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狐火?人魂?懐中電灯?

それはカレコレ数十年ほど昔の、初秋、真っ暗な未明の事でした。


当時の私は童貞と中二病をこじらせ、いわゆるスピリチュアルとか精神世界とかオカルトとか気功とか宗教とか新興宗教とか波動とか健康とか陰謀論とかの書物を書店や図書館を巡っては読みふけり、たまに家の手伝いやバイトをしたり、パチプロの真似事をしたりして過ごしていました。


その朝、朝というよりは未明、午前3時頃、前日早めに就寝して元気を持て余した私はぱっちり目を覚ましてしまいました。普段ならもう少し寝るのですが、ここで二度寝すると気持ちよく日がすっかり昇るまで寝てしまう予感がありました。

自由人だった私はその日、何の予定もなかったので、いつまででも寝る事が出来ましたが、当時の友人であり師匠でもあった人物から習った八極拳の練習でもするかと着替えて家を出ました。


ちょっと田んぼや畑の周りを走った後、騎馬式でもしようかななどと考えながら、ふと、辺りを見まわしました。200メートルほど向こうに実家の隣の家と、その裏山があります。ド田舎なので家と家の間隔が広く、さらに隣の家は約100メートル向こうです。

要するに家は少なく、家の向こうは山、家と家の間も放棄された耕作地でほぼ山です。


そんな、真っ暗な山があるはずの場所に、ゆらゆらと動く灯りがありました。時刻はまだ午前3時半くらい。植林された杉があるか、畑だった荒れ地があるかといった場所です。


???


こんな早い時間に動いている人がいるのだろうか?まさか早朝の散歩?それにしては道も無い場所です。最初は懐中電灯の灯りかなと思って見ていたのですが、点いては消え、また点いては消えという具合に3~4メートルの範囲をゆらゆら動いています。LEDの懐中電灯なんかはない頃です。電球の色、懐中電灯のように見えた灯りはもしかしたら炎だったかもしれません。


ド田舎なのでご近所さんたちの通勤や生活のパターン、新聞配達の時間なんかは把握していました。当時夕方に散歩するおじいさんとおばあさんはいましたが、朝こんな時間に動くのは私くらいのものでした。

ワケがわからず、しばらく見てみる事にしました。

私は何も灯りは持たず、反射材もつけず、黒っぽい服を着て車に轢かれても文句の言えない、闇にとけ込む不審者全開の格好です。なので向こうには見えないはずです。


???


体感で30分くらい経っても灯りは同じようについたり消えたりゆらゆら動いています。消えるのは一瞬で、だいたい点いているのですが、消えた一瞬にけっこう動いてちょっと離れた場所にまた点くという感じです。


しばらく見ても何も分からなかったので少し近づくことにしました。

というか、ちょっと走った後にじっと見ていたら冷えて寒くなってきました。家の方に帰りながら見てみることにしたのです。


少し近づいてわかったのは、灯りは山際の植林され枝打ちされた杉林の中を移動しているということ。点いたり消えたりしているように見えたのは時々木の幹に灯りが隠れるからでした。

しかしそれ以上の事は何もわかりません。少し近づきましたが、音は何も聞こえません。虫の声がするだけです。灯りを持っている誰かがその灯りに照らされるということもありませんでした。

さらに見ていると時々山の奥の方に行ってまた手前に来るという動きもしていました。その時はちょっと灯りが消える時間が長いようです。


人間なら元気すぎだろ、と思いました。少し斜面になっているし、山の中なので足元が悪いはずです。


そうして一時間くらいたったでしょうか。まだ灯りは元気に動いています。私はもう本当に寒くて、手は冷たくなるし鼻水が出るわで家に帰って寝ることにしました。


家に帰るとやっぱり一時間とちょっと経っていました。だいたい4時半過ぎです。寝ました。


起きて、明るくなってから件の場所を見ました。


やっぱり杉林ですが、草も生えているし道もありません。

ますますワケがわからぬまま誰にどう話したらいいかもわからず、ここに記しました。


この話はこれで終わりです。オチもなくてごめんなさい。

それなのにまさかの次話があります。

ネタはもう一つなので次で終わりです。

お読みいただきありがとうございます。

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