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54 狂魔厄雲

 厄雲と龍雄の間に緊張が走る。


「さぁて、そろそろ始めるが……まだゴミが残ってるな!」


 無造作に蛇骨刀を振り、生き残っていた仲間の首を切り落とす。


「仲間ではないのですか?」


「なぁに気にするな。俺の後をついてくるだけのくだらない連中なんだからよ」


 そういって地面に落ちていた、青龍槍を龍雄へと蹴り飛ばす。


「俺はよぉ。戦うのが好きだ。殺すのが好きだ。特に強い奴と戦のが大好きだ。なのにつまらない奴ばかりで飽き飽きしてたんだよぉ【七擒七重(しちきんしちじゅう)


 蛇骨刀がうねり、地面を跳ねる。


「くっ……」


 槍で受け止めるが勢いに吹き飛ばされる。


「まだまだァ!」


 死体を蛇骨刀で絡め取ると、龍雄へと投げ放つ。


「仲間の死体をこんな風に使うとは」


「それだけじゃねぇよ!」


 そういって手首を返して蛇骨刀を跳ね上げ死体を真っ二つに切り裂き、飛び散る、臓物と血煙。


「なっ……」


「【目迷五重(もくめいごえ)】」


 緩急にうねりをあげて迫る。龍雄はギリギリで避けたと思った瞬間、胴を斬りつけられ、火花が飛び散る。


「中々、頑丈じゃねぇか! なら、これはどうだ!【六重不破】」


 蛇骨刀が分裂して、斬りつけてくる。


「【雷華歩功】」


 バァン! という音とともに瞬間的に、距離をとる。


「ふぅ……歩法【天猛兵林】」


 一気に距離を縮める。


「ちっ! 【一合一重】」


 接近に合わせて蛇骨刀を伸ばす。


「覇っ」


 伸びてきた瞬間、連結する鎖ごと地面に槍を突き刺す。


「なっ」


「【龍硬掌】」


 掌底を叩き込み


「【龍硬脚】」


 右ハイキックを流れるように左側頭部に


「【龍硬連脚】」


 そのまま右踵落としで厄雲の上半身が沈む。


「【昇龍脚】」


 逆立ちになる姿勢になり、蹴り上げ、そのまま腕の力で跳躍し


「【龍牙咬】」


 オーバーヘッドキックで地面へと叩きつける。


「はぁはぁ……クソがぁ!」


 体を起こす。


「【龍爪斬】」


 硬い装甲で覆われた厄雲の体が深く傷が刻まれる。


「【雷功・螺旋龍硬拳】」


 雷を纏った拳が腹部に突き刺さり、大きく吹き飛んだ厄雲は扉を突き破り吹き飛んでいく。


「ふぅ……先を急ぐとしましょう」


 そういって武装を解除し一息つきながら塔を昇り始めた。


 その姿が見えなくなるのを確認し影からぬるりと姿を現す存在があった。


「相変わらず甘いね。焦ると周りが見えなくなっちゃうんだからタツオは」


 小さくクックッと笑いながら、吹き飛ばされた厄雲のほうへと歩み寄る。


「あらら、随分と派手にやられちゃったね。けど、ギリギリ生きてる。うん、凄いね。リェイ」


「はい、フウさま」


 音もなく姿を現す絶世の美女。


「この子をつれて先に帰っててヨ。僕は全てを見終わったから帰るからさ」


「畏まりました」


 そっと担ぎ上げると現れ時と同じように音もなく消える。


「さてさてさぁて。どんな結末になるのか楽しみだ。とってもとっても楽しみだよ。タツオ」


 そして、塔の一階には誰もいなくなった。

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