59 朱雀宿房
連投となります。
四神宿房へ訪れるのも三度目ですね。
「此度は南門『朱雀宿房』で励まれよ」
今度はどんな試練なんでしょうね? 少し楽しみです。
「南門の門番を倒されよ」
今度は赤い鎧に剣ですか。
「始められよ」
では、いきますか……
この門番は言わばチュートリアルです。これからスキルを習得するものだというのは解ります。
スキルというのは、決まったモーションで動けるようになるというのが、第一段階。それが少しずつ成長することで、動きの正確性が増していきます。
さらに成長すると、『流派』スキルへと進化したり、『アーツ』と呼ばれる必殺技が派生します。
『流派』スキルはパッシブ。常に発動し、バフ効果などを発揮するタイプのスキル。『アーツ』スキルはアクティブスキルと呼ばれ、任意のタイミングで発動させれます。
『武功』スキルは昔は不人気でした。成長が遅い為に即戦力にはならないと嫌厭されていましたが、成長幅が広く、一定に達すると『流派』スキルと『アーツ』スキルが派生する大器晩成のスキルとして今では受け入れられています。
シンさん、解析をお願いします。
――了――
――解析を開始――
剣を合わせて、一足一刀。その全てから学びましょう。わたしはまだ弱い。そして、弱いと思えるということは、強くなれる。
剣路。それは剣の流れ。どうすればいいのか、どう動くのか……すべては学び。迷いながらでも、困難でも……
――悟性『剣功・入門』を獲得――
どれだけ戦っていたのでしょうか? いえ、それは関係ありませんね。わたしの剣は届いたようですし……
「主殿。励まれよ」
……カンナさんは手厳しいですね。
今度は、竹林ですか、これはまた風情がありますね。
「ちっ……ようやく来たわね」
「雀呂舌打ちは、主殿に不敬よ」
「はい、律朱姉さま」
双子でしょうか? サイドテールの左右対称の少女ですね。
「主殿。我ら二名が朱雀宿房の管理者にございます」
「あたしたちが、しっかり指導してあげるのだから感謝なさい」
一人は物腰が柔らかいですが、もう一人はすごくツンケンしてます……
「それでは、わたくし律朱が剣を」
「あたしは音功を」
「「教えさせていただきます」」
えっ? 音功ですか?
どうやら剣だけではないようです。
評価や感想、ご意見など時間がありましたらどうかお願いいたします。




