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今世ではまさかの猫です。〜猫の手も借りたいようなので貸してみた〜  作者: 夢幻望
第一章《人外転生と転生者の出会いと冒険編》
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【49・対談】

「………静かになさい。これ以上、騒ぎ立てる事は我が国の品位を下げる行為です。国王の御前でそのような情けない姿を晒すのはお止めなさい」



 今まで事の流れを静かに見ていた王妃様が初めて口を開いた。静かで落ち着いた雰囲気のまま伏し目がちに紡がれる言葉は、決して大きな声ではないが、確かにこの場に響いた。


 そして、その声が響くと騒いでいた貴族達はバツが悪そうにそれぞれ口を閉じ、辺りは静かになったのだった。



「アリア様、我が夫のわがままを聞いて下さりありがとうございます。私達は決して貴女様と敵対したい訳でもましてや、軍事利用等とは考えておりません。その事だけでもご理解いただけますか?」



 私を静かに見つめながらも申し訳なさそうな王妃様の言葉に私は抑揚に頷いた。


 儚げ美女! バンザイ! 美女のお願いならもちろん聞くさ! 眼福だよねぇ。


 なんて、内心では小躍りしそうな程喜びつつも、話をする為顔を上げ王妃様と国王様を交互に見た。



「賢明な判断だよ。私も別に好き好んで争いたくはないからねぇ」


「ありがとうございます」



 そう話をすると、自分の言いたい事は終わったとばかりに王妃様は椅子に座りなおしながら、国王様をチラリと見ると、国王は一つ頷き再び口を開いた。


「一番気になるのは、何故、そこのライヘン家の息子のリューリと従魔契約をどうやってしたのだ? 本来従魔契約といえば……」


「魔物使いであるテイマーが魔獣を屈服させて、自分が上だと理解させてから契約魔術を使い行う。だろう?」


「そうだ。そこまで、知っているならどうやってしたのだ」


「ふん。 そう簡単に教える訳ないじゃないか。強いて言うならこの子の行く末が気になったし、この子が作る料理も美味いからねぇ。今じゃ、生肉なんて食べる気がしないよ。 私みたいな長命な種族にとっては人間の一生なんて短いもんさ。その短い間だけでも、より美味い物でも食べたいからねぇ。 ようは私の気まぐれさ」


『……八割ぐらい食べ物の欲に釣られて契約したって言ってる気がする』


 念話でリューリが突っ込んで来たが、無視だ無視。


「私から契約する場合、私の意思が優先される。あとは契約相手の魔力次第さね」


「なに? つまり、彼はアリア殿と契約出来るだけの魔力を持っているということか?」


「さぁ?どうだろうねぇ。 私は魔素を操作するのも出来るから分からないよ? それ以上は野暮ってもんだよ?」


「………。 それは、アリア殿がしようと思えば、誰にでも出来るのか?」


「さぁ?出来るかもしれないし出来ないかも知れない」



 のらりくらりとしながら濁して私は言ったが、国王様はリューリをチラリと見てため息をした。


あ、今鑑定をリューリにしたな? でも、それが、私の妨害魔法で邪魔されて見えなかったと。 ごめんねー!


「次に聞きたいのは、これから先どうして行くつもりだ?」


「そうさねぇ。この子を連れて東の国へも行ってみたいし、やる事もあるからねぇ。私らに干渉しなければ、こちらからも何もしないさね」


「もし、万が一国が何らかの危機に瀕した時、どう動く?」


「ふむ……。人間はよく分からない種族だねぇ。ま、リューリ達に危害が及ぶならその火の粉は払うさね。その他はリューリ次第さ。私はリューリの従魔。主人が望むなら仕方ないが、手助けでもするよ」


「そうか……。…… リューリよ、アリア殿と契約している以上、お主を餌に良からぬことを企む者が今後出てくるかもしれん。くれぐれも用心し、それらを己の手で跳ね除ける事が出来るよう強くなりなさい。我らはその助力が必要なら幾らでも手を貸そう」



 思案するように目を閉じる国王様。少しして目を開ければ、リューリを見て注意となんとまぁ、強くなる為に手助けするよとの事。有難い話だ。



「は、はい!不肖、リューリ・ライヘン。国王様のお心遣い感謝いたします!」


「うむ……。アリア殿。お主が言う通りにすると国を跨ぐ事になるだろう。その際、煩わしい事にならないよう周辺国に通達と手紙を渡す。それで良いか?」


「おや、それなら楽だねぇ。こんな所に何度も呼び出されるのは面倒だったからちょうどいい。話がわかるじゃないか」


「なに、私も若い頃はそれが一番煩わしかっゲフンゲフンっ!」



 そう話が纏まり一段落つくと、国王様は緊張が解けたのか本音をポロリしそうになったが、王妃様からの鋭い視線によって、誤魔化し切れない誤魔化しをしたのだった。



「この後はどうする?晩餐会というよりより内々の食事会を開こうと思うが、どうだ?」



 国王様は私、リューリ、リカルドを順々に見てきた。


「2人の好きにしなさいな」


「………。謹んでお受けいたします」



 まぁ、国王様から直々に食事に誘われたんだ断れるわけないか。代表して、今まで事の成り行きを私達に任せていたリカルドが応えたのだった。 



読んで下さった方々、ありがとうございます!


稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)


★評価、いいね、感想など良かったらお願いします!


少ないですが、番外編も合わせてどうぞ!

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