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第一話:不意の出会い

風…。風が吹いている。

草のにおい。土のにおい。日のにおい。

いろんなものを運んでくれる。

『キーンコーンカーンコーン。』

「うん?」

『ガバ!』

「そうだ、授業だった!」

ようやく目が覚めたとき、それは授業の始まるチャイムの音でだった。


私は音大に通っている3年生だ。

大学なので授業は単位が取れれば別に休んでもよかった。

しかし私は学校に通うのがめんどくさくてあと一日も休めない。

もし休んだら留年である。


私は音楽なんて高校まで興味が無かった。

高校に入り、友達の強い勧めで軽音楽部に入った。

なんとなく好きな曲を練習し、好きな曲を演奏した。


高校の3年間は他の人が好きな曲を、…今売れている流行の曲をエレキギターで弾いていた。

なんとなく自分の意思で歌ってない感じだった。

そんなこんなで大学に入った。

高校3年生での時点では特に目的が見つからなかったので、音大に行こうと思った。

ギターの腕はそんなに上手くなかった。

そしてなんとなく音大に入った。


音大では高校と違って何もかも変わればと思っていた。

しかし生き方なんてそんなにコロコロ変わるもんじゃない。

結局、音大の3年生になっても大して変化がなかった。


音大の勉強は好きだった。

自分が楽しいと思える曲を作るための過程だからだ。

でもそれも2年もすれば飽きてくる。

3年生で単位がギリギリというのもそのせいでだ。


そんなある日の事である。

自分の好きな曲を鼻歌で歌いながら教室の外を歩いていた時の事だ。

「フンフンフーン♪」

と、不意に

「あ、その曲、レシピエンドの『音のかけらを集めて。』よね♪私も好き!」

と、急に見ず知らずの異性に声をかけられた。

「そうだけど。」

と、私はぶっきらぼうに言った。というか鼻歌を聴かれて正直恥ずかしかったからだ。

「あ、ごめん!急に話しかけて。」とその子。

「いや、いいよ。」と私。

それがその人との初めての出会いだった。

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