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第十話:千夏の決意

家に着くと、両親は仕事、おじいちゃんやおばあちゃんは地域の集まりに出かけ、いなかった。

仕事はそば屋なので大晦日はいつも仕事をする事になっている。

しかし今年は千夏が来るという事で開店以来初めての大晦日は休みだ。

その分正月も返上して働いている。

家の中には私達2人しかいない。

私は家族がいないので最近作った曲を千夏に弾き語りで聴かせた。

千夏は目を閉じ、じっと聞いていた。

そして一曲弾き終えた。

その一曲を聴いて千夏はしばらく考えていた。

そして言った。

「…いい。凄く良いよ!」と千夏。

「ほんと?」

「うん。言いたい事が伝わる歌詞だしメロディーも凄く歌詞に調和している。」

「マジか!」

「ラブソングでないのも斬新だし、なんていうか景色の色が伝わってくるような感じだよ。」

「ありがとう!」

俺はそれだけで十分だった。彼女が喜んでくれるだけで。

そしてこう千夏は言った。

「新しくバンドを組もうとしているんだって?小杉君から聞いたわよ。」

「ああ。大学も本気でやろうと思っている。」

「キーボード担当は決まった?」

「いやまだ。バンドメンバーも俺と小杉しか決まってないし。」

「じゃあ私をキーボードに入れてよ。」

「え!?でも千夏はクラシックピアノどうするの?」

「やめる。さっきの一曲で決めたわ。あなたにどこまでもついてくわ!」

「それは嬉しいけど…。…よし!俺に付いて来い!」

そうして千夏がキーボードに決定した。


次の日、ひさしぶりに落ち着いた日だ。

千夏は1日でも早くバンド活動したいと言ったが、もう少し実家でのんびりしたかった。

早る千夏は今日の朝、バスで戻っていった。

早く帰る理由は、新曲のキーボードパートを考えたいとの事だった。

私の親は『もう少しのんびりしていけばいっしょ』と言ったがいてもたってもいられないらしかった。

千夏らしいなと思った。

私は千夏に『3日後にそっちに行く』と言ってあった。

その日は実家の犬の散歩やら陽だまりでのんびりしたりした。

何気ない一日、それが本当に大切だなと思った一日だった。


次の日、一つの詞を作った。

メロディーは当ててない。

くさいラブソングの詞だった。

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