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第五話:自暴自棄

そのライブを皮切りにその曲だけライブで歌う日々が続いた。

お金はいっぱい貰ったが、何かを失った、そんな感じだった。

自分の求めているものはそんなんじゃない、そう思えてきた。

だから一ヶ月でライブは一切出なくなった。


それからだ。俺が笑わなくなったのは。

彼女がライブをしなくなった俺を見て「前はこんなんじゃなかったのに…。」と言った。

それはギスギスした関係になってからの一言だ。

俺はハッとした。

そして思った。…もっと新しいラブソングを作らないとこの恋は終わってしまう…と。


そんな最中、学校は留年が決定した。

彼女の一言で自暴自棄になり、学校を数日休んだからだ。

私はそれでもいいと思ってた。


それからは学校にも行かずにラブソングを作るだけの時間が多くなった。

大学は来年から頑張ればいい、そう思ってた。

新しいラブソングを作ってはバンドで歌い、それの繰り返しの日々が続いた。

彼女は2~3曲目の時は喜んでくれたが、10曲目ぐらい作ったあたりから彼女は私の曲を聴いても笑わなくなった。


私は曲を作る事自体が嫌になった。

何をすればいいのかすら解らなくなった。


しばらくして小杉が遊びに来た。

俺はいつものテンションを装い「多杉だよ。お前。」とギャグった。

そして久しぶりに2人で喋った。

「何、最近学校休んでんの?」と小杉。

「ああ、留年決定したからな。今は目標が無いんだ。」と俺。

「そうだと思ったよ。お前、あの曲の前も授業休みまくってたからな。」

「まあね。自業自得だろうな。」

そうして学校での話や小杉の濃い話で少し盛り上がった。

そして小杉は帰り際、玄関で「引っ越でもしてみたら?」といきなり言った。

「引越し?なんで?」

「お前、こんな狭い部屋の中で一人きりなんて今後心がもたないぞ。」

私はしばらく考えた。

そして「…そう…だな。」と言った。

「飯もろくに食べてないんだろ?下宿にすれよ。食事付きの。」

「そういえば1日1食の時もあったな…。」

最後に「少し気分転換しろよ。」とアドバイスを貰った。

そうして小杉が帰っていった。


それから数日間、悶々と色んな事を考えた。

そして下宿に引っ越すと親に伝えた。

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