第十二話:新しいバンドでの初のライブ
そして数回集まって練習したのちのライブの日である。
『行くぞ!』『オー!』
ライブが始まった。
ライブは大成功だった。
音楽的ジャンルはポップロック中心だったが、歌詞が物語っぽく今までにない感じだ。
なのでその新しい感じにライブ会場は沸いた。
そしてアンコールを2回やってライブは終わった。
その控え室。
「すっげー楽しかったよー!」とめずらしく興奮気味の小杉。
「私、感激!」と千夏。
3人でライブの話で盛り上がっていた。
その時である。
『コンコン』とノックの音がした。
「ん?誰だろ。」と言いながら開ける俺。
「ライブお疲れ様。」と俺の知らない人がいた。
「あー!高山先生!来てくれたんだ。」と千夏。
どうやら千夏の知り合いらしい。
「いやー、すごく良かったよ。特に歌詞が今までにない新しさだね。」と高山先生という人。
「ありがとうございます。で、例の件、考えてくれましたか?」
「ああ。いいよ。このバンドに入らせてもらうわ。」
俺はいまいち状況が飲み込めないでいた。
そんな俺を見て千夏が説明した。
「高山先生は私のピアノの先生よ。音楽のセンスが凄くてバンドに入ってもらおうと思って誘ってたの。そしたら『ライブ聴いて決めるわ』って。」
「キーボード2人もいらんぞ。」少しけげん気味の俺。
「ああ、高山先生の一番得意な楽器はベースだから。」
「なに!?ベース?」
「それにアレンジもすごく上手だよ。全体の構成とかわからない時、頼りになるよ。」
「千夏がそこまで言うなら良いよ。」
「ホント?嬉しい!」と千夏。
「これからよろしくお願いしますね。」と私は高山先生に言う。
「こちらこそよろしく。私の事、タメだと思って接してちょうだいね。」と先生。
「そんな!いえいえ、先輩ですから。」と俺。
という事で、新メンバーが増えたのだった。