87 門弟打診
一週間寝込んでしまいました。
ポータルブレイクの被害は最小限に抑えることができて幸いなのですが……
「はい、あーんしてください門主」
目覚めてから、24時間監視体制で柚恵さんが看病されてます…
「あーん」
あの、柚恵さん話した通りわたしは50前なのでそういうのは……
「あーん」
はい……わかりました……あーん
このように看護されています……
看護師以外の方、それも女性に……いえ、看護してもらうのなんて、母さん以外では二人目ですね……
「主殿。ムリは避けられよ」
うっ……そうでした。カンナさんが体調がある程度、回復したら説教といわれていました……
「まず、二属性でも問題なのに三属性も同時に使用するなど言語道断です」
うっ……
「しかも克気である火と金、金と木の合わせなど、下手をしたら丹田が崩壊して、走火入魔に陥り、好くて廃人、最悪、死んでいたぞ」
そ、そうですね…
「しかも、六門全開放まで使用するなど…まぁ、そのおかげで走火入魔に陥らなかったのは幸いではあるが……」
け、結果オーライということで…ここは一つ。ねっ?
「ダメです。そうなのカンナさんが許しても私が許しません」
えっ……柚恵さん。
「無論、我も許す気は毛頭ない」
ひぃぃぃ……わたし門主ですよね。なんで……
「そりゃぁ。せっかく見つかった後継に先立たれちゃ~うちも困ってまうし」
あ、アヤカさん助け……
「それはそうと、あ・る・じ殿。なぁに『武龍の鎧』を破損させてくれんねん! アレは、うちも気に入っとるお宝やったんのにぃぃぃ。あんなズタボロに……いくら自己修復機能があっても、5年は使用不能や!}
う、うそですよね……戦闘能力が2000も上がるなんて装備なかなかないのですが……
「はぁ……鍛冶場でも在れば、治せるんやけどなぁ。チラッ」
鍛冶師見つけないといけませんね……
「ふむ。そういえば主殿に客人だ」
えっ……それなら早く言ってください。だいぶ待たせているのでは…
「1時間ほどしか待たせていない」
じゅ、十分待たせすぎですよ!
「主よ。門主とは威厳に満ちていなければならない。傲慢に見えても、急な来客だからとおいそれと通すわけには、行かぬ」
はぁ……わかりました。とりあえず通してください。このような格好ということも伝えてくださいね。
「承った」
…
……
…………
「久しぶりだね。龍雄さん」
はぃぃぃぃ!? 菜桜さんのお父さん!?
「それにしても、まさか薬師寺准教授とここでお会いするとは思いませんでしたよ」
「ひ、ひぃい」
まさか、お客さんが 菜桜さんのお父さんの後藤 凛堂さんだったとは。
「実は、お願いがありましてね」
お願いですか? 一応、可能な限りなら……
「娘を入門させてください。師父」
うわあぁぁぁ土下座しないでくださいよ! 西条の傍流とはいえ…後藤製薬の副社長ですよね!?
「それはまぁ、副社長を務めていますが……」
そもそも西条家のコネでいいところがあるのでは?
「本来なら日ノ本の武林盟の武林館があるが……最低でも1年に一人しか入門させられない。今年は本家の西条家から決まっていてね」
なるほど……
「武功系のスキルは身に着けるのには、時間がかかる習うなら早い方がいいと思ってね。どうかね?」
借りを返すという意味でわたしのところでいいのですか?
「君のところがいいのだよ。ここは知名度が低い。正直本家もだが他の十大家にも気を使わなくていい。そうだな…もし、よければ真守くんも入門させて欲しい。本人も望んではいるようなのでね」
そういうことでしたら、わかりました。お引き受けしたいと思います。
「それは良かった。一応、真守君の両親とも話し合って手続きを進めさせてもらうよ」
わかりました。
さてと、人が増えるのは賑やかになりますね。
「主殿。よろしかったかの?」
十大家とかかわりのある家ともめるよりはいいですね。
「確か、この国の権力者やろ?」
はい、政財界に君臨する十大財閥ですね。
一席『東雲家』二席『南雲家』三席『西条家』四席『北辰家』五席『安倍家』六席『風祭家』七席『虹村家』八席『蹈鞴家』九席『氷室』十席『天満家』
得意とする分野はありますが、それ以外の分野でも活躍している名家ばかりですね。さらにいえば、霊薬などで能力の底上げをしているので、Aクラスの探検者クランを運営していたり、さらに日ノ本のSランク覚醒者は現在は20人にも満たないが半数は、この十家のどれかに属しています。
なにはともあれ、新たに二人が門下に加わることになりそうですね。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




