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夕陽の差し込む部屋

夕陽が早くなった


全てが朱色あかねいろの時

夏であれば、まだ想いに耽ってもビールでやり過ごす

秋になっても、名残の闇に光る星を見上げてやり過ごせる

冬になれば、一人だけの晩酌を始めてやり過ごすのだろう


やり過ごした後、ふと気づくと馴染みの古いアパートの一室

窓から外へ視線を移すことはあっても、結局はここから外へ出る事がない


日々の糧は、遺族年金と妻の残した遺産だけ

妻の遺産は減って行くけど、妻の思い出は重くなっていく

このまま二人で暗闇の中にとっぷりと沈んでいくのかな


次の日、夜明けと共に目が覚めた

やはりアパートの古い畳の上だ

染みた跡が畳にあった

情けないけど、涙に溺れて寝入っていたんだ

でも、昨日の寝入るまでのことはハッキリ思い覚えているし、妻の姿も声も匂いもハッキリ覚えている

こんなふうにして、男っていう情けない人間は、時をただよってい続けるんだね

それも、いつ止まるとも分からない命の続く限り


とにかく起きよう、腹が減った

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― 新着の感想 ―
奥様の尊さが身に染みて、なんとも言えません 男性に幸あれ、です
2025/07/25 20:21 甘口激辛カレーうどん
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