【39・オムカエ】
アルペルシャを王都に持つマイナリー王国。その城門を潜り抜けると、今までの街などとは明らかに人種も建物も様々な物が違っていた。
「おぉ………。すっごい人がいっぱい……。ぁっ! アリアっ、エルフだ! あっちにはドワーフ! 獣人もいる! 」
辺りをキョロキョロとして、目につく色々な物が珍しいのか、リューリは忙しなく私に教えてきた。いや、あの、リューリ君?恥ずかしいからねっ!?
「ちょいと、リューリ。落ち着きなって」
「クスクスっ……。リューリはアルペルシャに来るのは初めて?」
ほらぁ……。ファイに笑われた。私がリューリに注意しようとするが間に合わず、笑われた事でやっと自分の行動に気付くと恥ずかしそうに赤くなった。
「ぇ…えと、初めてだよ。今まで此処に来る予定とか無かったから……」
「そうなんだ! じゃぁ、改めて。……リューリ、アリア! ようこそ! アルペルシャへ!」
キラキラ王子というのが、ピッタリな程の笑顔で私達を迎えるように手を差し出すファイ。
私達はチラリと互いに目を合わせると頷いて、恥ずかしながらも、リューリは笑顔でその手を取った。
「じゃぁ、早速街の案内を………」
「殿下。申し訳ありませんが、お迎えが来てますよ」
ファイとリューリの二人の様子に内心では尊いっ……! もっと近付いて見つめ合って! と、悶えていた私は悪くないと思う。だって、イケショタとキラキラ王子だよ?腐女子の血が騒ぐじゃん。
すると、街中の奥から初老の男性を筆頭に、数人の兵士が私達の元にやって来た。
リカルドは彼らが何処の誰だか分かっているようで、肩を竦めて私達の隣に下がると、頭を深々と下げた。それに習って、リューリも頭を下げたのだった。
私? もちろん、そのままジッと彼らを見てたよ!
だって、フェアリアルキャットの私が、主でも無い人間に頭を下げるなんて、プライドが許さない。
「はぁー……。もう、来たの?速いなぁ……」
否定するつもりもなく、苦笑いをしてファイは迎えの彼らをみたからね。
そして、初老の男性は私をチラリと見てすぐにその視線をリカルドに移すと頭を下げた。
あの視線、私を警戒する色が見えたけど、それは仕方ないよね。だって、私も普通は警戒する。てか、まず周りが危険視する物にそうそう近付かない。まぁ、騒がないだけ凄いけど。
「此度はライヘン騎士爵殿には、ご迷惑をおかけ致しました。礼を言いますよ」
「いえ!宰相様。わざわざここまでお出にならなくても我々が城まで護衛しつつお連れ致しましたのに、申し訳ありません」
「いえいえ。王太子殿下のこのような振る舞いは今に始まった事ではありませんし、昔の国王を見ているようで中々、楽しいものですよ。しかし、今回ばかりは肝を冷やしました。なんせ、フェアリアルキャットがこの王都に来るのですから。………王子、せめて城下だけにしてください。城門まで出られてしまったら、このじぃには少々骨が折れますから」
「いやー……。ごめんね?せっかくなら近くで見てみたくて」
まさかの宰相さんで内心驚いていたが、物腰柔らかく長い事、国に仕えていたせいかファイの脱走は今に始まった事では無く、慣れた物と扱いが何となく軽い。
てか、脱走は国王様もしてたんかい。
「さあ、王子、帰りますぞ。ライヘン殿は着いたばかり。改めて、後日にでも登城をしてもらいますから、今日はこの辺りでいいでしょう。ライヘン殿、もう少し着くのが掛かると思ってましたが、お早いお着きで我々も準備が何かと整っておりませんので、よろしいですかな?」
「は、はい!こちらはいつでも大丈夫です!」
「ははっ!そのように硬くならなくてもいいんですよ。昔のように気軽にして構いません。今回のも国王の無茶な願いゆえ、申し訳ありません」
「いや、あの、さ、宰相様。し、謝罪などっ……」
「しかし……」
これ、謝り合戦になりそうな予感する。しかも、なぁんか、リカルドとは昔から知った仲っぽい。
それを察したのか、ファイが二人の間に入ってお互い謝り出した二人を仲裁した。
「まぁまぁ。じぃ、帰ろうか」
そうファイがいえば、頷いて宰相さんは近衛兵っぽい人とファイを連れて帰っていった。
「………父さん、もしかして、宰相様と知り合い?」
今まで静かに大人同士のやり取りを見ていたリューリが、私が気になっていた事を代弁して、リカルドに問いかけてくれた。
私達の視線を受けて、リカルドは気まずそうに視線を泳がせてどうするかとから笑いをした。
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
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