【14・ホウコク】
ギルドの依頼受付窓口に行くと、先程のおばちゃんが笑顔で手を振り迎えてくれた。………綺麗なお姉ちゃんじゃないのが、残念だ。
「2つも依頼を持って行ったけど、大丈夫だったかしら?」
「はい!無事にどっちも終わったので、報告に来ました。ただ、ゴブリン討伐の方が内容が変わっていたので、一応、追加で報告します」
「内容が?一体どうしたの?」
「それが、単体ではなく、集落にまでなってました」
「なんだって?!それで、怪我はない?まぁ、集落にまでなってたのなら、単体より危険度は増すから無理に討伐しないで、その情報だけでも十分だよ。今、ギルマに……「お、落ち着いてくださいっ!」
リューリが食い気味に捲し立てるように話すおばちゃんを止めて、落ち着かせているが周りがなんだ、なんだと集まって来てしまった。
「ゴブリン共の集落がどうとか聞こえたが、どうした?」
「おいおい、それならランクは上がるぜ?」
「大丈夫かぁ?」
集まってきた人に段々と収拾がつかなくなってきた所に奥からギルマスが出てきた。
「野郎共、うるせぇ!!」
鶴の声ならぬギルマスの声に慌ただしく動き話していた者達は、ピタリと止まりギルマスを見つめた。
「ったく……、冒険者ともあろう者がそれくらいで騒ぐんじゃねぇ。みっともねぇだろうが。おい、そのゴブリン集落ってのは本当か?」
皆の視線がリューリに集まり、オドオドとするが、深呼吸をしては真っ直ぐギルマスを見つめ返し頷いた。
「はい。でも、大丈夫です。僕らで討伐完了しました!」
「私もお手伝いしました!」
子供達2人はハツラツとそう宣言して、リューリは討伐の証の右耳が入った中袋3つをマジックボックスから取り出した。
「「ぉお!」」
「ほぅ……。おい!買取り!さっさとコレの数数えろ!……お前らは奥に来い。詳しく話を聞きてぇ」
まぁ、そうなるだろうねぇ。ギルマスの指示に慌ただしく組合員は動きだしたのを見ながら、着いて行こうとしたが、リューリの視線に気付くとため息をして小さくなった。
「………まったく、フェアリアルキャットが居る時点で、そんなもん簡単だろうが。すまねぇな、座ってくれや」
呆れたようにため息をしながらギルマスの部屋にくれば、それぞれお礼を言って座り、私は2人の間に座った。
「ゴブリンの集落について、どんなのが居た?」
「ソルジャーが2匹。メイジが1匹。リーダーが1匹。が居たねぇ。後は雑魚さ」
ギルマスの問いかけに私が狩った獲物を教えて、あくびを一つ。
「そこまで、揃ってたか……。調査段階では無かったから、そのあと出来たんだな。助かった。報酬には色を付けるぜ」
それを聞いたリューリは小さくガッツポーズをして、ヘレンちゃんは満面の笑みを浮かべてそれぞれ喜んだのだった。
「そんで、今から渡すのが、フェアリアルキャットに頼みたい依頼だ。内容は『ブラックサーペント討伐』」
「ブラックサーペントっ?!」
読んで下さった方々、ありがとうございます!
稚拙な文章で読みにくかったり、誤字脱字があったりすると思いますが、温かーく、優しーく見守ってくださいませ(笑)
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