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5章

 起きた。今日も学校がある。

 歩いて学校に向かう。自転車はめんどくさくてまだ修理に出していない。

 そういえば早起きは三文の得というけど三文って今にしたらいくらなのかな?

 そんなくだらないことを考えているといつの間にか学校についていた。

 席に着くと隣の席の子が話しかけてきた。

「ねえねえ、今日って課題提出、なんかあったっけ?」

 顔を見てみる。

 浮かび上がった文字は『焦』、心の声は「課題見せてほしいな~」だった。

「今日は課題あるよ~」

「やった?」「やった」「みせて」「いいよ」

 顔の文字が『喜』に変わる。

 心の中が見えるって案外いいかもな、と思った。そんな朝だった。


 しばらくして先生がやってきた。先生の文字はなんだろうか。

 浮かび上がってきたのは『欲』だった。

 声が聞こえてきた。「本当に梔子はかわいいな…」

 恐怖を感じた。むしろ、恐怖という感情に吞み込まれた、そのくらいの恐怖を感じた。

 視線に気づかないふりをしつつ、ただひたすらに、時間が過ぎるのを待った。


「おーい!大丈夫か~?」

 声をかけてきたのは後ろの席の子だった。

「ん?うん。大丈夫だよ」

 そう?ならいいけど。とその子は言った。この子は何を考えているのだろうか。顔を覗き込んでみる。

 見えたのは『妬』、声は「先生は私のものなのに」というものだった。

「ぁ、…」

 あの先生はやめとけ。そう言おうとしたはずなのに。言えなかった。自分のキャラとの整合性が取れない。

 その結果、少し呻いた。ただそれだけが結果だった。

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