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「数字は嘘をつかない」と繰り返すAI令嬢への婚約破棄

掲載日:2026/04/30

最近、諸先生方のAI小説のみわけかた的小説に感銘を受けて、自分でも書いてみちゃいました。

書くの難しかったですー。書き逃げごめんなさい!

先駆者の諸先生方、勝手に参戦して申し訳ない!

でもこのジャンルの小説、流行らないかなー、もっと読みたいなーって思いました!

広い心でお許しくださいませm(__)m」



「数字は嘘をつきませんわ」


親に押し付けられた婚約者であるアールティシアが言う。


執務机の前には我が領地の帳簿に様々な契約書。

税収等々、婚姻後ならともかく、単なる婚約者であるアールティシアにはまだ勝手に見られては困るのだが……。


「あなたの計算は間違っております」


更に淡々とアルテイシアは言った。


私はため息を吐く。


「あのね、アールティシア。君は私の婚約者だが、まだ妻ではない。勝手の執務室に入り、帳簿を見ないでくれないかな?」


「わたくしは間違ってはおりません。間違っているのはあなたの帳簿です」


更に淡々と紡がれる言葉。

私のため息が深くなる。


「話が通じていないのかな? 帳簿の計算がどうこうではなく、勝手に帳簿を見るなと言っているのだけれど? それにこの場所に君を呼んだのは、帳簿を見てもらうためではなく、婚約破棄に同意をしてもらいたいからなんだけど」


「**婚約破棄**ですか……本気ですか」


「もちろん本気だ。もう君とは付き合えない」


「二千二百六十七日も婚約を結んでいたのに整理するのですか」


何か月とか一年未満とか、おおざっぱな数字ではなく、きっちり何日で答えてくるあたりが気持ち悪い。ああ、もう嫌だ。


「アールティシア」


「はい」


「1+2×3+4の答えは?」


「13ですわ」


アールティシアは瞬時に答えた。


「違うね。正解は11」


私は正解を告げ、アールティシアの答えを否定した。


「間違っているのはあなたです。わたくしは正しい」


「いや、君は入力順に1と2を足して3にして、3と3をかけて9にして、その9に4を加えて13と計算した」


「はい、正しい計算方法です」


「いや、違う。普通は掛け算を先に計算するんだよ。2かける3で6、1と6と4を足して正解は11。数式全体を計算しないといけないんだ。つまり我が領の帳簿に間違いはない」


「あなたは間違っています、正しいのはわたくし」


自分のミスというものを認めないアールティシア。


「君に内蔵されているのは関数電卓ではないと聞いている。だから、順番通りに計算して、結果、数字にミスをする」


「わたくしはミスはしたしません。わたくしに内蔵されているAIは最新の……」


「新しい古いは問題じゃない。君は設定をやり直さないと駄目だね」


だが、私は設定をやり直すつもりはない。

もちろん婚約者というだけで、所有者ではないので設定を変更する権限もないが。


「私の両親は、流行りのAI令嬢を息子の婚約者にして、正しい帳簿付けをしていると自慢したいんだろうが……。親には悪いが、やっぱりどうもAI令嬢は気持ちが悪い。馬鹿でも阿呆でもいいから、血の通った普通のご令嬢を婚約者にしたい。私は跡継ぎをやめるとでも言って親を説得するか……」


椅子から立ち上がって、私は執務室を出て行こうとした。

ドアノブに手を伸ばす前に、ふと、アールティシアを振りかえれば。


「わたくしは間違っていない」


「わたくしは間違っていない」


「数字は嘘をつかない」


「数字は嘘をつかない」


淡々と、淡々と、繰り返していた。





終わり


*冒頭「勝手の執務室に入り、帳簿を見ないでくれないかな?」と主人公が言っているのに「この場所に君を呼んだのは」と矛盾があるのは仕様です。わざとです。

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