【53・魔物暴走続々】
アリアのステータス表示を一部変更しました。
大した変化ではありませんが、お知らせさせていただきます。
「『影の帯』! ほぉら、邪魔だよっ!」
「あーっ! 危ないから投げるなぁっ! 『炎の玉』!」
闇魔法の『影の帯』で数体の植物型の魔物を縛り上げボウリングの玉に見立て投げれば、数体の他の魔物にぶつかりトドメでリューリが焼き払う。
最初は私達を援護しようとアイーダが追って来たけど、正直言って邪魔。 流れ弾食らっても知らない。 だから、他の人の所に行ってもらった。
視界の隅から突進してきた岩の塊によって出来た魔物をリューリを乗せたままジャンプして避ければ、リューリが狙いを定めて続け様に『炎の玉』をぶつける。
しかし、岩というより土属性に火属性はない。 なんで、それをチョイスしたのよリューリ。 呆れてしまうのは仕方ない。
「……リューリ。 なんで、土属性に火属性の魔法を使ったんだい?」
「……………あ」
案の定、多少のダメージは与えたものの決定打にはなっていない為、奴は逆上して襲ってきた。
「全く、言わんこっちゃない! 『激流葬』!」
バックステップで振り下ろされた拳を再び避けては、苦戦を強いられている人間達を巻き込まないよう操作し水魔法『激流葬』を放って他の魔物共々一掃。 あんぐりと口を開けてこっちを見る連中など知らん!
「いいかい? 一瞬の判断ミスが致命傷になる世界なんだ。 アンタの適正は水と火。 あれくらい対処出来なくてどうするんだい」
「う"……。 ごめん」
「ここは、ゲームの世界じゃなくリアルなんだ。生き残りたければ、迷ってる暇はないさね」
「……うん。 わかってる 」
「ならいい。 リューリ、コア持ちはまだ奥でふんぞり返ってる。 引きづり出すよ!」
そう言うと私達は再び洞窟へと走り出すが、これが中々進まない。 本来の姿でならもっと威力と広範囲の魔法を使えるが、今は姿を小さくしているし周りには人間だらけ。 間違って殺ってしまっては目も当てられない。
「水魔法『水の刃』!」
リューリが水魔法で私の前に居る魔物を切り刻むと、その間を縫うように私は駆け抜ける。 時折、前足の爪を魔力で強化して引っ掻くと血飛沫と悲鳴を上げながら絶命する魔物を踏みつけひたすら洞窟へと進むと、感じた強い魔素の流れ。
「っ! あ、アリアっ!」
私の背から振り落とされないようしっかり私の密かな自慢である長毛を握りながら魔法を行使してたリューリも、どうやら今までの魔物とは違う気配を感じたようだ。
そちらを見て思わずニヤけるのは仕方ない。 フェアリアルキャットの本能が奴を狩れと言っている。
「どうやら、見つかったねぇ。 かくれんぼは終いかい?」
明らかに周りの魔物とは違う強者の威圧。 リューリは飲まれそうになりながらも強気な笑みを浮かべるが、今のままでは戦闘にならない。
私は自身の魔力を解放して、背から降りたリューリを庇うように少し前に出て奴を見上げた。
「アリアっ、恐いけどそれと同じくらいワクワクしてるんだ。 勝てるかな?」
「ふんっ……。 一緒にいる私をなんだと思ってるんだい? 勝てるか? じゃない。 勝つんだよ」
洞窟から出てきたコア持ちの魔物。 マンティコア。 サイズは私より一回り大きく本来の私のサイズに近いけど、私というよりフェアリアルキャットより弱い。 マジでこのお猫様強過ぎる。
ただ、今回はリューリの為、私はサポートに回るつもり。 事前にリューリにはそう伝えていて、危なくなったら私が殺る事になってる。
「来るよっ!」
「っ!『氷の槍』!! アリア! 君に決めた! 背後に回ってマンティコアの動きを止めて!!」
「私はポケットなモンスターかい!」
なにあの掛け声! 私達しかネタは分からなくてもなんかヤだ!
マンティコアは私ではなく先にリューリを始末しようと魔法を放つ。 リューリは私と反対に身体強化して避ける。 避け損ねても私が結界を張ってあるから大丈夫だけどね?
「アンタの相手は私だよ! 『影の帯』!」
リューリに噛み付こうとした奴の後ろに回れば地面に縫い付けようと闇魔法を使う。
危険を察知して避けるが、その先にはリューリが詠唱を終えて待ち構えている。
「全てを凍てつかせ永遠の眠りを!『氷雪世界』!」
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
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少ないですが、番外編も合わせてどうぞ!




