【53魔物暴走・決着続】
アリアが従魔らしく働くと言って、僕の前に出て魔法を使う姿は圧巻の一言に尽きる。
鮮やかで苛烈に様々な魔法を巧みに放ち、周りの冒険者や兵士は完全に遅れを取ってしまい、今ではほとんどの者が僕と同じように成り行きを見守っている状態だ。
「『暗黒の渦』! チッ……。 この姿だとこれが限界かい」
真っ黒い球を2、3個ほど自身の周りに作り出し、浮かせながら不機嫌そうに舌打ちをするアリア。
ん?『暗黒の渦』だって?
「あ、アリアっ?! それって結構ヤバめな魔法じゃないかなっ?!」
一応、知識として学んだ闇魔法『暗黒の渦』は中級魔法でも五段階中一位。 つまり、限りなく上級に近い難しい魔法を、自分の手足のように自在に操り、確実に魔物だけを吸収させながら、同時進行で逃げようとした魔物さえも、別の闇魔法『影の帯』で捉え逃がさないという隙のないアリアの戦闘。
「す、すげー……」
「あれが、フェアリアルキャットの実力……」
「ふはははっ! ほらほらっ! もう終わりかい?! もっと、私を楽しませな!」
ある冒険者は、アリアの魔法の威力とその精密さを目の当たりにして、感心しつつも己の糧に少しでもしようと貪欲にアリアの動きを目で追い。
またある兵士は、畏怖と尊敬の念を込めて今、目の前で起こっている蹂躙とも呼べるアリアの独壇場を、必死に目に焼き付けようとした。
うわぁー……。 アリア、すっごく生き生きとしてるよぉー。 言葉が悪役のセリフだぁー。
「白米の為! 白米の為ー!」
「えぇっ?! 原動力それなの?!」
せっかく改めてその強さを体感してたのに、アリアから聞こえてきた言葉に思わず僕はツッコミを入れてしまった。
そして、アリアの活躍のお陰で洞窟の周りの景色が変わった。
そりゃもう、焼け野原と言っても過言では無いくらいある意味綺麗になったのだった。
「……………ははっ」
「ふぅー……。 あー! すっきりした! リューリ、人間達は怪我させないようするのに大変だったけど全部、片付いたさね。 凄いだろう?」
「アハハっ…… ウン……。 スゴイネ……。 でもね、ここまでする必要あったのかなー?」
もう一度いうけど、辺り一帯は焼け野原。 僕たち冒険者や兵士、静かになった洞窟。 大変、見晴らしが良くなったなぁー。 空が青いなぁー。
僕は、頬が引き攣り乾いた笑いしか出ない。 カタコトになってしまうほど、変わり果てたダンジョン周辺を見てはそうなってしまうのを理解して欲しい。 現実逃避さえしたいくらいなんだ。
「なんだい? 魔物暴走を終わらせるには、魔物が出て来なくなるまでの持久戦さ。 それを、リューリがコア持ちを早くに討伐したお陰で楽に片付いたんだよ? 早くに終わる事に越した事は無いはずさね」
「それは、分かっているけどね? や、り、す、ぎ!! なんで、焼け野原にしちゃうのさ! 環境破壊!」
「はぁ?! あのねぇ、これは不可抗力! どんなに気をつけていても、魔法を行使する以上、どうしても被害は出ちまうもんさ! 人間達が巻き込まれ無かっただけでも、褒めて欲しいもんさね!」
「だからと言ってこれはっ……」
「あー………。 話している所悪いが、いいか?」
言い合いに発展しそうな僕たちの会話に、兵士さん達のリーダーさんを側に従えて、冒険者のリーダーが苦笑いしながら割って入ってきた。
「なんだい? アンタも私に文句でもあるのかい?」
ちょっとアリア、そんなに睨まない。 不機嫌そうに尻尾を地面にビタビタしないの。
「文句なんてある訳無いでしょう。 フェアリアルキャット様とリューリのお陰で、被害が最小限になったんです。 皆、礼が言いたいそうなんで、呼びに来ただけですよ」
「我々、兵士一同も同じ気持ちです」
怒られると思っていた僕は、その言葉にこっそりと、安堵の息を吐いた。
今回のお話から後書きは控えさせて頂きます。
わがままばかりで申し訳ありません。
ですが、引き続き、感想、レビュー、誤字脱字報告、いいねなど受け付けておりますので、気にせずはよ更新しろとばかりに送って下さって構いません!むしろ、エネルギーになります!
ではでは、やっと戦闘が終わりました(笑)




