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婚約破棄

「セレーネ、僕と婚約破棄して欲しい。」


久しぶりに会った婚約者から挨拶より先に

言われたこの言葉。

別に驚きはなかった。

最近、そっけないと感じることも増えていた。

婚約者に似た人と他の女性が歩いているのを

見たこともあった。


「それはどういうことでしょうか、エイドリア様。」


「好きな人ができた。俺はアリシアと結婚する。」


アリシア様とは確か子爵家の養女だったはず。


「それで私と婚約破棄、ということですの?」


「君には悪いことをしたとおもっている。だが、俺は真実の愛を見つけてしまったのだ。」


「真実の愛、ですか。」  


「ごめんなさいセレーネ様。でも、エイドを解放してあげて!」 


いつの間にかアリシア様がわって入ってきた。


「解放?」


「エイドは完璧なあなたといつも比べられて、肩身の狭い思いをしてきたのよ。」


そんなことを言われても完璧な淑女となれと

言ったのはエイドリア様のほうじゃない。

肩身の狭い思いをするのが嫌なら

精一杯努力すればいいでしょ。 


「僕は運命の愛に出会ってしまったのだ。セレーネ、本当にすまない。婚約を受け入れてくれないだろうか。」  


真実の愛なのか運命の愛なのかどっちなのかしら。

いいえ、気にするのはそこではないわね。


「婚約破棄、お受けいたしますわ。どうかお幸せにエイドリア様。」



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