負け戦
カーテンの裾からは
まぶしいくらいの月明かり
それなのにスマホで
雨の音を流している
訪れない眠気に嫌気がさして
開きっぱなしの目が
痛いぐらいに乾いて
暗い琥珀色の豆電球
願わくば
この時間を閉じ込めてしまいたい
迫る 朝までのカウントダウン
焦りは小刻みに募るから
斑に夜は過ぎてゆく
飛び石のような意識
根底の頭痛
冷やされた部屋は
なんとなく孤独
空と繋がることのない
延々と鳴る雨の音に
ぶつ切りの雨粒を
部屋中に転がして
重たくって空っぽの体
横たえたまま
出ない涙を流したくなる
睫毛にかかる月明かり
それすらも
太陽が照らしてるだなんて