第十五話:最終話(エンディング)
次の日から練習を開始した。
最初はどんな風にリードギターを入れるかとか構成をだ。
全体がまとまったのは一週間ぐらい経ってからだ。
そんなある日だ。進が「次のライブが決まった。」と俺に言った。
「どこ?」俺は聞いた。
「テレビ。生で。」と進。
「え?え?!」といきなり言われた事に久しぶりにキョどる。
そんな俺を見てみんな笑っていた。
俺以外みんなは知っていたらしい。
ライブは言われた日から一週間後だった。
テレビ側は『ボーカル以外の音は音源流すよ』との事だった。
俺はそれは絶対嫌だと言った。
もしそうなるのであればTVに出ないとまでの覚悟をしていた。
そしてTV側が折れた。
生放送当日、「緊張するー!」俺は叫んだ。
まだ幕は閉まっている。
みんなその声で少しなごんだみたいだった。
枠はとある番組の合間に放送されるみたいだった。
そして幕は開いた。
もちろんやる曲は『Spring Wind』だ。
俺メインボーカルで千夏が上でハモリ。
初のハモリ曲の挑戦だ。
5人でその曲を誰かの前でライブするのは初めてだった。
結果は多少ミスがあった。
だが、ようやくバンドとして完成できたと実感した。
割れんばかりの拍手喝さいだった。
ライブ…といっても1曲だけだが…終わり、インタビューされた。
私は代表して「音楽と出会いに感謝してます。」と締めくくった。
そうして夢のような時間が過ぎていった。
春、それは初まりの季節。
新しい命が芽吹きだす季節。
つながりの夏を過ごし、変化の秋を乗り越え、終わりの冬を辛抱し、そして始まりの春、私たちは結婚した。
あのテレビのライブから1年経った春。
長く、そして充実した一年だった。
生放送のテレビのライブから一躍有名になり、良くテレビに出る様になった。
ライブも数をこなし楽しい日々がそこにはあった。
結婚は早くしたかったが、下宿のおやっさんのアドバイスで『少し時間を置いた方がいい』と言われたからだ。
下宿のおやっさんとはもう下宿はしてないが今でもとても良い相談相手になっている。
そうして次の年の春、結婚したのだった。
バンドはみんな今でも仲良く、今ではみんなで歌詞を出し合い曲を作っている。
その活動は突発的で、曲を作りたくない時はまったく曲を作らないといった感じだ。
たまに集まるまでにメロディーや歌詞をそれぞれ溜めて、集まったときに作りあうといった具合だ。
集まれば飲んで歌って騒ぐ、とてもいい仲間だ。
『出会いが僕達を強くする』そんな事を考えながらこれからも生きていくのだった。
今回の作品は初めての恋愛中心の作品でとても難産でした。
完結するまですごく苦しんだんですが、その分みんなが楽しんでいただける物になっているとおいらは思ってます。
今年の小説の執筆活動はこれで終了にします。
長い間読んでくださった方々、そして新たに読まれた方々、ありがとうございました。
今後の活躍に期待していてください。
それでは。
P.S.(プレ〇ステーション略)
Spring Windは実際自分で作った曲の一つです。
おいらの代表曲です。