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94 十家円卓

 電子の海に設けられた仮想空間。そこには、十人の影が席についていた。


風祭:どうやら皆さんお揃いのようですね。


蹈鞴(たたら):今日は風祭のボンか


風祭:もう40ですよ。そろそろボンはやめていただきたいのですが……


虹村:蹈鞴のおじい様にいってもムリだと思うわよ? わたくしを小娘なんて呼ぶの蹈鞴のおじい様くらいだし。


風祭:そうですね。では、改めまして『十家総会』を開始しましょう。


安倍:それで、ウチの研究時間を割いてまでの『十家会議』しょうもないことやったら、許さへんで?


風祭:本日の議題は『天満家』からとなっております。


虹村:天満家からとは珍しいやないですのん。


天満:フン、先日、我が甥に危害を加えた者が現れた。これは、我ら十家の顔に泥を塗る行為であり、早急に処理しなければ十家の威信にかかわる由々しき問題である!


風祭:詳しい概要は、手元の資料を確認ください。中立の立場から、事態の調査報告を南雲、北辰、風祭で独自に調査した結果となっております。


西条:なるほどね。これが十家の威信に関係する事案ですか……


天満:そうだ! この竹田龍雄という、底辺が我が甥の要請を断り、あまつさえケガを負わせたのだ! 十家にドロをかけたのだぞ!


北辰:オイオイ、勝手に俺らを巻き込むなよ。ウチでも調査したが、逆恨みだろコレ。くそ下らねぇ。風祭。よくもまぁ、こんなくだらないことで招集をしたな。


南雲:まことに、調査してみれば、年下の女の子との政略結婚。それが破断となったにも関わらず。さらなる醜態。


東雲:何より、我ら十家の顔にドロを塗ったのは天満ではないか。


天満:なにを言われますか! 甥がケガをさせらたのですぞ!


北辰:てめぇ、ふざけてるのか? 黒道の密入国に手を貸すなんて、十家の恥さらしじゃねぇか。その点はどう思ってんだ?


天満:ぐっ…それは、黒道の奴らの実力を知るために、あえて、手を貸しただけだ!! 


西条:そういうことにしておいてあげましょう。


安倍:そうどすな。確かに、実力はわかったのは大きいどすし…


風祭:問題は、この竹田龍雄という人物。

 幼少期に父とは死別。さらに、一度はユニークスキルを獲得するも、ダンジョン攻略中にユニークスキルを失い、三年間昏睡。二年目リハビリの途中に母が死亡。何とか就職し、サポーターとして、地道な活動をしいられていたが、今年の4月に会社を解雇。翌月にてダンジョンインストラクターとしての活動中にオーク襲われるも、撃退。その後、返老還童をえて、探検者に。が、能力としてはC+程度のはずが、推定でA-の実力者になっていますね。半年足らずで


西条:素晴らしい成長速度ですね。


蹈鞴:よう、鍛えちょるな。


虹村:この成長速度は異常ともいえるわね……


風祭:確かにそうですが、それよりも、重要なのは、彼は、武林盟の後ろ盾を得ていません。


――ざわ……――


北辰:戦闘データによると、武功を使用しているよな。


風祭:それは間違いありませんが、武林盟との接触は確認されておりませんし、使用しているものも一般的な武功と異なるという解析がでています。


虹村:希少な存在ね。今後の成長次第では、武林盟の対抗戦力。それにならなくても、牽制になるわ。最近は武林盟が勢力を伸ばしすぎているのも、問題なのよね。


蹈鞴:確かにの、最近は派閥の影響力も問題になっておるの。


西条:分家から一名、既に入門したとの報告がありますね。


南雲:当家の分家からも一名入門していますね。


東雲:あい分かった。一先ずは、対応は保留で構わん。されど、此度の件も踏まえて『日ノ本武林祭』の参加させ、有益であるかを判断する。それでよいな天満家。


天満:しかし!


東雲:今回の件は、儂が預かる。一先ずは様子見が良かろう。良いな。


天満:ぐっ……わかりました。ご老がそう言われるのなら……


風祭:はい。では、次の議題へと移りましょう。最近、出回っている『ビースト』という薬物についてですが……


 誰にも知られていない場所で、龍雄の名は知られ始めているのであった。

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