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匠海くんの説明した方法は、とても簡単だった。でも確かに彼の言うとおり、安全ではなかった。
――私がもう一度、あの動画を見る。
それが匠海くんの思い付いた方法だった。確かにもう一度あれを見れば、私は禁足地に向かってまた走り出すかもしれない。そうしたら、二人はただ私についてくればいい。
「……あれ? でもその場合、また二人がたどり着けない可能性ありません?」
「ある。でもそれを防ぐ方法も、一つだけある」
「どうするの?」
「手を繋いでいればいい。“あれ”は第三者の無意識に干渉して近寄らせないようにしてるけど、その人の行動には、多分干渉できない。俺や店長みたいな耐性のある人種なら、特に」
「なるほど……あー、でも二人と手を繋いで街中を走るのは……ちょっと恥ずかしいかもなぁ」
危険な状況だけど、その場面を想像して私は少し悶絶した。
「まあ、うん……シュールだよね。どういう関係なの?ってなりそうだ」
匠海くんの表情は変わらないけれど、なんとなく彼も恥ずかしいんじゃないかと思う。
「……じゃあ、こうしよう。二人はそんな感じで、“あれ”の対処をする。僕はその後の準備を進めておくよ」
「匠海くん一人で……大丈夫なんですか?」
二人の言う“あれ”がどれくらい危険なものなのか、私には分からないので、一応確認してみる。
「うん、多分ね。こう見えて、たっくん結構優秀なんだよ?」
義隆さんの中ではそういう評価らしい。こう見えて……確かに髪も染めて、ちょっとやんちゃしてるのかなとは思うけど、中学生なんてそんなものだろう。私だって、今金髪だし。
「じゃあ……お願いします」
そう言いながら、なんとなく頭を下げてしまった。そんな私を見て、匠海くんも軽く頭を下げた。




