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メイーダの伝説

メイーダは海辺の小さな村はずれにいて

浜で拾った丸石を壁にして、草を屋根にした家に住んでいる

真っ赤な赤毛に金色の瞳は鬼の姿に似ている

けれども彼女の言葉は優しく、所作は卑しくない

どこから彼女がやってきたか誰も知らない

メイーダという名前しか誰も知らない


メイーダはまじないと薬づくりを生業としている

彼女にはたった独りの友達がいる、三本足の三毛猫が友達だ

村の者たちは彼女を魔女だといった

ある朝、南の空が光ると虹色の大きい羽が舞ってメイーダにおりてきた

美しく幻想的な奇跡が起こった


次の日、三人の博士とフクロウが一羽、彼女の家へやってきた

博士の一人が言う、虹色の羽がおりることは先代の聖女の予言

もう何年も前から予言されていたことが起こったのだと

メイーダよ君は奇跡を起こす勇者であると予言されているのだと

もう一人の博士がうやうやしく彼女に勇気を持っているかと問う

メイーダは威厳に満ちた彼らに臆することもなく気負うこともなくこういった


私は虚無を恐れるから、のまれないよう神と自然を敬いといつも感謝を持っていよう

また、もう一人の博士が問う、では、それが妨げられるとしたら

私の信念だから、例え何があっても、曲げないだろう

博士たちはその言葉に大きく頷いてメイーダに剣と盾、冠を与えた

フクロウが博士の肩から飛んで、メイーダを回って

北へと旅立てと鳴く、彼女は猫を村の子どもに託すと旅立った


かなり歩くとメイーダは迷った、こんなわけのわからないことなどやめようか

北へ向かえば何がある?戦いか、栄光か、それとも虚無と死か

生きることに、根本的な意味はないのだとわかっている

メイーダは空に向かって笑った、やはり北へ向かってひたすら歩こう

予言なんてどうでもいい、きっかけであればよい

ただ、方向を決めて歩けばそれが道になり、意味や価値はそこに出来ていくものなのだ


旅は長く困難に満ちていが彼女はあきらめなかった

大河が行く手を阻めば、メイーダは多くの人々を説き伏せ、何年もかけて橋を作った

木々を払い、入江に石を積んで堤を築き、切通を作って彼女は進んだ

メイーダはまた剣を大地に突き立てて、泉を沸かせて干ばつを救った

やがて彼女の行いに魅かれて多くの人が同じ道を追って歩むようになった


ある時、魔王と呼ばれる悪逆非道なものが現れて、旅を諦めさせようとした

だが、メイーダが剣を振るい話し合うと改心して彼女に付き従うようになった

そして、二十年余りを費やして、彼女たちは北の湖にたどり着くと、そこを終着地とした

メイーダはそこに、付いてきた人々と改心した魔王と共に街を築いた

彼女が亡くなり千年余りたったが、北の湖のほとりに白亜の美しい街がある

その街の名はメイーダと言い、それがかの勇者の伝説の証なのだと伝えられている



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