【37・ファイの正体】
「ふん……。私をその辺の低脳な魔物と一緒にするんじゃないよ。それで?アンタ、冒険者みたいだけど、格好だけだ。匂いが違う。……何者だい?」
『リューリ。たぶんだけど、私の前世の勘が此奴は貴族かまたは王族関係と言ってる。面倒だが、気をつけるんだよ』
『ぇえっ?!ど、どうしよっ』
『はぁ……。落ち着きなって、恐らく、ファイはお忍びで来たみたいだね。まったく、本当に王族関係者なら危険な事だよ。とりあえず、適当な話を続けてリカルドが来るのを待つしかないよ』
『う、うんっ』
「何者って……冒険者って言っても信じてもらえないだろうけど、今はそうしてもらえないかい?」
念話で会話を終えて、ファイを見れば私の質問に困ったように苦笑いをしてそう言った。
「なんか、訳ありっぽいけど、分かった。でも、どうして僕達が此処に居るって分かったの?」
「ぁあ、それなら僕のスキルだよ。詳しい事は教えられないけど、そのおかげでおうきゅ……じゃなかった。家から君達が来るのが分かったから、こうして会いに来たんだ」
『『今、王宮って言おうとした/ねぇ』』
私達は計らずとも念話で一致した。
素直なんだか、詰めが甘いのかわかんないなぁ。まぁ、これでファイが王族関係者と分かったからいいか。
本当なら鑑定すれば、どこの誰とか一発だけどそれじゃつまらないし、相手の個人情報を勝手にみるようで、申し訳ないからと、リューリと二人で依頼で捜し物する以外は極力見ないと前に決めたのだ。
「君達を危険視する者は大勢いるし、従魔契約だって信じて無い者がいるのも事実だからね。だから、僕は自分の目で君達をみてみようと思って来たんだけど、従魔契約してるなんて本当だったんだね。君に危険がないようにフェアリアルキャットは常に警戒してるし、離れたリカルドさんに異変がないよう結界も張ってるみたいだし」
………ありゃ、バレてら。
バッとこっちを振り向き本当に?と見てくるリューリに私は照れ隠しに顔を逸らした。
「アリア……」
「う、煩いっ!アンタらは私より弱いんだから当たり前だろ!」
やだ、こっちをみて嬉しそうに笑みを浮かべるな!ファイはニコニコと微笑ましそうにするな!
「クスクスっ………。危険どころか主人思いのいい従魔じゃないか」
「………だといいけど」
そんな話をしていると私の耳と鼻はリカルドが走って此方に戻ってくるのを捉えた。……何かあったのだろうか?結界にブレは無いから怪我等もしてないはずだ。そう考えながらもリカルドが来る方向へと顔を向けると、間もなく姿が見えた。
「ふ、二人とも大変だっ!お、王太子殿下が姿を消したっ!」
「えっ?!と、父さん、落ち着いてっ?!」
「落ち着いてるっ!とりあえず、街には入れるから探すぞっ!容姿は金髪の長髪でリューリ、お前より少し歳上だっ!」
………金髪ロング、リューリより歳上………
私とリューリはリカルドの話に思わず、ファイを振り返った。
ファイ君?そろー…と顔を逸らして、今更、髪を帽子に隠そうとしても無駄よ?
「………と、父さん、奥見て?」
「はぁ?何を言ってるんだ?!今すぐさが……しに……って、はあぁぁぁ?!」
「……………ど、どうも?」
「お、お、王太子殿下ぁぁぁ?!」
リューリは身体をずらしリカルドにファイが見えるようにするとあら不思議、リカルドの滅多に見られない驚きっぷりに渦中のファイは苦笑い、私は耳を両足で塞ぎ、リューリも耳を塞ぐという中々のカオスが出来上がった。
「な、何故こんな所に貴方がいるんですかっ?!ファフニール・デラン・シャリアル王太子殿下!!」
あらー……関係者どころか、王太子殿下かい。そりゃ、騒ぎになるわ。ってか、本名長いね。
『アリアの言う通り凄い人だったね』
『当たって欲しくなかったけどねぇ』
未だに慌てているリカルドを他所に、私達は目を合わせて耳を塞いだまま念話で会話したのだった。
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
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