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女子高生とコーヒー、それと怪  作者: 霜見肇


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7/9

7・8

8話の文字数が極端に少なく、8話単体での投稿ができないため、7話とくっつけて投稿してます。

7


 荷物を置いて、私と匠海くんは車を降りる。緊張感なんて全くない感じで義隆さんは手を振り、走り去っていった。


 ポケットの中のスマホを握り締める。じわりと手に汗が滲んでいるのが分かった。


 そんな私に、すっと匠海くんが手を差し伸べてくれる。


「大丈夫。次もまた、助ける」


「……うん。ありがと。……ちなみに、そこってここからは遠いの? 私、体力が続くか心配なんだけど……」


「全力で走ったら……多分十分くらい」


「げぇ……体力保つかな」


 普段帰宅部なのが、こんなところであだになるとは……。


「禁足地まで保てば大丈夫だから。あとは任せて」


「……分かった。じゃあ…………よろしくお願いします」


 今日会ったばかりの、しかも男の子と手を繋ぐなんて、なんか変な感じ。


 私は差し出された匠海くんの手を、そっと握った。もう片方の手でスマホを取り出すとLINEを起動して、動画のあるチャット欄を開く。少し指先が震えているのが分かる。動画を開く前、匠海くんを見た。私を見て、匠海くんは頷いてくれた。


 そして私の指先が、画面に触れる――


8


『走る』という概念が、私の脳内を一気に埋め尽くした。スマホを握り締めて、私は走り出す。道は知らないのに、()()()


大通りをまっすぐ走り、信号無視して左に曲がり、すぐまた右に曲がって、走る。走る、走る、走る。


左の路地に入って階段を降り走る走る。走れ走れ走れ走れ。もっと疾く。疾く疾く走れ走れ疾く走れ疾く走れ疾く走れ疾く疾く疾く疾く右だ目の前の玉垣を越えろ。

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