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挿絵(By みてみん)

「創世の神は、大きな石だと言われている」

 とある午後の、猛烈に気だるい時間帯。

 立派な白髪頭と、鼻にかけた老眼鏡。他に特筆すべき事といえば、話が長い事で生徒に嫌われてしまっている点だろうか。四十名が在籍している教室内に、年老いた教師――通称ナカGの抑揚の無い声が響き渡っている。中にはしわがれ声を子守唄代わりに寝入ってしまった生徒達の寝息も混ざっているのだが、当のナカGは気づいているのやら、いないのやら。教壇で黙々と教科書を読み上げている。

「この世、万物の力は石から成る。故に石の存在なくして文明の発展はなかったとされている」

 世界フロースに存在する島国の内、最大の面積を持つというここはプリムス国。中央都市グノーシスに建設されたアイオン教会は、設立十八年と歴史はまだ浅いながらも、世界(フロース)でも一、二を争う程広大な敷地を持つ大教会だ。他国から見ると島の丁度中央に位置している教会の真白の尖塔は、(プリムス)のシンボルと化している。

 ここは、アイオン教会の敷地内に建つ学習施設、アイオン学園初等部の一教室。

 窓際の列の前から四番目という、誰もが羨む絶好の(ポジション)に腰掛けているのは、つい先日十一歳になったばかりの少女だ。深い碧の大きな瞳や鮮やかな黄緑の髪色をした人目を惹く美少女だが、その容姿は実年齢よりもずっと幼く映る。同じ教室にいる子供と比べるとずば抜けて低い身長は少女の最大のコンプレックスだった。故に少女は日に二回、自身にカルシウムの摂取を課しており、朝晩ビールジョッキに並々と注がれた牛乳を腰に手を当てて豪快に飲み干している。

(あーぁ……)

 少女は今朝から頬杖をついたままの姿勢で盛大に溜息を吐き続けていた。

(ただでさえ面倒臭いってのに……)

 正確には、少女の溜息はホームルームの後から。……もっと詳しくいうとホームルームの際、担任が告げた連絡事項を耳にした直後から続いている。

(やっぱりここは……いや。校則ゆるゆるでも規律に厳しいアイオンだもの。最悪、家庭訪問とか言い出しかねない、か……)

 溜息をつく度に、高い位置で二つに分けて編まれた黄緑の長い髪が顔にかかる。

 伏し目がちの表情は冴えない。

(あぁ……気が重い……)

 見るからに憂鬱そうな少女の頭の中には、今朝配付された三者面談の日程表がただ一枚、君臨していた。

世界(フロース)には大きく分けて三つの種族が存在している。先ず、人間。それから人よりも色素が薄く、背に羽が生えている種族を天使。人型をしていない種族を魔族と呼ぶ。天使や魔族は、人には無い魔力という力を持っている」

 少女は黒板の右側に設置された深緑のボードに目を向けた。色取り取りの紙が貼られたボードの中央に、一際大きな警告記事が掲示されている。数年前からプリムスを騒がせている大泥棒を取り上げたものだ。

「彼らは絶命するとその肉体も消滅してしまうが、体内に備わっている魔力だけは消滅せずに、凝縮、固体化して消えゆく肉体から離脱する。この魔力の結晶を総称して"石"。即ち石とは、生前の彼らの魔力――否。存在そのものである」

 何度目かの溜息をつこうとして、少女が大きく息を吸い込んだ――その時。

「石にはそれぞれ属性があり、人によって使いこなせる石と使いこなせない石が存在する。しかし加工、製品化された石はその限りではない。石を加工して出来た物を総称して石化製品。石化製品には誰にでも扱う事のできる様あらゆる細工が施されている」

 ポケットの中に忍ばせてあったナニカが、微かな音をたててその身を震わせた。

(……キタ)

「だが『禁術封(きんじゅつふう)(せき)』と定められている石は、如何なる細工を施そうと決して人間には扱う事は出来ない。故に人界で発見された禁術封石は警察機関を通じて、速やかに天界へ届けられ……」

「先生」

 ナカGの声を遮って、おずおずと席を立つ少女。室内の空気の微妙な変化に、安らかに寝入っていた数名の生徒が身を起こす。クラス中が少女に注目した。

「なんだね。リタル・ヤード君」

「すみません。体調が悪くて……」

「あぁ。そうか」

 事情を察したナカGは、教室を見回しながら再び野太い声を上げた。

「誰か。彼女を保健室へ……」

「いえ。一人で大丈夫です」

 少女の声に、ナカGはもう一度少女を見遣って「そうか」と一言。行儀良くペコリと頭を下げた少女が後方の扉から教室を出る前に、授業に戻ってしまった。

(リタルさん、大丈夫かな……)

(病弱だからな。彼女)

(しかしやっぱり一言返事だったな……。こないださ。俺が早退したいっつったらナカ爺さんの奴、問答無用で却下してくれたんだぜ?)

(馬ぁー鹿。おまえと彼女とじゃ出来が違うだろ)

(授業なんてほとんど出てないのに頭いいからな、彼女。さすがは外来って奴だ。ナカGも一目置いてるんだろ)

(外来? なにそれ)

(おまえ知らないの? アイオンって、指定区外からの入学はすげぇ厳しいらしいぜ? 指定区内なら勉強しなくても入れるけど、この学校設備整ってるからさ。外から受ける奴が五万といるらしい)

(それは聞いた事あるけど……指定区って、グノーシス近辺だろ? って事は彼女。この辺の生まれじゃ)

(ない。リタルって転入生なんだよ。二年前だったかな……俺、そん時も同じクラスだったから覚えてる)

(頭いいわけだ……)

(二年前って、フォルツェンド一味が騒ぎ出した頃と同じだな。リタルさん見るからに金持ちそうなのに。越して来たんだとしたら、ツイてないね……狙われたりとかしたのかな)

(フォルツェンド一味って金持ちからしか盗らないの?)

(じゃなくて、禁術封石しか狙わないって噂。コレクターの家に入るらしいぞ)

(一度見てみたい気もする)

(わかる。失神するほど美形って聞けばなぁ……。で? リタルん家って金持ちなの?)

(あのしゃべり方とか、立ち居振る舞いは、絶対お嬢だよ)

 大して親しくも無い――実は少女の内で見下されていたりするクラスメート達の会話が好き勝手に展開していたその頃。廊下の窓に手をかけ晴天の下へ飛び降りた「病弱な少女」は、全力疾走で己のホームへ向かっていた。

 2

「はぁ……」

 もう幾度目か。いい加減数えるのも馬鹿馬鹿しくなってきた数の溜息を、少女は飽きもせずに盛大にもらした。

「……なんだよ」

 廊下に一列に並べられたパイプ椅子。その一つに足を組んで座っている男の青瞳が少女を映した。銀の長髪を後ろで一つにまとめ、イッチョマエにスーツなんて着込んできたこの男は、少女の隣でやけに偉そうに踏ん反りがえっている。

 しかし少女の大きな瞳は隣の男を通り越して、廊下の端で騒いでいる女生徒たちの様を眺めていた。

(アレって、リタルさんのお父さん!?)

(まさか! お兄さんよ、絶対!)

(えー確かに美形だけど、あんまり似てないじゃない!)

(リタルさんを通じて お近づきになれないかしら……)

「……ううん。やっぱ、あんたを連れてくるんじゃなかったな……とか」

 視線を地に落とすと、少女は聊か疲れた表情でボヤいた。

 男の端整な顔立ちとスタイルの良さ、長く伸びた艶やかな銀髪は、隣に座る少女の外見以上に人目を惹く。そんな世にも目立つ男を連れて教会に足を踏み入れてからというもの、少女は見世物パンダよろしく行く先々で女生徒達に指され、黄色い声を浴びせられた。……いや。正確に言えば、歓声を上げられまくっていたのは隣の無駄に整った面をした銀髪の男の方なのだが……とにかく。居心地の悪い事、この上ない。

「『三者面談』だろ。俺様が行かねぇと困んじゃねぇか」

 周りの騒ぎに気づいていないのか。涼しい顔で腕組みしていた男が答え……、

 ……前言撤回。コイツ気づいてた。浮かれた面して女の子達に手なんか振ってる。

「素直に天涯孤独の身って言っとけばよかった」

 さらに続く少女の溜息に、切れ長の青い双眼が細くなる。

「おまえぁ……俺様だって無い時間裂いて来てンだぞ」

「どうせ家にいたって。踏ん反り返って寝てるだけでしょう」

「夜忙しい身だからだ」

 間髪入れずに言い放った男に、それは自分もだと反論すべく口を開いたその時、ガラっと音をたてて教室から一組の母子が出てきた。教室を振り返っては中に居るのであろう"担任"に会釈。そして視線に気づけば、こちらに向かってまた会釈。さらには廊下を進む度に出会う教師や生徒にその都度会釈。……忙しいものだ。

「次。リタル・ヤードさん」

 頭を下げた回数分遠くなっていく二つの背にジト目を向けていた少女は、名を呼ばれて視点を隣の男に戻す。

「……ンじゃま。行くか」

 少女の視線を受け、パイプ椅子を鳴らすとその場に立ち上がった男。少女の返事を待たずに一人でスタスタ教室に入っていってしまった。

「ったくもぉお」

 呟きと同時に溜息を吐いて、少女も男の後を追った。

 3

 扉を閉めて教室を振り返る。既に男は、生徒の机を挟んで"担任"の向かいの席に腰を下ろしていた。穏やかな空。柔らかな午後の日差しが降り注ぐ無人の教室で、"担任"として自分を迎えた女教師はぺこりと頭を下げた。

「こちらにお掛けください」

 女教師は十七歳とまだ年若く、少女と呼んでもよい程の容姿をしていた。透き通るような白肌にルビーのような赤い瞳。肩までの蒼髪を後ろで一つに結んでいる。少女が着席するのを見届けると、女教師はコロコロと鈴の鳴るような声を上げた。

「えぇっと、……リタルさん、ですが」

 綺麗な響きとは裏腹に、その表情はこれでもかと言う程に強張っている。

「リタル、でいいわよ。センセ」

 机の上に広げたマニュアルと資料を端から端まで睨んでいた女教師に、少女は呆れ顔で突っ込んでやる。

「は、はい。えと、リタル……について、ご家族の方にお尋ねしたいのですが」

「どうでもいいが、さっさと終わらせてくれよな。どうせリタル(こいつ)の事だし、後もつっかえてるみてぇだし、ちゃっちゃと行こうぜちゃっちゃと」

「あんたね」

 横やりを入れる男を少女が言及するよりも先に、意を決して顔を上げた女教師が少女と男、それぞれに視線を向けた。

「リタルさん……じゃなくて。リタル、は、おうちではどうですか?」

「普通よ」

「てか、おまえ見てンじゃねぇか」

 男の言葉に女教師は一瞬、怯んだ様子を見せたが、

「……では、保護者の方にお尋ねしますが」

 お。めげない。エライ。少女は心の中で女教師の成長を称えてやる。

「将来はお子さんをどういった就職先に就かせたいと、お考えでしょうか。他にも、なんでもいいです。リタルさんの進路について、何か思案されてる事はありますか?」

「あー……」

 耳どおりの良いバリトン。腕を組み眉間に皺を寄せて男は低く唸った。少女のジト目と、女教師の真摯な視線と。二つの視点が集中する中、男はふっと顔を上げると、

「泥棒のアシスト?」

 そう一言だけ答えた。

 腹の底から溜息を吐き出す少女に、思わず椅子からずり落ちてしまいそうになる女教師。

 なんとか堪え、女教師は改めて男に向き直る。

「事前にリタルさ……リタルに書いてもらった進路希望調査表によると、彼女自身は特に展望は無いとの事ですが……」

「だから、泥棒アシスト」

「リタルさん、……リタルは成績も良く、とても優秀な生徒さんですから、どこへ就職されても問題は……」

「ドロボウアシスト」

「……リチウムさんっ! ちょっとはまじめに協力してくれたらどうですかっ」

 半べそをかいた女教師がついに立ち上がった。見上げれば、女教師は細い肩をふるふると震わせている。……やっぱこうなったか。少女は心の中でボヤきつつ頭を抱えた。

「なんだグレープ。俺様は至って真面目だが」

 真顔で即答する男を前に、女教師はさらに情けない表情を浮かべつつ、

「だって、『ドロボウアシスト』なんて、そんな事書けません……っ」

 胸の前でぶんぶんと両の拳を振る。

「書けないも何も、将来どころかすでに現役なんだからしゃーねぇだろ」

「ですが、ですがっ」

『そうよ。そもそもなんだってアンタが来てンのよ』

 唐突に、女教師の後ろから聞こえてきた不機嫌なアルト。それまで少し離れた位置で黙って事の成り行きを眺めていた人物が、どこか不満げに会話に首を突っ込んできた。

「なんだ。居たのかクレープ」

 女教師の後ろから顔を出したのは、女教師と瓜二つの顔をした人物だった。かろうじて髪質だけは女教師と違い、ゆるやかなウェーブを描く長い金糸を頭の上で一つにまとめている。

『居たわよ。てか、明らかに気づいてたっぽいのにヒトの事無視して事を進めてたデショ。アンタたち』

 男の声に女は不愉快だと言わんばかりに瞳のルビーを細めた。

「いやだってこれ学校行事だし。不良幽霊に出張ってもらってもさ」

『一体何度言い聞かせればそのツルテンテンの脳みそは皺を刻んでくれるのかしら? アタシは幽霊じゃないってば』

「いや刻まれまくってるけどさ。体半透明だわ浮いてるわ、そのナリで幽霊じゃないって主張されても死ぬほど説得力無いから本当」

 男の言葉どおり、彼女は宙に浮いており、その身体は背後の景色が見える程に透けている。

『しっかしまさかツルテンテンが来るなんて。アタシはてっきりトランちゃんが来るかと思って待機してたのに』

 不満丸出しの声を上げつつ、憮然とした表情で男を睨む半透明の女。

「なんでだ」

「なんでよ」

 男と少女の声がハモれば、半透明なその細面は途端にニンマリと悪巧みを思いついたような笑みを浮かべた。

『そんなアタリマエの事訊かないでよ。そっちの方がタノシーからに決まってるデショ』

「クレープさんも真面目にやってくださぁいっ」

 顔を真っ赤にさせて、じたばたと抗議する女教師。

『なによグレープ。アタシは至ってマジメよ』

「つか、おまえだおまえ。そもそもなんだっておまえが『担任』やってんだよグレープ。副担だろおまえ」

 面倒臭いと言わんばかりに整った顔を歪めた男が問うと、

「サンキューで臨時で仕方ないんです」

 再びじたばたと主張を唱える女教師。

「サンキュー?」

『産休』

「あぁ」

「今この教会、シスターの数が足りてないんです、だから仕方ないんですっ」

『引き受けないってテもあったじゃない。アンタが受けてなきゃ学園だって、他のトコから助っ人呼び寄せるなりしてたデショ』

「頼まれたから仕方ないんですっ」

「……断れなかったんだな」

「うく……っ」

『ユージューフダンだから』

「ですが、この教会には私もお世話になってますから、お役にたちたかったのですよ……っ」

 男と半透明の女に挟まれ、明らかに劣勢、女教師。喧騒を遠目に眺めていた少女は、後に残された面談待ちの生徒と保護者組を少しだけ哀れんだ。……これは長引きそうだ。

 が、その予見をぶち破ったのは、誰であろう少女であった。昨日と同様に、ポケットの中のナニカがブルってる。ぎゃーぎゃーと喚く大人達そっちのけで、ポケットの中のナニカを確認する少女。瞬間、目を見開いた少女は男の名前を呼んだ。

「リチウム」

「んだよ」

「また出た。反応」

「んだって?」

「ここから近い。……移動してる」

「ってこた、やっぱり誰かさんが持ち歩いてるってこったな、今度のターゲットは。……楽勝!」

 ニヒルな笑みを浮かべると次の瞬間、男はその場から駆け出していた。

「リチウム!?」

 残された三者の視線がその背を追う。男は室内を窓へと移動しながら僅かに振り返った。

「後を追う! ここでまた見失ったらいい加減フォルツェンドの名が廃るだろ」

「そんな、面談は……っ」

「やってられっか! リタル!」

「らじゃ」

 既に後を追っていた少女は、今にも窓から飛び降りようとしている男の首にしがみ付いた。

「ま、ま、待ってください! ここは三階……!」

「わかってる!」

 怒鳴り返すバリトンが窓の向こうから聞こえたと思えば、突然銃声のような乾いた音が耳を劈いた。慌てて女教師が窓に駆け寄ると……二人、ふわりふわりと宙に浮いていたりする。

『そういや、あのガキ。こないだ手に入れた禁術封石でオモチャ作ったって言ってたけど……アレの事か』

 少女が手にしている銀色の銃を視界に入れた半透明の女が、女教師の上で暢気に呟いた。その間に地へ降り立つと、ポケットでブルっていた物体――レーダーを持った少女を先頭に男は教会の敷地内を駆けてゆく。

「い、行っちゃいました……」

『ほら、アタシたちも行くわよグレープ!』

「へ? ええ?」

『タノシそーじゃない!』

「で、ですが私には面談が……っ」

『来るの! アンタがいないと、このアタシが活躍できないんだからっ』

「えぇえぇえ!」

 言うや否や、半透明の女は女教師に抱きつき……否、交わるように女教師の身に溶けてゆく。

 瞬間、女教師の体が淡く光った。

 光の中、女教師の髪色は蒼から金へ。長さは伸び、髪質さえも変化する。

 刹那、光は消え、そこには半透明の女の外見そのものになった女教師が立っていた。

「借りたよ! グレープ!」

 声まで半透明の女のものに変質している。

 事後報告もいいとこ、女教師の身体を乗っ取った女は既に教室を駆け出しており、内に入ってしまった精神(じょきょうし)が正気を取り戻す頃、その体は窓から飛び降りていた。

(ええええええええええ!)

 宙を流れる緩やかな金糸。内で叫ぶ本体そっちのけで、女の表情は楽しそうだ。

『浮遊!』

 言葉と同時に女の体が淡い光に包まれる。瞬間、特殊な力が作用し、重力下に置かれているはずの細い体はふわりと宙に浮いた。

「ヨッシャっ 行くわよ!」

 嬉々とした声を合図に加速するスピード。遠ざかり小さくなっていた男達の後を彼女"達"は空から追う。

 背後の建物――三階の窓から、自分達を探す大声が微かに耳に届いた。騒ぎに駆けつけた残りの面談組だろう。内に入っている女教師は、まさに心の底から、ただひたすら彼らに詫び続けるのであった。

 end.

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