63 張宿軫宿
切れました。
「やるわね。主殿。切れ味も鋭いし……うん、問題なし。次は、この欠片をもって次の房、張宿房に向かってね」
欠片といっても板状になってますね……めちゃくちゃ重いのですが……2tはありますよね。雀呂さん?
重いですが背負って、いきますか、ここからだとどれくらいでしょう。
「ようこそ主殿」
歩くこと1時間半はかかりました。
「ここでは、ひたすらに剣を振って下さい」
振るって、もしかしてこれをですか?
「はい、ただし飛んでくる珠を斬って下さいね」
貪狼流房で、やった訓練と似てますが、こちらは、更に難易度が高いみたいですね。
まず、振るう剣が重いです。
次に飛んでくる珠は野球ボールのサイズですが、それだけではなく珠は二種類。赤い球は非常に重くて斬るのが大変です。逆に青い球は軽くはありますが、変化球で飛んでくるのでタイミンクが難しいです。しかも、弾は、微妙に大きさが異なるので感覚が狂わされます。
振るうこと二時間……もう腕があがりませんね。腕は痣だらけになりました。
「ご苦労様です。明日はもう一つの軫宿房へ向かってください」
おや? 別の房ですか?
「はい。明日はそちらで、この房は継続が大事な房ですので」
なるほど。確かにそうですね。
疲れました。本日は全羊湯。羊のスープが染み渡ります。羊肉のスペアリブも香ばしく美味しいです。
翌日……体中が痛いです。
「来たわね」
今日は、雀呂さんが担当なのですね。
「ここでは、剣霊と戦ってもらうわよ」
剣霊ですか?
「そう、天武神帝の弟子の中でも剣に秀でた100人との対決よ」
それはどうやって?
「この剣霊牌を使ってやるの」
木製の板に名前が書かれているようですが…
「回数は一日最大で5人。負けたら、その日は終了。最短なら20日で終わるわよ。座禅を組んで、この牌を首からかけてみなさい」
わかりました。やってみます。
意識が遠のくとそこは奇妙な空間……いえ、これは体感型シミュレーターに似ていますね。
体も動きます。目の前にいるのは対戦相手ということですか。見た目は影みたいな感じですね。
『それじゃ始め』
雀呂さんの声とともに相手が動き出しましたけど……すごく早いです。これでも100位て……どれほどなんですかね?
『身体能力の総合値は主と変わらないようにしてあるから、がんばって』
つまり、純粋な剣の実力でってことですか……いいでしょう。わたしの剣路を試させてもらいますよ!
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




