83 摂物虚空
『参宿房』では最大の重量が伸し掛かってきます。
「主殿。よくぞ登られた。しかし、ここからが本番アルよ」
本番ですか……
「【白虎真功】の秘訣を学び、そして【金剛不壊】と【摂物虚空】を習得するヨロシ」
では、まずは【摂物虚空】ですね。
認識宇宙
隻手抓雲
降低月亮
吸引排斥
まるで、雲を掴むようなものですね。
「である。主殿そこに立たれヨ」
なんでしょう?
ドンッ――
うわぁぁぁぁ
「主殿、耐えられよ」
ちょっ……獅甲さん!?
【龍硬拳】! て、加速がついてムリです。
のぉぉぉぉぉおお
し、死ぬかと思いました。
「これが【金剛不壊】の訓練アル」
えっと……
「習得されるまで励むヨロシ」
ガンバリマス。
これからが大変でした。超重量の中での日常生活。その中での瞑想をして【摂物虚空】の習得。さらに【金剛不壊】の習得の為に崖を転がり落ちる。
さらに【白虎真功】の悟性を深め擒拿術の習熟も同時に進めました。
そんな地獄のような生活を4ヵ月くらいでしょうか経過したころでしょうか?
――告――
――【意霊門開陽 開門】――
――【金剛不壊】習得――
――【摂物虚空】習得――
――【白虎真功】習得――
【白虎真功】も完成できましたね。【白虎真功】は【摂物虚空】による招式となりました。この【摂物虚空】はサイコキネシス。いわゆる念動力に近いとも言えます。斥力と引力を操る能力です。それを組み合わせたのが次の招式になります。
一式【獅哮】は、相手を瞬間的に吹き飛ばします。
二式【猩握】は【獅哮】とは逆に相手を引き寄せます。
三式【亥進】は【金剛不壊】での突進。
四式【鹿昇】は相手を上方へと投げ飛ばします。
五式【熊解】は相手を左右から押しつぶします。
六式【虎伏】は相手を押しつぶすように圧力をかけます。
そして、七式は【落月地昇】は引力と斥力で物質を加速させ射出する招式を完成させました。
「主殿。見事アル。それじゃもう少し修行するヨロシ」
こうして、わたしの白虎房での修練は終えるのでした。
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