エピローグ
誠:(この京月さん宇田川家の沙織といい勝負してんな)
誠:「あっ…終わり…ましたか?」
真也:「終わったっす」
真也:「じゃあ、トリスタン依頼完了ということで」
真也は立ち去っていく。
誠:「ありがとうございました!」(…おっかなかったなぁと思いつつ石段を降りていく。その後、日美香の元に向かう)
日美香はまだ眠っている。
うなされているのか、汗をかいている
誠:あ、ちなみにうさぎのハンカチ、日美香まだ持ってますかね
KP:持っています。何度も洗っているので色褪せていますが、カバンの中にあります
誠:そのハンカチで汗を拭いてあげます
誠:「うなされてるみたいだな…大丈夫…大丈夫…」
気絶していた日美香が目を覚ます。
まるで長い夢から覚めたようにボーっとしており、やがて焦点があうと宇田川に目を向ける。
KP:「宇田川くん、匣主さまは……」
誠:(無言で首を横に振る)
日美香:「そっか」
日美香:「匣主様いなくなったんだ」
日美香:私、またすべてなくなっちゃった」
誠:「…全てなくなってなんていない。君はまだ僕がいるじゃないか。困った時や辛い時ぐらい寄り添ってあげることくらいはできる。あの時とは違うんだ…。お願いだからそんなに悲観的にしないでくれ…」(そう言って抱き締める)
日美香:「え。私、本当に何もないよ」
日美香:「匣主の巫女だから生きていけただけなのに」
誠:「何も無い?だったら…」(少し恥ずかしそうに躊躇う素振り)「僕と一緒に暮らしてそこからまた作り出していけばいい。君一人くらい養うくらいのお金はあって余りある。僕も一人自宅で過ごすのは退屈だったし…」
日美香:「は、はい」
日美香は、花が咲くかのような笑みを浮かべる。
日美香が気を失っている間に、匣主を処分することができた。
こうして世界の脅威は去り、世界は救われた。
すべてを失った彼女だが、あなたがいれば、きっと彼女は救われるだろう。
***ハッピーエンド***