他人の能力を奪う能力を持つ主人公達に物申す!!
他人の能力を奪う主人公が活躍する作品が、近ごろは支持を得ているらしい。
他人の能力を奪ったとしても、オリジナルの使い手と同等以上に使いこなせるようになるには膨大な鍛錬と時間が必要だろうし、百も千も能力を奪ったとしたら個々の精度は当然劣ることになるわけで、宝の持ち腐れということにはならないだろうか。
どうせなら数を絞った上で鍛錬を重ねて、能力を開花させるようにした方が戦闘では効果的だと思う。
あと、この手の主人公は無意識の間に慢心を抱きやすい。
どれほどの苦境になったとしても、「相手の能力を奪えばいいんだから」と能力に依存し、相手に舐めた態度を取りやすい。
能力を奪われた相手は無能力者になり、当然戦闘力も大幅に低下し、一般人と同じかそれ以下になることもあるだろう。
だが、だからと言って負けないという保証はどこにもない。
能力というアドバンテージを失ったからこそ、予想外の力を発揮し、気力や根性といった精神面で食らいついていくこともあり得る。
他人の能力を奪うだけ奪い、優越感に浸る主人公が何の能力もない一般人に負けたとなれば、その屈辱は想像を絶するだろう。
見ている側にとっては実に痛快に映るはずだ。
さて、このような末路が嫌ならば、主人公達に言っておく。
奪うのではなく、借りるのだ。
無理やり奪っては奪われた側は不快感しか覚えないが、借りるとなれば話は別になる。
相手に敬意を抱き、要件が済んだら能力の持ち主に返すこと。
慢心を抱かず常に心を磨き、人のために尽くす精神を忘れないこと。
これさえできれば上記の末路は回避できるはずだ。
ちなみに私が他人の能力を奪う能力を手に入れたら、迷うことなく強者と戦い続ける修羅の道を選択するだろう。
相手は強ければ強いほどいい。能力である程度は補いつつも、基本は自分の力だけで戦い抜きたい。
まあ、能力がないからこそ他人の能力を奪って楽に勝利し、優越感を抱きたいという氣持ちは非常によくわかる。
私も劣等感の塊のため、そういうことを何度も妄想をしたことがある。
どうしても勝ちたい。そのためなら手段を選ばない。
この戦いに勝利をすれば、あとはどうでもいい。どのような汚名も被る。
そういう気概があるのなら他人の能力を奪っての勝利もよいかもしれない。
しかし、実際はどこまでも他人の借り物から得た勝利はあまりにも空しいものではないだろうか?
他人に堂々と誇ることができるのか?
そのことを常に自分に問いかけながら、能力と向き合ってほしいと私は願っている。
おわり。