96 玄武宿房
クラン設立に時間をとられましたが、『四神宿房』へときました。
最後は北門の玄武ですね。
「最後の試練となる励まれよ」
さてと、今回は黒い門に、鎖鉄球をもった鎧武者ですか…
ブン――
早いですね。ですが、躱せないほどでは、こちらも振るって。
ガチャンッ――
鎖で防がれましたね。しかし、なるほど面白いですね。なら、こういう使い方はどうですかね?
ゴン!――
振り回さずに、直接ぶん殴るのもありですよね。
門も開いたので合格でいいのでしょう。
「フフフフ、柔軟な発想は~素晴らしい~ですね~」
えっと……なんとも艶めかしい方ですね。それに、その凄くその大きい…二つの山脈が……
――龍雄さん?――
何故でしょうか、脳裏に柚恵さんが、凄い笑顔でした。なんでしょう。母さんの怒っているときにの笑顔とダブって見えました。
「わたしは~巳姫と申します~」
よろしくお願いします、巳姫さん。
「さ~て~さっそく、魂の修練から~始めましょう」
魂の修練ですか?
「この~『玄武宿房』には~4つしか修練場はありませ~ん」
4つですか?
「は~い~4つは魂の世界にありますから~」
魂の世界ですか?
「まぁまぁ、『夢殿』に行きましょう~」
わかりました。
…
……
…………
布団がしいてありますね。寝心地はよさそうです。
「では~寝てください~」
それはわかったですが、その……膝枕されないとダメですか?
「は~い~」
柚恵さん。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
「どうか~されましたか~?」
なぜか、柚恵さんに謝らないといけない気が……
「では~始めますよ~」
あれ、意識が……
「はい~起きて~くださ~い」
ここは? 体がフワフワしてますね。
「ここは~幽界。そして、あの建物が~『四魂殿』となっています~4つの宿房を克服してもらいま~す」
克服ですか?
「では~『危宿』から~」
簡素な場所ですが……部屋の奥に、あれは闇が蠢いてますが?
「まずは、恐怖です~」
うわっ……闇に呑まれて……
怖い……怖い……怖い……
これは、恐怖……体が震えて指すらも動かない……
あぁ……本当に怖くて怖くて仕方がありません……
そうですね。力を得ても……怖い……
もし、力をまた、失うと思うと怖い……
大切な人をまた、失うと思うと怖い……
失望されるが怖い…
嫌われるのが怖い…
傷つくのが怖い…
何もできないのが怖い……
この世の全てが怖い…
あぁ……けど、それが生きるということです。この怖さも、わたしの一部です。
克服なんてできるわけありません。
けど、ともに行くことはできるでしょう。恐怖を友にするのも悪くないですよね。
パン――
「まぁまぁまぁ~凄いです~では、次いきますよ~次は『牛宿』で~す」
次は、何を克服すればいいのでしようか? というか、恐怖は克服できたのでしょうか?
「次は憤怒で~す」
牛の置物がありますがって!? 吸い込まれる!?
「牛の中で~憤怒の炎に耐えてください~」
待って、待ってください! それなんていうファラリスの雄牛!?
熱っ!? わたし【寒暑不侵】で耐性があるはずなのに…
「それは、魂が具現化したものなので~普通の炎とは違い~魂が熱を感じてるからで~す」
ふぅ……落ち着きましょう。そもそも怒りというのは、悪ではありません。
怒りとは、それだけの思いがあること、大切にものを守ろうとする意志。ならは、この熱さも体内に取り込みます。
「あ、あら? 炎が消えました~?」
なんとか呑み込めましたね。
「パチパチ。こんな解釈もあるのですね~では~次は~『虚宿』で~す」
恐怖、憤怒ときて次はなんでしょうか?
ドボン――
「次は絶望です」
これは、水!? どんどん沈んで……ぐっ、なるほど、これも普通の水ではありませんね。
冷たく暗く、どこまでも沈んて行く。
水の上に光が見えますね。なら、そこまで泳げば……
困難ですが、絶望なんて何度味わったことでしょうか?
なので、あがきましょう。あがけばきっと、何とかなります。
死にかけたことも、裏切られことも、力を失ったことも絶望に値しますが、それでも、わたしは、諦めたことだけは無かったですね。
ふぅ、ほら這い出ることができましたよ。
「素晴らしいですわ~。では、最後は『女宿』で~す」
精神世界とはいえ、凄い立て続けですね。
「では、こちらに~」
えっと、甘い香りが、なんとも、艶めかしい雰囲気が。
「もしかしたら~一番の難所かもしれませんね~がんばってください」
それはどういった。
『たつおさん❤』
えっ、柚恵さん!? なんでネグリジェ!?
『たつおさん❤』
チャイナドレス!?
『たつおさん❤』
セーラー服!?
これは……もしかして情欲ですか!?
くっ、かわらしい衣装の柚恵さんがたくさん!?
いえ、そんな、ふしだらな思いを抱いては……
あれ? わたしは抱いているのですね。
あぁ…わたし、柚恵さんに、恋していて、愛していて、好きなんですね。
いやー永く忘れていた感情でしたので、はっきりしました。
しかし、師弟でそういう関係というのは?
というか、なぜうまくいく前提で考えているのでしょうか?
わたしおじさんですよ?
うわぁぁ、なんか自覚すると恥ずかしいですね。
どうしましょう?
やはり、告白してから健全なお付き合いを……あっ、その前に柚恵さんて、彼氏さんとかいるんでしょうか? 素敵な方ですからいたとして……もやもやします。
うん、やはりちゃんと告白しましょう。正直、だらだらするのは気持ちが落ち着きません。
ですが、この修練は感謝しないと。
ありがとうございます。おかげで、わたしが柚恵さんを愛おしいと思っていると認識できました。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




