤も人は、初めから禁術封石を所持することを許されてはいなかった。


 太古。創世の神である大きな石は、大きく分けて三種の力を秘めていた。

 強大な力を持つその巨石を巡り、いつ頃からか、種族間に大きな争いが起こる。どの種族が戦火を切ったかは定かではない。魔族は、同族の魔力の結晶――魔石を集める為に、その荒い気性の赴くままに他種族を襲った。人は、己の能力、存在を誇示しようと石を使って他種族に挑んだ。天使は、同族の魔力の結晶――天石を集めると共に、その高き誇りにかけて他種族を従わせようとした。

 長い長い戦い。誰もが、世界(フロース)が終末を迎えるその瞬間まで続くものと考えていた果て無き争いを、天使、人間、魔族は、同盟を結ぶ事で終結させた。

 天使は、石を管理する。天石を総て保管し終えていた為、魔石を集める事を義務付けられた。魔石の中でも力の強い石は総て魔族へ返し、力の弱い石は人間へ分け与える事。それ以上の、人、魔族への干渉を認めない。

 人間は、魔石を発見後天使へ渡す。その報酬として、天使から与えられた力の弱い石のみ扱う事を許された。特に力の強い石は「禁術封石」とし、所持する事を禁じられた。

 魔族は、他種族で石の管理体制を整える事を条件に、人、天使に干渉しない事を約束させられた。

 この同盟を成立させる為、世界(フロース)を生んだ巨石は三つに分離した。

 それぞれ異なる力を司った三つの巨石は、世界(フロース)に散らばると各々空間を創り、天使、人間、魔族、それぞれの種族を各空間に移した。

 以後、平穏な時代が訪れる。

 天使と人間は魔石収集の為、協力体制をとる事になり、互いの居住空間を自由に行き来出来るゲートを設置した。二種族は魔石探索本部として、人間の持つ警察機関を活用する事を取り決めた。以後、警察機関は天使と一部の人間が統率、運営するようになった。

 魔族は、他種族との接触を絶ち、住処としている空間のみで暮らすようになった。

 創世の神であった三つの巨石は、世界(フロース)に平和が訪れた事を見届けた後、永き眠りについた。しかし、その力は決して衰えず、それぞれの種族に繁栄を齎した。

 一つの世界(フロース)に三つの石神と三つの空間。総てが治まり、平穏は永久に続くかと思われた。

 だがある時。ふとした弾みで、三つの巨石の内、一つが目覚めてしまう。

 それを発端として、種族間で結ばれた同盟――保たれていた平和は徐々に綻びはじめた。

 いつしか。天使は魔石総てを手中に治めようとし、人は禁術封石を収集し出して、魔族は魔石を奪還しようと、個々で活動を開始していた。

 今は、大昔の争いが再び蘇る……ほんの一歩手前の時代。

 これは、混沌の世を走り回る探求者たちの物語である。


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